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女王様ゲームで負けない!①
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「やっ、やだぁ! そこはいくらなんでもダメだよレックス君! 汚いよ!」
「いいだろっ。ここが一番効くんだろ? ここに出すからな」
「やだ! いくらレックス君でもそこはダメェェェ! 負けちゃうううう!」
攻め手を緩めぬレックスの声。そして今にも陥落しそうだというヴァネッサの声。行為は今にも最終段階へと突入しそうな様子であった。
――お兄ちゃんが、ヴァネッサお姉ちゃんを攻めている!?
声が漏れ出たドアの前で、ちょうどそこを通りかかったサフィア。ヴァネッサの喘ぎ声にも似た声を聞いた彼女は、ドアに張り付いて聞き耳を立てた。左右に生えた角がドアと擦れてごりっと音を立てないように細心の注意を払い、中で何が行われているのか確認する。
完全に致している。レックスがヴァネッサと致して、完全勝利している! 衝撃の事実に、いったい何が起こっているんだとサフィアは期待感と不安感で胸をいっぱいにさせた。あのやられることが多いレックスが、三姉妹の中でも淫乱度が高いヴァネッサを屈服させるとは何事かと。
「む、サフィア何をしている?」
「お母様? しーっ、今なんかすごいことが起こっているの」
「ふむ?」
さらにちょうどそこを通りかかったマーガレットがサフィアを見つけた。部屋から漏れ出ている甘い声を聞きとり、にまっと笑って自身もドアへと聞き耳を立てに行く。二人してドアに張り付き、ドキドキと心臓を高鳴らせる。
「負けっ、負けましたぁっ。レックス君に勝てない、勝てないよぉ! もう許して!」
「ヴァネッサからしたいって言ってきたんだろ? こんなところで負けを認めてどうするの?」
「だってレックス君強いもん! 勝てないもん! やだっ、これ以上動かさないでぇ! 本当に負けちゃうの! ダメダメダメェ!」
ついにレックスがヴァネッサを完全に屈服させたようだ。サフィアはまさか姉が陥落するとはと脅威を抱き、マーガレットは「息子よ、成長したなぁ」と一筋の嬉し涙を流した。まさか次は自分かアイヴィが? とサフィアは唾を飲んで期待感と恐怖感に打ち震える。
「強い! 強すぎるよぉ! 明らかに強いもんレックス君のルーク! 動きが違うよぉ!」
「ボクはルークの動かし方に自信があるからね。それよりも、ヴァネッサのクイーンの守り弱すぎ」
ヴァネッサは負け惜しみを言っているようだ。ルークを動かし、クイーンを攻める。それはまさしく――
「すごい……お兄ちゃんのアソコにルークなんて強そうな名前がついて……ん? ルーク?」
「おおヴァネッサよ、自らの秘部をクイーンと気遣われるとは。これは再教育が必要な……クイーン?」
それってもしかして? と二人は目を見合わせる。ルークとクイーンを動かす、それは恐らくキングとかビショップも使う行為だ。
「何をやっているのです? サフィア、それにお母様」
「わっ!?」
「むっ」
部屋の中で行われている情事の内容にうっすらと気づき始めた時に、さらにそこを通りかかったアイヴィの声。部屋の中へ注意が向いていた二人は、驚いて短い声を上げた。
そしてこっそりと聞き耳を立てていたのがバレたのか急にドアが開けられ、サフィアとマーガレットはなだれ込むように部屋の中へと倒れ込む。その前ではこっそりと聞き耳を立てられていたのが不愉快だったのか、仁王立ちするレックス。さらに小さなテーブルの上のチェスボードを、涙目で不機嫌そうに睨むヴァネッサがいた。
「なにやってるの二人とも」
「あはは、チェスやってたんだねお兄ちゃん」
「ふむ、再教育は無しにしようヴァネッサ」
いったい何のこと? とヴァネッサは小首をかしげる。これは変な誤解されてたなぁ、とレックスはこめかみを指で押さえた。
さらに今この部屋に、屋敷にいるサキュバス4人が揃っているという事態にげんなりとする。
「ヴァネッサが変な声出すから」
「だって、レックス君チェス強いんだもん……勝てないんだもん……」
不機嫌そうに頬をぷくーっと膨らませるヴァネッサ。両人差し指をつんつんと合わせて、いじらしく不満を示す。
