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エンディング

王からの褒美

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   ◇ ◇ ◇

「おお、勇者エルジュよ! よくぞ魔物どもを打ち滅ぼし、我が国に平和をもたらしてくた。礼を言うぞ。これで民が魔物の脅威に怯えることなく、心穏やかに過ごすことができる。思い返せば魔物の被害が大きくなったのは三年前――」

 魔王退治を頼んだ王の元に戻ると、すぐにエルジュたちは歓迎された。目に見えて北の山に立ち込めていた瘴気が消えたため、魔物たちを追い出したことが国中に知れ渡っていた。

 大広間に城下町の人々が集められた中での謁見。玉座に座る王を前にひざまずきながら、グリオスは複雑な気持ちで王の長話を聞いていた。

 確かに魔王たちは、もう北の山にはいない。
 魔物たちは故郷である魔界へ戻り、魔王とインキュバスは静かな所で二人の甘い世界を堪能している。

 真実を知っているだけに、周りから突き刺さる感謝と尊敬の眼差しがグリオスの心を抉ってくる。問題を解決したことに変わりはないが、その内容を思うと国中を騙している気がしてしまう。

 チラリと隣で同じように跪いているエルジュを見やれば、延々と続く長話にあくびをしている。
 ――朝方までグリオスを離さず抱き潰し、起床後も身支度する最中に「ガマンできない」と押し倒して人の中へ精を放ったエルジュ。眠くなって当然だと、内心グリオスは呆れた息をつく。

 心から結ばれたばかりで浮かれているから、抑えが利かなくなっているのだろう。もうしばらくすれば慣れて落ち着くはず。それまでの辛抱だ。

 そんなことをグリオスが思っていると、視線に気づいたエルジュが目だけを向け、フッと小さく笑う。

 妖しさが漂い、熱を帯びた目。
 城を出たら分かっているよね? という心の声が聞こえてしまい、グリオスの腰の深い所が甘く疼いてしまう。

 思わずグリオスが赤面して視線を外していると、ようやく王の話が終わる気配を見せ始めていた。

「――という訳で、勇者エルジュの功績を称えてこれより褒美を授けよう。金貨はもちろんだが、我が城に眠りし秘宝も受け取って欲しい。それから……我が姫よ、ここへ」

 突然呼ばれて玉座の隣に現れたのは、ほっそりとした美しく清楚な姫。
 王は自慢げに微笑んで胸を張りながら、姫に手をかざしながら告げた。

「この者は我が一人娘の可愛い姫。誰かにくれてやるものかと思っておったが、エルジュ殿にならば大切な宝を預けたいと思っておる。どうか褒美として姫を受け取ってはくれぬか? そして行く行くは国の王となってもらいたい」

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