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アリアの呼吸が落ち着くのを待って、レンは態とらしいほどに大きく伸びをした。固まっていた空気が落ち着きを取り戻し、ふわっと動く。
「……さて」
レンは立ち上がり、空になった胃袋をさすった。
「腹が減った。それに、喉も渇いた。だが残念なことに、俺たちの財布は風前の灯火だ」
その言葉に、アリアが顔を上げる。その目はまだ赤かったが、数度ゆっくりと瞬きを繰り返す。そうして目元を軽く拭った彼女の顔は、レンの不器用な気遣いを汲んだかのように、さっぱりとしていた。
「そうね。契約通り、稼ぎに行きましょうか、相棒さん」
「ああ。開店の時間だ」
二人は身支度を整えてから仕事道具を手に持つと、列車の前方にある食堂車へと向かった。
☆
一等の客や、旅慣れた商人たちが集まる食堂車は、紫煙が燻り、グラスが触れ合う音と談笑で満ちていた。
レンは入り口で立ち止まり、ぐるりとフロアを見渡した。そして、窓際の席に座る一人の紳士に目をつける。身なりは良いが、しきりに懐中時計を取り出しては振ったり、耳に当てたりして眉をひそめている。
「……あそこだ」
レンはアリアに目配せすると、紳士のテーブルへ近づいた。
「失礼。その時計、三番車の軸受けが油切れを起こしていますね」
紳士が驚いて顔を上げる。
「君は?」
「通りすがりの修復士です。その音だと、あと半刻もすれば完全に止まる。……この列車が次の駅に着くまでの間、この揺れる車内で直せますが? 代金は、ランチ一回分でいかがでしょう」
紳士は疑わしげな目を向けたが、止まりかけの秒針を見て観念し、その懐中時計を差し出した。商談成立だ。レンはテーブルの端を借り、懐から工具袋を取り広げた。
揺れる車内、薄暗い照明。悪条件は揃っていたが、レンの指先には微塵の迷いもない。裏蓋を開け、極小のピンセットが踊るように部品を摘まむ。その鮮やかな手並みに、周囲の客たちの視線が集まり始めた。
「これは……素晴らしい……魔法のようだ」
「ええ。街では奇跡の手を持つ者だって、そう言われてるんですよ」
アリアが間髪入れずにそう付け加え、紳士にウィンクをする。
「なるほど。納得の通称だ」
紳士が感嘆の声を上げる横で、成り行きを見守っていた夫人が、アリア自身に目をとめた。
「あら、あなた……そのカードは?」
アリアは待っていましたとばかりに、神秘的な微笑を浮かべた。手には、使い込まれたタロットカード。
「旅の道連れとして寄り添う、古いタロットカードですわ、奥様。……もしよろしければ、旅の行方を占ってみませんか? お代は、奥様のお気持ちで構いません」
「本当に? わたくし、占術に興味がありましたのよ。こんな機会、早々ないものね。ぜひ、お願いできるかしら?」
そう応えた夫人の目は、まるで少女のようにキラキラとしていた。そして、その豊満な体を揺らしながら、隣のテーブル席の椅子に腰を下ろし、アリアにも席に付くように促す。アリアはひとつ頭を下げ、夫人の対面に座った。
テーブルの上に、ゆっくりとカードを置く。そして、ザッと小気味の良い音を鳴らしながら、滑らかにシャッフルし扇状に広げた。彼女がひとたびカードを展開すると、場の空気が変わった。食堂車の喧騒が一瞬遠のき、貴婦人たちは彼女の言葉に吸い寄せられる。
ジプシーの知恵と、踊り子としての観察眼。アリアの占いは、単なる予言ではない。相手の表情、仕草、服装からどんな環境にあるのかを推理する。相手と対話することで悩みを汲み取ってゆき、それを引いたカードの意味に乗せて背中を押す。それは、一種の心読みに近い技術だった。
「『女帝』のカード……。とても、素敵なカードですわ。奥様、近いうちに家族が増えるお慶びが?」
「まあ! どうしてわかったの? 実は娘が……」
そこからは、早かった。
『過去を直せる男』と『未来を読む女』
美男美女の奇妙な二人組の噂は、車両内であっという間に広まった。
