落としものを拾ったら、ヤンデレ公爵に執着されました

涙乃(るの)

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「ははっ、私は、ウィリアム・エドワーズだ。 
君はいったいどこのご令嬢だい? 私の唇を奪った責任はとってもらうよ」

エドワーズ……公爵様だわ。ウィリアム・エドワーズ公爵様といえば、国王の甥にあたり、とんでもない女たらしでキス魔だ。

国王の弟夫妻が亡くなったため、若くしてウィリアム様が爵位を継がれた、と聞いた覚えがあす。そんな雲の上のような方が、どうしてこんな所に?

「エ⁉︎ エ、エドワーズ公爵さま! そうとは知らず、とんだご無礼を!
も、も、申し訳ありません……ですが、どちらかと言うと奪われたのは私の方ですが」


「ウィリアム」

「え?」

「ウィリアムと呼んで」

「そう言う訳にはいきません……」


「呼んでくれないと投獄するよ」

「そんな横暴な!わ、分かりました、ウィリアム様」

「ぶはっ、それが君の素なんだね、面白いね、君、名前は?」


「申し遅れました。クラリス・タルコットと申します」


「あぁ、タルコット伯爵の令嬢か。婚約者はいるの? いたとしても問題ないけど。だってもう私達は、身体の関係を持ってしまったのだからね?」


「いやいやいや、何を言っているのか意味分かりませんし。身体のって、キスだけですよね?」

「クラリス、聞き捨てならないセリフだね。君は誰にでもキスをするのかい?普通は、恋人、婚約者、結婚相手とだけするものじゃないのかい?」


「それはっ、そうですけど……」

「その理屈でいくと、私たちはまだ結婚はしていないから、恋人か婚約者だよね? よろしく、クラリス」


「はぁ⁉︎  飛躍しすぎですけどっ、公爵様と恋人だなんて恐れ多いです」


「ウィリアム」

「……ウィリアム様と、私とでは住む世界が違いすぎます! と、と、とにかく、私はこれで」


「世界ね~。いや、違わないかな。ねぇ、クラリス、今、どんな気分? さっきのキスだけでは満足できないんじゃない? 妙な感覚がしない?」


「な⁉︎ 」


「ははっ! 真っ赤になってかわいいね。図星だね?」


近い近いですっ、耳元で囁かれたら、耳が⁉︎

それに、ものすごく爽やかないい匂いがする。

もっと、近くに感じたい……

「きゃぁ⁉︎」

無意識に匂いを嗅いでおり、あろうことかウィリアム様に鼻をくっつけていた。
私はウィリアム様によって、かっちりと抱きしめられて、文字通り捕獲される。


「クラリスは積極的だね。でも、その気持ちはよく分かるよ。だって、私達は番だ」


「番?」

「あぁ、クラリスも番のことは知っているだろう? ただ一人の運命の相手だ」


「でも、番はおとぎ話の世界だけだと思っていました。私の両親も政略結婚ですし、周りで番を見つけた人などおりません」


「まぁ、番と出会えるのは奇跡みたいなものだからね。

番と出会えた者は、生涯、番のみを愛し、幸せになれるそうだよ。魔力も増幅するしね。 

クラリス、不思議そうな顔をしているね? まぁ、今の時代では番を見つけ出そうとする者は、あまりいないからね。

けれどね、王族は番を見つけるものなんだよ。国の繁栄のためにね。王族が番と結ばれると、国に繁栄と安寧をもたらすんだよ。だから、番を見つけることが継承権にも影響する。
 私は現在継承権第二位なんだけど、クラリスと結婚したら繰り上がるかもね。だって2歳年下の王太子フレデリックはまだ番を見つけてないからね。

うーん、毎日暗殺者が来るかもね、危ないから、とりあえず私の邸へ行こうか」


「ひゃぁ、ウィリアム様、お、お、おろしてくださいませ」

「だめだよ、大切な私の婚約者なんだから、ね」


情報過多すぎて、わけわからない。私はウィリアム様にお姫様抱っこされて、どこから現れたのか、用意された馬車へと乗せられた。

✴︎ ✴︎ ✴︎
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