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なぞのうらないし
また、1歩
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「は!」
水から上がるような感覚がしてやっとその空間から上がれた。
「夢…じゃないよな?」
「夢じゃないよ。」
目が覚めると、さっきと同じ木の椅子に座っていていつの間にか斜め前にいた奴はいなくなって俺とアリスさんは二人きりになった。
「お姉ちゃん…私にそれ見せてくれないんですよ。」
少し、乾いた笑いが響き彼女は空虚に微笑んだ。
「多分、リリィの事ですよね。」
「…はい。」
なんというか、奴がいたら何であんなの見せたんだと聞こうと思っていたがアリスさん相手だと聞づらい。
「お姉ちゃんは、優しい人です。私の為に騎士になってくれた、私に王位を譲ってくれた。
でも、お姉ちゃんの1番は私じゃないんです。」
「そんな事ない!だろ…」
考えるより先に言葉が出て、それはきっとあいつが報われないと思ったからなのだろうか。
妹に、人生を注いでそれでも愛に気づいてもらえないなんて悲しいだろうし。
「違わないよ。お姉ちゃんが一番大切なのはリリィなんだよ。」
「いい加減…!」
いい加減認めろと、あの欠片を見たら俺はそう言わざるを得なかった。
「違わないの!だって、私は…」
「お姉ちゃんを家族とも思って無いし、私は誰も大切に思ってない。だから、お姉ちゃんが私の1番じゃないの。」
「は…?」
家族とも思ってない…、誰も大切だと思ったことはない?
口から出任せと、思いたかった
そんな悲しい言葉聞きたくなかった。
「お姉ちゃんは、王様になりなくなかっただけなのよ。」
「リリィは、私にいつも嫌なことしてきた。」
「お父様も、お母様も、王候補になったらすぐに私を捨てたわ。」
「私にとってあの人たちはずっと昔から他人なの。
同じ部屋で、同じ屋敷で、同じ場所で。ずっと暮らしてきた。
同じ所で暮らしただけの赤の他人よ。」
彼女から、語られた物語は赤黒くでも、どこかの優雅な薔薇の花の様な物語。
そして、欠片についてまた1歩、
近づき血が付く物語。
水から上がるような感覚がしてやっとその空間から上がれた。
「夢…じゃないよな?」
「夢じゃないよ。」
目が覚めると、さっきと同じ木の椅子に座っていていつの間にか斜め前にいた奴はいなくなって俺とアリスさんは二人きりになった。
「お姉ちゃん…私にそれ見せてくれないんですよ。」
少し、乾いた笑いが響き彼女は空虚に微笑んだ。
「多分、リリィの事ですよね。」
「…はい。」
なんというか、奴がいたら何であんなの見せたんだと聞こうと思っていたがアリスさん相手だと聞づらい。
「お姉ちゃんは、優しい人です。私の為に騎士になってくれた、私に王位を譲ってくれた。
でも、お姉ちゃんの1番は私じゃないんです。」
「そんな事ない!だろ…」
考えるより先に言葉が出て、それはきっとあいつが報われないと思ったからなのだろうか。
妹に、人生を注いでそれでも愛に気づいてもらえないなんて悲しいだろうし。
「違わないよ。お姉ちゃんが一番大切なのはリリィなんだよ。」
「いい加減…!」
いい加減認めろと、あの欠片を見たら俺はそう言わざるを得なかった。
「違わないの!だって、私は…」
「お姉ちゃんを家族とも思って無いし、私は誰も大切に思ってない。だから、お姉ちゃんが私の1番じゃないの。」
「は…?」
家族とも思ってない…、誰も大切だと思ったことはない?
口から出任せと、思いたかった
そんな悲しい言葉聞きたくなかった。
「お姉ちゃんは、王様になりなくなかっただけなのよ。」
「リリィは、私にいつも嫌なことしてきた。」
「お父様も、お母様も、王候補になったらすぐに私を捨てたわ。」
「私にとってあの人たちはずっと昔から他人なの。
同じ部屋で、同じ屋敷で、同じ場所で。ずっと暮らしてきた。
同じ所で暮らしただけの赤の他人よ。」
彼女から、語られた物語は赤黒くでも、どこかの優雅な薔薇の花の様な物語。
そして、欠片についてまた1歩、
近づき血が付く物語。
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