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コトリ祭 -5-
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結局、眉毛を整えられ、化粧水を擦り込まれ、ファンデーションやコンシーラを塗られ、チークやルージュやアイライナーを引かれ、ビューラーを弱めにかけてからマスカラを入れられた後に、巫女の、想定していたよりも豪奢というか、金色で飾りがゴチャゴチャついたカンザシを髪に挿された。
「おお~!」
ウミが、わざとらしく言った、
「うん、これなら、もしかしたら圷くんが男の子だって、ぱっと見では解らないかもしれないね」
アメリは顎に手を当て、やや上目遣いで値踏みするような視線を送って来た。
「いや、確かに首から上は上出来だと思うけどさ」野辺がアメリに向かって言った。「どうせ当日は離れた所からしか拝めないんだから、ここまで仕上げる必要はなくね?」
委員長はかぶりを振った。
「舞踊の本懐は、悪霊に対して、藁人形を女の子と勘違いさせる事にあるのよ。その前提からすれば、女性に見えれば見える程、意味がある」
悪霊をたぶらかす、という算段か。
「あ、そうだ。折角だから、セーラー服を着てみない?」
ウミが思いついたかのように、提案した。
「いや、それはおかしい」僕は慌てて反対した。「巫女の擬態という話だったよね? セーラー服なんて、神への冒涜じゃないの? というか、サイズが合わないと思うし」
「野辺くん、男払いさせてもらってもいい?」
ウミは野辺を部屋の外に追い出すと、ベッドの囲いのカーテンを閉めた。野辺の、圷だって男なんだけど、という声が扉の向こうから聞こえてきた。
「誰のにする?」アメリが薄笑いのまま、言った。「姉さんのサイズだと合うかな」
「やだよ。この下は、下着だけだし」
「わたし、キャミ着てるから大丈夫だよ」
ウミが言った。
「あ、じゃあ、わたしの体操服を貸してあげるよ。今日、持ってきてるから」
アメリがウミに言った。
「ありがとう。ユウくんはちょっとそっち向いててね」
ここで脱ぐのかよ…。
僕は俯くようにして、視線をウミから逸らした。視野の端っこに、細い背を向けたウミが、セーラー服を脱ぐのが見えた。それから、少し巻き上がってしまったキャミソールを整えている様だった。
「はい、どうぞ」
ウミが、僕にセーラー服を渡してきた。
「どうぞ…って言われても、どうやって着ればいいのか解らないよ」
「そのまま、上からかぶるように着れば大丈夫だよ。襟カバーもスカーフも、そのままで着られるから。あ、先にカンザシは外そうね」
言われて、僕はTシャツを着るようにして、セーラー服を頭からかぶった。ウミの汗で少しだけ湿気を帯びていたが、制汗スプレーか何かの、甘い香りがした。僕は、裾を強く掴んで、襟カバーの間から頭を、両方の袖から腕を出そうとした。けれど、うまく行かなかった。化粧が服についてしまわないか、とても気を遣った。
「ウミ、圷くんにはやっぱりサイズが小さいんじゃないの?」
「よし、ちょっと手伝ってあげよう」
ウミは、セーラー服の裾を両手で持つと、強く引っ張った。それで、何とか頭と腕が出た。肩幅のサイズが合っておらず、肩のあたりがパツパツだ。
「変質者ね」
委員長が呟く様に言った。さすがにそのコメントは傷つく。けれど、委員長の口許が緩んでいるのが解った。よく考えたら、下半身は剃毛時の短パンのままだ。
