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六話 将の育成は体を張って

●淫らな異変

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「あっ、すみません。冷たかったですか? でも少し我慢を……すぐに終わりますから」

 焦りを見せながらも英正は俺の下半身を拭き上げていく。

 どちらのものとも分からない汗と精液に塗れていた陰部。才明と交わり合った事実を英正に見せつけているようで、なんとも気まずい。

 恥ずかしさで脚を閉じたいところだが、そうさせまいと英正は俺の膝に手を置き、軽く力を加えて開かせている。

 ……ジッと見ないでくれ。
 拭き残しがないよう確かめているのは分かるが……視線が、むず痒い。

 思わず身じろいで腰を揺らしてしまうと、その様を見てなのか、英正が唾をゴクリと呑み込む。

 真面目で忠誠の塊だった英正の目が、にわかに色めき立つ。
 しかし小さく首を振って色を抑え込んだ。

「清めた後は、どうかゆっくりと休まれて下さい。誠人様には休息が必要ですから」

 優しく英正に微笑まれて、俺の体が大きく疼く。
 華候焔と才明を存分に堪能したはずの体は、英正も欲しいと欲を滲ます。

 いくらなんでも頻度が高すぎる。このままでは男を欲しがるだけのいやらしい存在に成り果ててしまう。

 体は英正を中に招いて無茶をされたいとすら望んでしまうが、俺は理性を総動員して欲深くなった体を律そうとする。

 何度か深呼吸すると、腰の奥にくすぶる熱と疼きが鎮まる気配を覚える。
 どうにかやり過ごせそうだと思っていたが――。

「……あ……っ」

 突然だった。俺の孔を、誰かが暴く感触がした。

「誠人様……?」

 英正は俺の様子に気づき、拭く手を止めてしまう。
 何もしていないことを目で確かめているのに、俺の中は煽るように指を出し入れされる感触を覚えてしまい、甘い快楽に溺れていく。

 長くて細めの指。華候焔とも才明とも英正とも違う。初めて覚える感触と異常な事態に、俺は混乱と戸惑いで目が潤んだ。

「はっ……ぁ……え、英、正……中が、おかしい……ぁあっ……」

「領主様! いったい何が起きて――」

「我慢、できな……あ……く、ぅぅ……」

 よく解れている中はすぐに物足りなさを覚え、早く埋めて欲しいと俺の理性を激しく揺さぶる。

 多すぎる頻度も、恥じらいも、火がついてしまった俺を止めることなどできなかった。

 英正の腕を掴み、有無を言わせず引き寄せて俺から口付ける。

 もどかしさを早く紛らわせたくて性急に舌を絡ませば、今度は英正が弾かれたように俺の口内を貪る。

 望みを叶えてくれる――その手応えに心の底から喜びが込み上げ、俺は英正の首に抱きつき、脚を絡ませ、不本意な衝動に流された。

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