魔眼を含めて戦闘や情交に優れていても、ゲームには大変弱いのだ。そこがギャップがあっていいよなぁとレックス達は考える。
「そうでしたね。ヴァネッサ姉さんは表情にすぐ現れるのでゲームが弱いんでした」
「でも、二人っきりでゲームしているだなんてズルいなー。アタシ、チェス得意なのに」
「ゴメンねサフィア。私、ボードゲームが弱いの恥ずかしくて、レックス君に練習相手を……」
翼をきゅっと閉じてもじもじとするヴァネッサ。その仕草は何とも可愛らしい。
「いーなー、私もお兄ちゃんとゲームしてわからせたいなぁ。妹にお兄ちゃんは勝てないんだよーって、にひひっ」
「みんなでできるゲーム……では、せっかく私達4人のサキュバスが集まったことですし、久しぶりにアレをしませんか?」
アイヴィがこの場にいる全員に提案を持ちかける。レックスにはアレと呼ばれるゲームが何かわからなかったが、アイヴィ達はその内容を承知しているようであった。
おかげで何が起こるかわからないレックスを放って、サキュバス達のみが盛り上がり始める。
「それいいね! お兄ちゃん相手にアレしちゃおうか!」
「そうだね! それならみんなで楽しめるね!」
「ふふっ、レックスよ。妾達を楽しませてくれよ?」
サキュバス達四人の目が怪しい光を灯す。彼女達の視線がレックス一人にじっと向けられた。
この状況は絶対碌なことにならない! そう考えたレックスは逃げ出す準備をするが、すぐに部屋のドアの鍵がマーガレットによって閉じられた。
ドアの前に陣取られ、レックスはもうこの部屋から逃げ出すことができない。
「な、なにをする気だ!? さすがに4人相手はボク絶対に死ぬぞ!? 枯れるぞ!?」
――アリア母さんゴメン! ボクは死今日ぬかも!
怯え震えるレックスを見てマーガレットはニヤリと含み笑い。サフィアとヴァネッサはワクワクを隠せないようで、アイヴィは相変わらず無表情ながらもそわそわとしている。
「なぁに、心配するな。搾り殺す気はない。というわけでな、始めるぞ。女王様ゲームを!」
「……いや、女王様ゲームって何?」
王様ゲームじゃないの? そう考えるレックスを置いて、サキュバス達4人はまるでパーティが始まるかのように盛り上がるのだった。
「いいだろっ。ここが一番効くんだろ? ここに出すからな」
「やだ! いくらレックス君でもそこはダメェェェ! 負けちゃうううう!」
攻め手を緩めぬレックスの声。そして今にも陥落しそうだというヴァネッサの声。行為は今にも最終段階へと突入しそうな様子であった。
――お兄ちゃんが、ヴァネッサお姉ちゃんを攻めている!?
声が漏れ出たドアの前で、ちょうどそこを通りかかったサフィア。ヴァネッサの喘ぎ声にも似た声を聞いた彼女は、ドアに張り付いて聞き耳を立てた。左右に生えた角がドアと擦れてごりっと音を立てないように細心の注意を払い、中で何が行われているのか確認する。
完全に致している。レックスがヴァネッサと致して、完全勝利している! 衝撃の事実に、いったい何が起こっているんだとサフィアは期待感と不安感で胸をいっぱいにさせた。あのやられることが多いレックスが、三姉妹の中でも淫乱度が高いヴァネッサを屈服させるとは何事かと。
「む、サフィア何をしている?」
「お母様? しーっ、今なんかすごいことが起こっているの」
「ふむ?」
さらにちょうどそこを通りかかったマーガレットがサフィアを見つけた。部屋から漏れ出ている甘い声を聞きとり、にまっと笑って自身もドアへと聞き耳を立てに行く。二人してドアに張り付き、ドキドキと心臓を高鳴らせる。
「負けっ、負けましたぁっ。レックス君に勝てない、勝てないよぉ! もう許して!」
「ヴァネッサからしたいって言ってきたんだろ? こんなところで負けを認めてどうするの?」
「だってレックス君強いもん! 勝てないもん! やだっ、これ以上動かさないでぇ! 本当に負けちゃうの! ダメダメダメェ!」
ついにレックスがヴァネッサを完全に屈服させたようだ。サフィアはまさか姉が陥落するとはと脅威を抱き、マーガレットは「息子よ、成長したなぁ」と一筋の嬉し涙を流した。まさか次は自分かアイヴィが? とサフィアは唾を飲んで期待感と恐怖感に打ち震える。