ウミは、僕の前に立つと、器用に、セーラー服の胸元のホックと、裾のファスナーの世話をしてくれた。それから、カンザシを僕の頭に戻した。
「はははっ、かわいい!」
ウミがケラケラと笑った。
「圷くん、新学期からはそれで登校したらいいんじゃない?」アメリが、ウミに体操服を渡しながら言った。「ほら、二人並んでよ。写真撮ってあげるから」
ウミは体操服を着ると、ベッドの僕の横に並んで座った。
「ほら、ユウくん、笑って」
「いや、笑えるかよ」
「はいはい、撮るよ~。こっちむいて」
シャッター音が鳴り、アメリはスマホの画面に視線を落とした。
「圷くん、もっと笑わなきゃ」
「どれどれ、見せて」ウミはアメリの横に立つと、スマホを覗き込んだ。「悪くない悪くない。ほら、ユウくん、みてみて」
ウミが、僕に向かってスマホの画面を向けてきた。写真の中のウミは、白い歯を見せながら満面の笑顔でピースをしていた。僕は唇を結んで、不機嫌な顔で視線をレンズから逸らしていた。
僕は、促されて、委員長にスマホを渡した。委員長は評価を下すかのように、落ち着いた表情でまじまじと画面と対峙した。
「ふうん…」委員長は画面から視線を外すと、僕とウミの顔を、数回交互に見た。「こうやって並べてみると、圷くんと木百合さんって、ちょっと似てるのね」
「へえ! いいんだあ」ウミが、顔を明るくして言った。「一緒に並んで町を歩いたら、姉妹に思われるかな? というか、代わりにバイトに行ってもらえるじゃん」
ウミとアメリと委員長が満足したところで、服を元に戻し、化粧を落とし…化粧を落とすのがこんなに一仕事だとは想定すらしていなかったけれど…アメリは体操服に着替えた。それから体育館に移動すると、保健教師と委員長の指導の下、舞踊の練習が始まった。
踊りは思ったよりシンプルだった。いくつかのステップを含む動作を、数パターン繰り返す。盆踊りと比較すれば、仕草は大きいし、全身を使うので、運動量はそれなりだ。二時間くらいかけて、僕らは所作を全て叩き込まれた。
「実際は、この舞踊に合わせて詔刀を唱え続けるからね」保健教師が言った。「本番まで練習量を増やして体力をつけるのと、後で詔刀の奏上文を渡すから、暗記しておくように」
「あと、本番は巫女衣装だからもう少し動きづらくなるのと、両手に神楽鈴を持つのよ。次回からは、鈴を鳴らす練習もするから、そのつもりでね」
委員長が補足した。なるほど、確かに、まだまだ練習は必要となりそうだ。これに加え、藁人形も作るとなると、なかなか大変そうだぞ。
帰りしな、教室に寄ると、野辺を含めたクラスの男女数人がなにやら黒板を前に談義していた。
僕の存在に気づくと、野辺は、よう、終わったのか、と声をかけてきた。
「野辺は、今日は何しに来たんだっけ?」
「お前は藁人形と女装だけかもしれないけれどな、こっちは屋台を担当しなきゃならん。担当メンバと何の屋台にするかの打ち合わせだよ」
そうか、すっかり忘れていたけれど、恐らくクラスとしてのメイン行事はそっちだよな。
「それで、何の屋台をやる事になったんだい? 御手洗団子とか、綿あめとか?」
「おいおい、俺たちを舐めてはいかんぞ」野辺はもったいぶるように言った。「最有力案は、カレーだ」
「カレー? それはまたご趣向だな。屋台でカレーなんてあまりお目にかからない」
「だからいいんだろ?」
「圷、アメリを貸してくれよ」メンバの一人の男子が言った。「野辺の奴が、アメリのカレーが絶品だって言うんだ」
アメリが?
