110 / 121
4章 高校最初の夏休み
23話 ほんの数日だけど
しおりを挟む
お盆で数日間ほど、両親の実家に帰省していた。
私と萌恵ちゃんの実家は隣同士だけど、当然ながら両親の実家となると場所はバラバラ。
しばらく会えない寂しさを少しでも紛らわせるため、出発の前日はいつも以上に愛し合った。
そして今日、私たちは数日ぶりの再会を果たす。
先に到着した私は、窓を開け放って換気をしつつ荷物を片付ける。
母方の祖母に貰った自家製の梅干しを冷蔵庫に入れ、衣類をタンスに仕舞う。
動いているうちに汗ばんできたので、窓を閉めてエアコンを稼働させる。
「――っ!」
家の外からチャリッと金属が擦れるような音が聞こえ、もしやと思い駆け出す。
続けて耳に入ったのは、鍵を開ける音。間違いない、萌恵ちゃんだ!
「ただい――」
「萌恵ちゃんっ! 萌恵ちゃん萌恵ちゃんっ、会いたかったよ萌恵ちゃん!」
私は萌恵ちゃんが『ただいま』を言い終えるよりも早く、玄関に姿を現すと同時に勢いよく抱き着く。
萌恵ちゃんは突然の出来事に驚いたものの、すぐさま玄関に荷物を置いて抱き返してくれた。
帰省中もことあるごとに連絡を取り合っていたけど、やっぱり実際に会える嬉しさは計り知れない。
「んふふっ、あたしも会いたかった! お出迎えしてくれてありがと~!」
「ごめん萌恵ちゃん、我慢できないっ」
「んむっ!?」
久しぶりのハグによる興奮に後押しされ、問答無用で萌恵ちゃんの唇を奪う。
「んっ、ちゅ、ぁむっ、ちゅるっ」
会えなかった時間を取り戻すように、情熱的なキスを交わす。
二人の声が重なり、触れ合う唇もまた音を奏でる。
けたたましいセミの鳴き声も気にならないぐらい、私たちは夢中でキスをした。
私と萌恵ちゃんの実家は隣同士だけど、当然ながら両親の実家となると場所はバラバラ。
しばらく会えない寂しさを少しでも紛らわせるため、出発の前日はいつも以上に愛し合った。
そして今日、私たちは数日ぶりの再会を果たす。
先に到着した私は、窓を開け放って換気をしつつ荷物を片付ける。
母方の祖母に貰った自家製の梅干しを冷蔵庫に入れ、衣類をタンスに仕舞う。
動いているうちに汗ばんできたので、窓を閉めてエアコンを稼働させる。
「――っ!」
家の外からチャリッと金属が擦れるような音が聞こえ、もしやと思い駆け出す。
続けて耳に入ったのは、鍵を開ける音。間違いない、萌恵ちゃんだ!
「ただい――」
「萌恵ちゃんっ! 萌恵ちゃん萌恵ちゃんっ、会いたかったよ萌恵ちゃん!」
私は萌恵ちゃんが『ただいま』を言い終えるよりも早く、玄関に姿を現すと同時に勢いよく抱き着く。
萌恵ちゃんは突然の出来事に驚いたものの、すぐさま玄関に荷物を置いて抱き返してくれた。
帰省中もことあるごとに連絡を取り合っていたけど、やっぱり実際に会える嬉しさは計り知れない。
「んふふっ、あたしも会いたかった! お出迎えしてくれてありがと~!」
「ごめん萌恵ちゃん、我慢できないっ」
「んむっ!?」
久しぶりのハグによる興奮に後押しされ、問答無用で萌恵ちゃんの唇を奪う。
「んっ、ちゅ、ぁむっ、ちゅるっ」
会えなかった時間を取り戻すように、情熱的なキスを交わす。
二人の声が重なり、触れ合う唇もまた音を奏でる。
けたたましいセミの鳴き声も気にならないぐらい、私たちは夢中でキスをした。
0
あなたにおすすめの小説
幼馴染が家出したので、僕と同居生活することになったのだが。
四乃森ゆいな
青春
とある事情で一人暮らしをしている僕──和泉湊はある日、幼馴染でクラスメイト、更には『女神様』と崇められている美少女、真城美桜を拾うことに……?
どうやら何か事情があるらしく、頑なに喋ろうとしない美桜。普段は無愛想で、人との距離感が異常に遠い彼女だが、何故か僕にだけは世話焼きになり……挙句には、
「私と同棲してください!」
「要求が増えてますよ!」
意味のわからない同棲宣言をされてしまう。
とりあえず同居するという形で、居候することになった美桜は、家事から僕の宿題を見たりと、高校生らしい生活をしていくこととなる。
中学生の頃から疎遠気味だったために、空いていた互いの時間が徐々に埋まっていき、お互いに知らない自分を曝け出していく中──女神様は何でもない『日常』を、僕の隣で歩んでいく。
無愛想だけど僕にだけ本性をみせる女神様 × ワケあり陰キャぼっちの幼馴染が送る、半同棲な同居生活ラブコメ。
義姉妹百合恋愛
沢谷 暖日
青春
姫川瑞樹はある日、母親を交通事故でなくした。
「再婚するから」
そう言った父親が1ヶ月後連れてきたのは、新しい母親と、美人で可愛らしい義理の妹、楓だった。
次の日から、唐突に楓が急に積極的になる。
それもそのはず、楓にとっての瑞樹は幼稚園の頃の初恋相手だったのだ。
※他サイトにも掲載しております
学校一の美人から恋人にならないと迷惑系Vtuberになると脅された。俺を切り捨てた幼馴染を確実に見返せるけど……迷惑系Vtuberて何それ?