数時間後。二人が個室に戻った時、レンの財布には十分な紙幣とコイン、紳士から「素晴らしい腕への礼だ」と上乗せの金貨1枚と、振る舞われた上等なワインの小瓶が増えていた。アリアの腕にも、貴婦人たちから貰った菓子や果物が抱えられている。
「大漁ね、相棒さん」
アリアがベッドの上に戦利品を広げ、声を上げて笑った。先ほどまでの悪夢の影はもうない。自分の力で運命を切り開いてきた自信が、彼女を輝かせていた。
「ああ。これなら宿の心配はいらないな。……それに、これも」
レンはアリアが市場で買った、窓辺の簡易テーブルに置かれたザクロを手に取った。ナイフを入れ、硬い皮を割る。中には、ルビーのような赤い粒がぎっしりと詰まっていた。
「……これ、食べるの大変なのよね、手が汚れて。でも、好きなの」
アリアが苦笑する。種が多く、手も汚れる果実だ。
レンは何も言わず、丁寧に粒をほぐし、ハンカチの上に広げた。そして、一番大きな塊を指で摘まみ、アリアの口元へと差し出した。
「ほら」
「え……」
「手が汚れるのが嫌なんだろう? 俺の手は機械油なんかで、汚れることに慣れてる」
アリアは一瞬目を見開いたが、すぐに頬を染めて、その指先から赤い実を食んだ。プチンと果肉が弾け、甘酸っぱい果汁が広がる。
「……甘い」
「そうか」
レンもまた、自分の分を口に放り込む。砂漠の乾きを癒やすような、鮮烈な酸味と甘み。
ふと見ると、アリアの唇の端に赤い果汁がついている。レンは無意識に手を伸ばし、親指の腹でそれを拭った。
触れた瞬間、時間が止まった気がした。アリアの碧い瞳が、至近距離でレンを見つめている。列車の揺れにかこつけて、レンの体の芯が、もう少しだけ距離を詰めてしまいたい衝動に駆られる。
だがその空気は、突如として窓の外が暗くなったことで遮られた。
「……トンネルだ」
レンが慌てて手を引っ込めた。アリアもまた、照れ隠しのように窓の外へ顔を向ける。長い、長いトンネル。轟音と共に闇が続く。
そして、不意に光が溢れた。
トンネルを抜けると、世界は一変した。そこは、一面の橙。空を彩っている夕暮れの世界だった。
「レン、見て!」
アリアが窓に張り付く。
海だ。
橙の空の下には、夕陽を受けて黄金色に輝く波頭が、水平線の彼方まで続いている。線路は海岸沿いの崖の上を走っており、まるで海の上を飛んでいるような浮遊感があった。
「……海だわ」
アリアの声が震えている。幼い日の曖昧な記憶の中にしかなかった光景。それが今、圧倒的な質量を持って目の前にある。あの嵐の夜に感じた潮の匂い。その時の海なのかもしれないという期待感が交わり、高揚する気持ちが競りあがってくる。
潮の香りが、窓の隙間から濃厚に流れ込んでくる。
「ああ。あの先だ」
その海のずっと向こう側に、彼らが目指す場所はある。
その後もレンとアリアは、食堂車で稼ぎながら列車の旅を続けた。一番最初に修理と占術を頼んでくれた夫妻は、途中の駅で降りる際、わざわざもう一度挨拶に来てくれた。
「また、素敵な縁がありますように」
そう言ってアリアを夫人が抱きしめてくれて
「他にも修理を頼みたいものが山ほどある。……いつの日か、君の工房へ行かせてもらうよ」
「お待ちしております」
紳士は、レンと硬く握手を交わした。
☆
小さな出会いと別れを繰り返した、三日目の早朝。
「アリア、起きて」
不意に身体を揺すられたアリアは、まだ微睡の残る目をさすりながら、ゆっくりと体を起こす。
「もうすぐ終着だ」
そう言い、レンが指差した先。海岸線に沿って広がる大きな港町が見えてきた。
煉瓦造りの倉庫群、林立する帆、そして煙を吐く蒸気船たち。南の玄関口、ポート・メリディアン。
二人はその景色に背を押されるように、降りる準備を始めた。
準備が整う頃、ちょうど列車が速度を落とし始める。ブレーキの音が、長い旅の終わりと、新たな歩みの始まりを告げる合図のように響いた。
「着いたな、アリア」
「ええ……。ここからが、本当の始まりね」
駅のホームに降り立つと、湿った海風が二人の髪を乱暴に撫でた。
海鳥の鳴き声と、荷役たちの活気ある声。
アリアは深呼吸をし、胸いっぱいに海の空気を吸い込んだ。
港の灯りが、海面に揺れている。その遥か向こう、水平線の彼方に、星盤の名を持つ環礁遺跡都市『アストロラビウム』が眠っているはずだ。