「いや、アメリは駄目だ」野辺が答えた。「巫女の役目の方がどう考えても重要だからな。ただ、作り方は教わろうと思う」
それから程なくして、島外退避の話が正式に通知された。野辺の事前情報は、正しかったという訳だ。小、中、高校生は、夏休み中にもかかわらず、説明を受ける為に登校をする事になった。できる限り混乱を避けるための措置なのだろう。
教室の中、僕らは不安だった。何故なら「半数は島に残り、半数は島外退避をする」だからだ。それに、そもそも噴火の本番がこれからかもしれない、という憶測が、僕らを一層、動揺させた。
担任は、退避組なのか残留組なのかを示した名簿を配布する前に、次の事を伝えた。噴火を警戒しての対応ではあるが、大規模な噴火が必ず起きるという確証がある訳ではないこと、最大一年間の予定であること、それ以上の期間に延長の必要がある場合、退避組と残留組の入れ替えを行うこと。島民全員が一斉退避とならないのは、僕の予測通り、全員分の退避場所を確保をできないのと、長期間になる場合を想定して島の保全が必要になるから、つまり残留組が普段の生活をする事による各所のメンテンナンスが有用との判断のようだった。
担任から、名簿が配布された。僕らは全員、その用紙を舐めるように見入った。
どういう区分けをしたのかは不明だが…僕とウミと野辺は、残留組だった。仲間内では、唯一、アメリが島外避難組に選定されていた。確かに、数だけを勘定すれば、クラスの約半数が残留、残りの半数が退避、となっており、合理的ではある。若干の数のずれは、家族の人数に配慮したものだろうな。
僕らは何とも言えない感情にまみれたまま、高校を後にした。アメリが、自分だけ退避組になっていた事で、よそよそしくなっていた。
「アメリらしいけれどさ」野辺が言った。「そういうところ、気にしすぎだよ。退避できるに越したことはないんだからよ」
「本当は僕ら四人いたら、二人は島外退避でもおかしくなかったからね」
僕らの言葉に、アメリは、ありがとう、と言った。
「でもね、離れ離れになるのは、やっぱり寂しいな…」アメリは俯いた。「それに、もし本当に噴火しちゃったら、皆だけ怖い目に合うのもいやだよ…」
「俺のところは、親父が漁師だから、陸に行けない事もないさ。様子を見て、会いに行くことだってできるさ」
野辺はそう言うが、知っている筈だ。当面は禁漁になり、かつ漁師には補助金が支給される。つまり、勝手に船を出して退避組に会いに行くことは、できない。
「島外退避はお祭の後なんだから、お祭をいい思い出にしようよ」
ウミは、俯いたアメリの横顔に、声をかけた。
「おお~!」
ウミが、わざとらしく言った、
「うん、これなら、もしかしたら圷くんが男の子だって、ぱっと見では解らないかもしれないね」
アメリは顎に手を当て、やや上目遣いで値踏みするような視線を送って来た。
「いや、確かに首から上は上出来だと思うけどさ」野辺がアメリに向かって言った。「どうせ当日は離れた所からしか拝めないんだから、ここまで仕上げる必要はなくね?」
委員長はかぶりを振った。
「舞踊の本懐は、悪霊に対して、藁人形を女の子と勘違いさせる事にあるのよ。その前提からすれば、女性に見えれば見える程、意味がある」
悪霊をたぶらかす、という算段か。
「あ、そうだ。折角だから、セーラー服を着てみない?」
ウミが思いついたかのように、提案した。
「いや、それはおかしい」僕は慌てて反対した。「巫女の擬態という話だったよね? セーラー服なんて、神への冒涜じゃないの? というか、サイズが合わないと思うし」
「野辺くん、男払いさせてもらってもいい?」
ウミは野辺を部屋の外に追い出すと、ベッドの囲いのカーテンを閉めた。野辺の、圷だって男なんだけど、という声が扉の向こうから聞こえてきた。
「誰のにする?」アメリが薄笑いのまま、言った。「姉さんのサイズだと合うかな」