「強い! 強すぎるよぉ! 明らかに強いもんレックス君のルーク! 動きが違うよぉ!」
「ボクはルークの動かし方に自信があるからね。それよりも、ヴァネッサのクイーンの守り弱すぎ」
ヴァネッサは負け惜しみを言っているようだ。ルークを動かし、クイーンを攻める。それはまさしく――
「すごい……お兄ちゃんのアソコにルークなんて強そうな名前がついて……ん? ルーク?」
「おおヴァネッサよ、自らの秘部をクイーンと気遣われるとは。これは再教育が必要な……クイーン?」
それってもしかして? と二人は目を見合わせる。ルークとクイーンを動かす、それは恐らくキングとかビショップも使う行為だ。
「何をやっているのです? サフィア、それにお母様」
「わっ!?」
「むっ」
部屋の中で行われている情事の内容にうっすらと気づき始めた時に、さらにそこを通りかかったアイヴィの声。部屋の中へ注意が向いていた二人は、驚いて短い声を上げた。
そしてこっそりと聞き耳を立てていたのがバレたのか急にドアが開けられ、サフィアとマーガレットはなだれ込むように部屋の中へと倒れ込む。その前ではこっそりと聞き耳を立てられていたのが不愉快だったのか、仁王立ちするレックス。さらに小さなテーブルの上のチェスボードを、涙目で不機嫌そうに睨むヴァネッサがいた。
「なにやってるの二人とも」
「あはは、チェスやってたんだねお兄ちゃん」
「ふむ、再教育は無しにしようヴァネッサ」
いったい何のこと? とヴァネッサは小首をかしげる。これは変な誤解されてたなぁ、とレックスはこめかみを指で押さえた。
さらに今この部屋に、屋敷にいるサキュバス4人が揃っているという事態にげんなりとする。
「ヴァネッサが変な声出すから」
「だって、レックス君チェス強いんだもん……勝てないんだもん……」
不機嫌そうに頬をぷくーっと膨らませるヴァネッサ。両人差し指をつんつんと合わせて、いじらしく不満を示す。
魔眼を含めて戦闘や情交に優れていても、ゲームには大変弱いのだ。そこがギャップがあっていいよなぁとレックス達は考える。
「そうでしたね。ヴァネッサ姉さんは表情にすぐ現れるのでゲームが弱いんでした」
「でも、二人っきりでゲームしているだなんてズルいなー。アタシ、チェス得意なのに」
「ゴメンねサフィア。私、ボードゲームが弱いの恥ずかしくて、レックス君に練習相手を……」
翼をきゅっと閉じてもじもじとするヴァネッサ。その仕草は何とも可愛らしい。
「いーなー、私もお兄ちゃんとゲームしてわからせたいなぁ。妹にお兄ちゃんは勝てないんだよーって、にひひっ」
「みんなでできるゲーム……では、せっかく私達4人のサキュバスが集まったことですし、久しぶりにアレをしませんか?」
アイヴィがこの場にいる全員に提案を持ちかける。レックスにはアレと呼ばれるゲームが何かわからなかったが、アイヴィ達はその内容を承知しているようであった。
おかげで何が起こるかわからないレックスを放って、サキュバス達のみが盛り上がり始める。
「それいいね! お兄ちゃん相手にアレしちゃおうか!」
「そうだね! それならみんなで楽しめるね!」
「ふふっ、レックスよ。妾達を楽しませてくれよ?」
サキュバス達四人の目が怪しい光を灯す。彼女達の視線がレックス一人にじっと向けられた。
この状況は絶対碌なことにならない! そう考えたレックスは逃げ出す準備をするが、すぐに部屋のドアの鍵がマーガレットによって閉じられた。
ドアの前に陣取られ、レックスはもうこの部屋から逃げ出すことができない。
「な、なにをする気だ!? さすがに4人相手はボク絶対に死ぬぞ!? 枯れるぞ!?」
――アリア母さんゴメン! ボクは死今日ぬかも!
怯え震えるレックスを見てマーガレットはニヤリと含み笑い。サフィアとヴァネッサはワクワクを隠せないようで、アイヴィは相変わらず無表情ながらもそわそわとしている。
「なぁに、心配するな。搾り殺す気はない。というわけでな、始めるぞ。女王様ゲームを!」
「……いや、女王様ゲームって何?」
王様ゲームじゃないの? そう考えるレックスを置いて、サキュバス達4人はまるでパーティが始まるかのように盛り上がるのだった。
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