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プロローグ
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途端、ふわりと甘い香りがした。
さっきもどこかで思った気がする。
甘い……桃の花の香り。桃?
……けれど、その香りがアラタの鼻の奥をくすぐると、どんどんと頭が痺れて何も考えられなくなっていく。いつも冷静なはずのアラタは、訳の分からぬ感情に押し流されそうになっていた。そして、快感にも。
「ぁ……んっ、ぅ……、ま、まて……っ」
「ん……気持ちよくなってきてくれました?」
「んっ、な……わ、け……」
ないでしょう、という語尾は消え入ってしまう。相手に触れられた先、ベルトだけ緩めたスラックスのその奥は硬く濡れそぼり、その欲望の形をあらわにしていた。
向こうの熱がそれに擦れて、互いにそれなりに大きなものが熱をもって触れ合う。
目の前の相手はペロリと舌を出すと、どかっとアラタの上に跨り直してきた。
やめ、と彼の指先の辿る先を睨んでも、腕に力が入らない。さっきの傷の違和感は消えたのに、自分の体がどこかおかしい。
「ぁ……、待て……やめ……ろっ……!」
「あー……やっべ、素が出てくるのもたまんねえ」
すっとスラックスの前を寛げられ、自分の熱が硬く外に飛び出すのが分かる。
あっという間に下着をずらされ、すでに布を濡らしたそれを指でしごかれてしまった。
その濡れた感触にアラタは呻きながら、この男と出会った数週間前を思い出していた。
後悔だ。後悔しかない。なんでこんな男と関わってしまったんだ!!
――どうして、こんなことになった……!?
途端、ふわりと甘い香りがした。
さっきもどこかで思った気がする。
甘い……桃の花の香り。桃?
……けれど、その香りがアラタの鼻の奥をくすぐると、どんどんと頭が痺れて何も考えられなくなっていく。いつも冷静なはずのアラタは、訳の分からぬ感情に押し流されそうになっていた。そして、快感にも。
「ぁ……んっ、ぅ……、ま、まて……っ」
「ん……気持ちよくなってきてくれました?」
「んっ、な……わ、け……」
ないでしょう、という語尾は消え入ってしまう。相手に触れられた先、ベルトだけ緩めたスラックスのその奥は硬く濡れそぼり、その欲望の形をあらわにしていた。
向こうの熱がそれに擦れて、互いにそれなりに大きなものが熱をもって触れ合う。
目の前の相手はペロリと舌を出すと、どかっとアラタの上に跨り直してきた。
やめ、と彼の指先の辿る先を睨んでも、腕に力が入らない。さっきの傷の違和感は消えたのに、自分の体がどこかおかしい。
「ぁ……、待て……やめ……ろっ……!」
「あー……やっべ、素が出てくるのもたまんねえ」
すっとスラックスの前を寛げられ、自分の熱が硬く外に飛び出すのが分かる。
あっという間に下着をずらされ、すでに布を濡らしたそれを指でしごかれてしまった。
その濡れた感触にアラタは呻きながら、この男と出会った数週間前を思い出していた。
後悔だ。後悔しかない。なんでこんな男と関わってしまったんだ!!
――どうして、こんなことになった……!?
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