「やだよ。この下は、下着だけだし」
「わたし、キャミ着てるから大丈夫だよ」
ウミが言った。
「あ、じゃあ、わたしの体操服を貸してあげるよ。今日、持ってきてるから」
アメリがウミに言った。
「ありがとう。ユウくんはちょっとそっち向いててね」
ここで脱ぐのかよ…。
僕は俯くようにして、視線をウミから逸らした。視野の端っこに、細い背を向けたウミが、セーラー服を脱ぐのが見えた。それから、少し巻き上がってしまったキャミソールを整えている様だった。
「はい、どうぞ」
ウミが、僕にセーラー服を渡してきた。
「どうぞ…って言われても、どうやって着ればいいのか解らないよ」
「そのまま、上からかぶるように着れば大丈夫だよ。襟カバーもスカーフも、そのままで着られるから。あ、先にカンザシは外そうね」
言われて、僕はTシャツを着るようにして、セーラー服を頭からかぶった。ウミの汗で少しだけ湿気を帯びていたが、制汗スプレーか何かの、甘い香りがした。僕は、裾を強く掴んで、襟カバーの間から頭を、両方の袖から腕を出そうとした。けれど、うまく行かなかった。化粧が服についてしまわないか、とても気を遣った。
「ウミ、圷くんにはやっぱりサイズが小さいんじゃないの?」
「よし、ちょっと手伝ってあげよう」
ウミは、セーラー服の裾を両手で持つと、強く引っ張った。それで、何とか頭と腕が出た。肩幅のサイズが合っておらず、肩のあたりがパツパツだ。
「変質者ね」
委員長が呟く様に言った。さすがにそのコメントは傷つく。けれど、委員長の口許が緩んでいるのが解った。よく考えたら、下半身は剃毛時の短パンのままだ。
ウミは、僕の前に立つと、器用に、セーラー服の胸元のホックと、裾のファスナーの世話をしてくれた。それから、カンザシを僕の頭に戻した。
「はははっ、かわいい!」
ウミがケラケラと笑った。
「圷くん、新学期からはそれで登校したらいいんじゃない?」アメリが、ウミに体操服を渡しながら言った。「ほら、二人並んでよ。写真撮ってあげるから」
ウミは体操服を着ると、ベッドの僕の横に並んで座った。
「ほら、ユウくん、笑って」
「いや、笑えるかよ」
「はいはい、撮るよ~。こっちむいて」
シャッター音が鳴り、アメリはスマホの画面に視線を落とした。
「圷くん、もっと笑わなきゃ」
「どれどれ、見せて」ウミはアメリの横に立つと、スマホを覗き込んだ。「悪くない悪くない。ほら、ユウくん、みてみて」
ウミが、僕に向かってスマホの画面を向けてきた。写真の中のウミは、白い歯を見せながら満面の笑顔でピースをしていた。僕は唇を結んで、不機嫌な顔で視線をレンズから逸らしていた。
僕は、促されて、委員長にスマホを渡した。委員長は評価を下すかのように、落ち着いた表情でまじまじと画面と対峙した。
「ふうん…」委員長は画面から視線を外すと、僕とウミの顔を、数回交互に見た。「こうやって並べてみると、圷くんと木百合さんって、ちょっと似てるのね」
「へえ! いいんだあ」ウミが、顔を明るくして言った。「一緒に並んで町を歩いたら、姉妹に思われるかな? というか、代わりにバイトに行ってもらえるじゃん」
ウミとアメリと委員長が満足したところで、服を元に戻し、化粧を落とし…化粧を落とすのがこんなに一仕事だとは想定すらしていなかったけれど…アメリは体操服に着替えた。それから体育館に移動すると、保健教師と委員長の指導の下、舞踊の練習が始まった。
踊りは思ったよりシンプルだった。いくつかのステップを含む動作を、数パターン繰り返す。盆踊りと比較すれば、仕草は大きいし、全身を使うので、運動量はそれなりだ。二時間くらいかけて、僕らは所作を全て叩き込まれた。
「実際は、この舞踊に合わせて詔刀を唱え続けるからね」保健教師が言った。「本番まで練習量を増やして体力をつけるのと、後で詔刀の奏上文を渡すから、暗記しておくように」