宇多田真紀
青春
学校一の美人、姫川菜乃。
栗色でゆるふわな髪に整った目鼻立ち、声質は少し強いのに優し気な雰囲気の女子だ。
その彼女に脅された。
「恋人にならないと、迷惑系Vtuberになるわよ?」
今日は、大好きな幼馴染みから彼氏ができたと知らされて、心底落ち込んでいた。
でもこれで、確実に幼馴染みを見返すことができる!
しかしだ。迷惑系Vtuberってなんだ??
訳が分からない……。それ、俺困るの?
昔義妹だった女の子が通い妻になって矯正してくる件
マサタカ
青春
俺には昔、義妹がいた。仲が良くて、目に入れても痛くないくらいのかわいい女の子だった。
あれから数年経って大学生になった俺は友人・先輩と楽しく過ごし、それなりに充実した日々を送ってる。
そんなある日、偶然元義妹と再会してしまう。
「久しぶりですね、兄さん」
義妹は見た目や性格、何より俺への態度。全てが変わってしまっていた。そして、俺の生活が爛れてるって言って押しかけて来るようになってしまい・・・・・・。
ただでさえ再会したことと変わってしまったこと、そして過去にあったことで接し方に困っているのに成長した元義妹にドギマギさせられてるのに。
「矯正します」
「それがなにか関係あります? 今のあなたと」
冷たい視線は俺の過去を思い出させて、罪悪感を募らせていく。それでも、義妹とまた会えて嬉しくて。
今の俺たちの関係って義兄弟? それとも元家族? 赤の他人?
ノベルアッププラスでも公開。
付き合う前から好感度が限界突破な幼馴染が、疎遠になっていた中学時代を取り戻す為に高校ではイチャイチャするだけの話
頼瑠 ユウ
青春
高校一年生の上条悠斗は、同級生にして幼馴染の一ノ瀬綾乃が別のクラスのイケメンに告白された事を知り、自身も彼女に想いを伝える為に告白をする。
綾乃とは家が隣同士で、彼女の家庭の事情もあり家族ぐるみで幼い頃から仲が良かった。
だが、悠斗は小学校卒業を前に友人達に綾乃との仲を揶揄われ、「もっと女の子らしい子が好きだ」と言ってしまい、それが切っ掛けで彼女とは疎遠になってしまっていた。
中学の三年間は拒絶されるのが怖くて、悠斗は綾乃から逃げ続けた。
とうとう高校生となり、綾乃は誰にでも分け隔てなく優しく、身体つきも女性らしくなり『学年一の美少女』と謳われる程となっている。
高嶺の花。
そんな彼女に悠斗は不釣り合いだと振られる事を覚悟していた。
だがその結果は思わぬ方向へ。実は彼女もずっと悠斗が好きで、両想いだった。
しかも、綾乃は悠斗の気を惹く為に、品行方正で才色兼備である事に努め、胸の大きさも複数のパッドで盛りに盛っていた事が発覚する。
それでも構わず、恋人となった二人は今まで出来なかった事を少しずつ取り戻していく。
他愛の無い会話や一緒にお弁当を食べたり、宿題をしたり、ゲームで遊び、デートをして互いが好きだという事を改めて自覚していく。
存分にイチャイチャし、時には異性と意識して葛藤する事もあった。
両家の家族にも交際を認められ、幸せな日々を過ごしていた。
拙いながらも愛を育んでいく中で、いつしか学校では綾乃の良からぬ噂が広まっていく。
そして綾乃に振られたイケメンは彼女の弱みを握り、自分と付き合う様に脅してきた。
それでも悠斗と綾乃は屈せずに、将来を誓う。
イケメンの企てに、友人達や家族の助けを得て立ち向かう。
付き合う前から好感度が限界突破な二人には、いかなる障害も些細な事だった。
春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる
釧路太郎
キャラ文芸
僕には露出狂のいとこが三人いる。
他の人にはわからないように僕だけに下着をチラ見せしてくるのだが、他の人はその秘密を誰も知らない。
そんな三人のいとこたちとの共同生活が始まるのだが、僕は何事もなく生活していくことが出来るのか。
三姉妹の長女前田沙緒莉は大学一年生。次女の前田陽香は高校一年生。三女の前田真弓は中学一年生。
新生活に向けたスタートは始まったばかりなのだ。
この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルアッププラス」にも投稿しています。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる