そこにワナがあればハマるのが礼儀でしょ!~ビッチ勇者とガチムチ戦士のエロ冒険譚~

天岸 あおい

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VS触手の森・特大ローパー

いつもとひと味違うエルジュ

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「エルジュ、危な――」

「うん大丈夫。分かってるよー」

 一切振り向きもせず、エルジュは右手を上げて光を放つ。

 ピュンッ――ジュウゥゥゥ……。
 光に当たった瞬間、蠢いた何かは瞬く間に煙となって消滅した。

 ……エルジュがまともに反応した。

 思わずグリオスが目を丸くしていると、エルジュは得意げに胸を張った。

「本気を出せばこれぐらい楽勝だから。その気になれば光の結界を張って、森に巣食ってる魔物ごと消滅させてもいいんだけれど、さすがに疲れるし、そんな時に襲われたらちょっと危ないからねー。確実にグリオスとエッチするための手段を選ばせてもらうよ」

 珍しく顔をキリリと引き締め、真面目な口調でエルジュが語ってくる。
 こんなに真剣な顔をするのはいつぐらいだろうかと思いながらも、その理由が自分と寝たいからだとは……とグリオスの目が遠くなった。

 もっと早くにこの体をエサにして、しっかり魔物退治をさせたほうが良かったのか? いや、でも普通にエルジュの相手をしていたら身も心も持たない。絶倫のコイツを満足させようと思ったら、魔物からのいかがわしいワナにかからなければ付き合いきれない。

 腕を組んで考え込みながらグリオスは歩みを再開する。その隣でエルジュは相貌を崩し、軽やかな足取りで道を進んでいった。

 森の中ほどまで歩いた頃。

「もっと襲ってくるものだと思ってたけれど、なかなか来ないねー。さっきの一撃で怖がらせちゃったかな?」

 おもむろに辺りを見渡しながらエルジュに話しかけられ、グリオスは一考する。

「確かに……。こうまで動きがないと不気味だが、力量の差を感じて手を引いたのかもしれない。だが、そうだとすれば力量を測れる知能がある相手ということにもなる。もしかすると、ワナに嵌めようとしてくるかもしれない……はっ」

 独り言のように呟いてからグリオスは気づいてしまう。
 わざわざ我慢しているエルジュの前で、『ワナ』なんて言葉を口にしたら――。

「だとしたら楽しみだなあ! どんな風に仕掛けてくるかな? 一斉に触手が上から落ちてきて、総力戦でオレたちを捕えてぬめぬめにしてくれるとか? 全身に這う触手、謎の体液、無限の快楽責め……ああ……っ」

 あっという間にエルジュは表情を輝かせ、虚空を仰いで手を胸元で組みながら妄想を語る。夢見心地の美しい顔は、今にも犯して下さいと誘っているようにしか見えない。

 迂闊なことを言って寝た子を起こしてしまった自分にグリオスが後悔していると、視界に入る森の暗い部分のすべてが蠢いた気がした。
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