「あと、本番は巫女衣装だからもう少し動きづらくなるのと、両手に神楽鈴を持つのよ。次回からは、鈴を鳴らす練習もするから、そのつもりでね」
委員長が補足した。なるほど、確かに、まだまだ練習は必要となりそうだ。これに加え、藁人形も作るとなると、なかなか大変そうだぞ。
帰りしな、教室に寄ると、野辺を含めたクラスの男女数人がなにやら黒板を前に談義していた。
僕の存在に気づくと、野辺は、よう、終わったのか、と声をかけてきた。
「野辺は、今日は何しに来たんだっけ?」
「お前は藁人形と女装だけかもしれないけれどな、こっちは屋台を担当しなきゃならん。担当メンバと何の屋台にするかの打ち合わせだよ」
そうか、すっかり忘れていたけれど、恐らくクラスとしてのメイン行事はそっちだよな。
「それで、何の屋台をやる事になったんだい? 御手洗団子とか、綿あめとか?」
「おいおい、俺たちを舐めてはいかんぞ」野辺はもったいぶるように言った。「最有力案は、カレーだ」
「カレー? それはまたご趣向だな。屋台でカレーなんてあまりお目にかからない」
「だからいいんだろ?」
「圷、アメリを貸してくれよ」メンバの一人の男子が言った。「野辺の奴が、アメリのカレーが絶品だって言うんだ」
アメリが?
「いや、アメリは駄目だ」野辺が答えた。「巫女の役目の方がどう考えても重要だからな。ただ、作り方は教わろうと思う」
それから程なくして、島外退避の話が正式に通知された。野辺の事前情報は、正しかったという訳だ。小、中、高校生は、夏休み中にもかかわらず、説明を受ける為に登校をする事になった。できる限り混乱を避けるための措置なのだろう。
教室の中、僕らは不安だった。何故なら「半数は島に残り、半数は島外退避をする」だからだ。それに、そもそも噴火の本番がこれからかもしれない、という憶測が、僕らを一層、動揺させた。
担任は、退避組なのか残留組なのかを示した名簿を配布する前に、次の事を伝えた。噴火を警戒しての対応ではあるが、大規模な噴火が必ず起きるという確証がある訳ではないこと、最大一年間の予定であること、それ以上の期間に延長の必要がある場合、退避組と残留組の入れ替えを行うこと。島民全員が一斉退避とならないのは、僕の予測通り、全員分の退避場所を確保をできないのと、長期間になる場合を想定して島の保全が必要になるから、つまり残留組が普段の生活をする事による各所のメンテンナンスが有用との判断のようだった。
担任から、名簿が配布された。僕らは全員、その用紙を舐めるように見入った。
どういう区分けをしたのかは不明だが…僕とウミと野辺は、残留組だった。仲間内では、唯一、アメリが島外避難組に選定されていた。確かに、数だけを勘定すれば、クラスの約半数が残留、残りの半数が退避、となっており、合理的ではある。若干の数のずれは、家族の人数に配慮したものだろうな。
僕らは何とも言えない感情にまみれたまま、高校を後にした。アメリが、自分だけ退避組になっていた事で、よそよそしくなっていた。
「アメリらしいけれどさ」野辺が言った。「そういうところ、気にしすぎだよ。退避できるに越したことはないんだからよ」
「本当は僕ら四人いたら、二人は島外退避でもおかしくなかったからね」
僕らの言葉に、アメリは、ありがとう、と言った。
「でもね、離れ離れになるのは、やっぱり寂しいな…」アメリは俯いた。「それに、もし本当に噴火しちゃったら、皆だけ怖い目に合うのもいやだよ…」
「俺のところは、親父が漁師だから、陸に行けない事もないさ。様子を見て、会いに行くことだってできるさ」
野辺はそう言うが、知っている筈だ。当面は禁漁になり、かつ漁師には補助金が支給される。つまり、勝手に船を出して退避組に会いに行くことは、できない。
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