「……さて」
レンは立ち上がり、空になった胃袋をさすった。
「腹が減った。それに、喉も渇いた。だが残念なことに、俺たちの財布は風前の灯火だ」
その言葉に、アリアが顔を上げる。その目はまだ赤かったが、数度ゆっくりと瞬きを繰り返す。そうして目元を軽く拭った彼女の顔は、レンの不器用な気遣いを汲んだかのように、さっぱりとしていた。
「そうね。契約通り、稼ぎに行きましょうか、相棒さん」
「ああ。開店の時間だ」
二人は身支度を整えてから仕事道具を手に持つと、列車の前方にある食堂車へと向かった。
☆
一等の客や、旅慣れた商人たちが集まる食堂車は、紫煙が燻り、グラスが触れ合う音と談笑で満ちていた。
レンは入り口で立ち止まり、ぐるりとフロアを見渡した。そして、窓際の席に座る一人の紳士に目をつける。身なりは良いが、しきりに懐中時計を取り出しては振ったり、耳に当てたりして眉をひそめている。
「……あそこだ」
レンはアリアに目配せすると、紳士のテーブルへ近づいた。
「失礼。その時計、三番車の軸受けが油切れを起こしていますね」
紳士が驚いて顔を上げる。
「君は?」
「通りすがりの修復士です。その音だと、あと半刻もすれば完全に止まる。……この列車が次の駅に着くまでの間、この揺れる車内で直せますが? 代金は、ランチ一回分でいかがでしょう」
紳士は疑わしげな目を向けたが、止まりかけの秒針を見て観念し、その懐中時計を差し出した。商談成立だ。レンはテーブルの端を借り、懐から工具袋を取り広げた。
揺れる車内、薄暗い照明。悪条件は揃っていたが、レンの指先には微塵の迷いもない。裏蓋を開け、極小のピンセットが踊るように部品を摘まむ。その鮮やかな手並みに、周囲の客たちの視線が集まり始めた。
「これは……素晴らしい……魔法のようだ」
「ええ。街では奇跡の手を持つ者だって、そう言われてるんですよ」
アリアが間髪入れずにそう付け加え、紳士にウィンクをする。
「なるほど。納得の通称だ」
紳士が感嘆の声を上げる横で、成り行きを見守っていた夫人が、アリア自身に目をとめた。
「あら、あなた……そのカードは?」
アリアは待っていましたとばかりに、神秘的な微笑を浮かべた。手には、使い込まれたタロットカード。
「旅の道連れとして寄り添う、古いタロットカードですわ、奥様。……もしよろしければ、旅の行方を占ってみませんか? お代は、奥様のお気持ちで構いません」
「本当に? わたくし、占術に興味がありましたのよ。こんな機会、早々ないものね。ぜひ、お願いできるかしら?」
そう応えた夫人の目は、まるで少女のようにキラキラとしていた。そして、その豊満な体を揺らしながら、隣のテーブル席の椅子に腰を下ろし、アリアにも席に付くように促す。アリアはひとつ頭を下げ、夫人の対面に座った。
テーブルの上に、ゆっくりとカードを置く。そして、ザッと小気味の良い音を鳴らしながら、滑らかにシャッフルし扇状に広げた。彼女がひとたびカードを展開すると、場の空気が変わった。食堂車の喧騒が一瞬遠のき、貴婦人たちは彼女の言葉に吸い寄せられる。
ジプシーの知恵と、踊り子としての観察眼。アリアの占いは、単なる予言ではない。相手の表情、仕草、服装からどんな環境にあるのかを推理する。相手と対話することで悩みを汲み取ってゆき、それを引いたカードの意味に乗せて背中を押す。それは、一種の心読みに近い技術だった。
「『女帝』のカード……。とても、素敵なカードですわ。奥様、近いうちに家族が増えるお慶びが?」
「まあ! どうしてわかったの? 実は娘が……」
そこからは、早かった。
『過去を直せる男』と『未来を読む女』
美男美女の奇妙な二人組の噂は、車両内であっという間に広まった。
数時間後。二人が個室に戻った時、レンの財布には十分な紙幣とコイン、紳士から「素晴らしい腕への礼だ」と上乗せの金貨1枚と、振る舞われた上等なワインの小瓶が増えていた。アリアの腕にも、貴婦人たちから貰った菓子や果物が抱えられている。
「大漁ね、相棒さん」
アリアがベッドの上に戦利品を広げ、声を上げて笑った。先ほどまでの悪夢の影はもうない。自分の力で運命を切り開いてきた自信が、彼女を輝かせていた。
「ああ。これなら宿の心配はいらないな。……それに、これも」
レンはアリアが市場で買った、窓辺の簡易テーブルに置かれたザクロを手に取った。ナイフを入れ、硬い皮を割る。中には、ルビーのような赤い粒がぎっしりと詰まっていた。
「……これ、食べるの大変なのよね、手が汚れて。でも、好きなの」
アリアが苦笑する。種が多く、手も汚れる果実だ。
レンは何も言わず、丁寧に粒をほぐし、ハンカチの上に広げた。そして、一番大きな塊を指で摘まみ、アリアの口元へと差し出した。
「ほら」
「え……」
「手が汚れるのが嫌なんだろう? 俺の手は機械油なんかで、汚れることに慣れてる」
アリアは一瞬目を見開いたが、すぐに頬を染めて、その指先から赤い実を食んだ。プチンと果肉が弾け、甘酸っぱい果汁が広がる。
「……甘い」
「そうか」
レンもまた、自分の分を口に放り込む。砂漠の乾きを癒やすような、鮮烈な酸味と甘み。
ふと見ると、アリアの唇の端に赤い果汁がついている。レンは無意識に手を伸ばし、親指の腹でそれを拭った。
触れた瞬間、時間が止まった気がした。アリアの碧い瞳が、至近距離でレンを見つめている。列車の揺れにかこつけて、レンの体の芯が、もう少しだけ距離を詰めてしまいたい衝動に駆られる。
だがその空気は、突如として窓の外が暗くなったことで遮られた。
「……トンネルだ」
レンが慌てて手を引っ込めた。アリアもまた、照れ隠しのように窓の外へ顔を向ける。長い、長いトンネル。轟音と共に闇が続く。
そして、不意に光が溢れた。
トンネルを抜けると、世界は一変した。そこは、一面の橙。空を彩っている夕暮れの世界だった。
「レン、見て!」
アリアが窓に張り付く。
海だ。
橙の空の下には、夕陽を受けて黄金色に輝く波頭が、水平線の彼方まで続いている。線路は海岸沿いの崖の上を走っており、まるで海の上を飛んでいるような浮遊感があった。
「……海だわ」
アリアの声が震えている。幼い日の曖昧な記憶の中にしかなかった光景。それが今、圧倒的な質量を持って目の前にある。あの嵐の夜に感じた潮の匂い。その時の海なのかもしれないという期待感が交わり、高揚する気持ちが競りあがってくる。
潮の香りが、窓の隙間から濃厚に流れ込んでくる。
「ああ。あの先だ」
その海のずっと向こう側に、彼らが目指す場所はある。
その後もレンとアリアは、食堂車で稼ぎながら列車の旅を続けた。一番最初に修理と占術を頼んでくれた夫妻は、途中の駅で降りる際、わざわざもう一度挨拶に来てくれた。
「また、素敵な縁がありますように」
そう言ってアリアを夫人が抱きしめてくれて
「他にも修理を頼みたいものが山ほどある。……いつの日か、君の工房へ行かせてもらうよ」
「お待ちしております」
紳士は、レンと硬く握手を交わした。
☆
小さな出会いと別れを繰り返した、三日目の早朝。
「アリア、起きて」
不意に身体を揺すられたアリアは、まだ微睡の残る目をさすりながら、ゆっくりと体を起こす。
「もうすぐ終着だ」
そう言い、レンが指差した先。海岸線に沿って広がる大きな港町が見えてきた。
煉瓦造りの倉庫群、林立する帆、そして煙を吐く蒸気船たち。南の玄関口、ポート・メリディアン。
二人はその景色に背を押されるように、降りる準備を始めた。
準備が整う頃、ちょうど列車が速度を落とし始める。ブレーキの音が、長い旅の終わりと、新たな歩みの始まりを告げる合図のように響いた。
「着いたな、アリア」
「ええ……。ここからが、本当の始まりね」
駅のホームに降り立つと、湿った海風が二人の髪を乱暴に撫でた。
海鳥の鳴き声と、荷役たちの活気ある声。
アリアは深呼吸をし、胸いっぱいに海の空気を吸い込んだ。
港の灯りが、海面に揺れている。その遥か向こう、水平線の彼方に、星盤の名を持つ環礁遺跡都市『アストロラビウム』が眠っているはずだ。
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