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清純Domはすべてを捧げる

●見慣れぬ形

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 湯煙が立ち込める中、アグがさぶんとお風呂へ入る。

 入り慣れていないのか、顔をしかめて不快そうにしている。湯気でしっとりとした耳もペタンと寝ている。

「お湯加減どうですか? 熱くないですか?」

「熱くはないが……落ち着かん」

「アグの世界にお風呂はなかったのですか?」

 シャツとトランクス姿になった僕は、風呂場の床に膝を立て、アグの目線になって尋ねる。

 眉間にシワを寄せながらアグが口を開く。

「一応はあったが、上流階級だけのものだったな。大半は蒸し風呂の浴場があって、そこで汗をかいて水で流していた」

「サウナが主流だったんだ。へえー」

 興味津々で話を聞いていると、アグは恨めしそうに僕を見てきた。

「早く出させろ。熱くてたまらん」

「あ、ごめんなさい。じゃあ体を洗いますから、このイスに座って下さい」

「……小さすぎないか?」

「自宅のお風呂の椅子はこんなものなので」

 訝しげにプラスチックの椅子覗き込みながら、アグが浴槽から出て椅子に腰かける。

 引き締まりながらも筋肉が盛り上がった、たくましい背中。すごいなあと見惚れながら、僕は手にシャンプーを出し、アグの頭を洗っていく。

 しっかりと泡を流し、リンスも終え、今度はボディーソープで体を洗う。

 アグは何も言わずジッとしていた。
 前に回って体の正面を洗い始めた時、自然とアグの下半身が視界に入る。

 ……すごく大きいような。あと心なしか勃ってるような。

 さすがにそこは自分で洗ってもらおう。
 泡だらけのスポンジを手渡そうとした。けれど、

「どう洗えばいい? 全部教えてくれ」

 ニヤニヤと笑いながら、アグが僕を見つめてくる。

「……じゃあ、立って下さい」

 純粋に教えてもらいたいのではないと分かったけれど、洗わない訳にはいかなくて、僕は素直に立ってくれたアグへ手を伸ばす。

 脚や臀部を洗い、股間はそっと優しくスポンジで撫でる。その手をアグは掴んで止めた。

「痛い。手でやってくれ」

 アグに言われて一瞬躊躇する。
 恥ずかしさで茹りそうになりながら、僕はスポンジを手放し、体を少し寄せて言われた通りにする。

 泡で手を滑らせながら洗っていけば、硬度が増し、大きく昂っていくのが分かってしまう。

 羞恥で死にそうなのに、してあげたくてたまらない。
 先端の膨らみも、くびれも、痛めてしまわないように僕は指を這わせ、アグの昂りを清めていく。

 次第に僕の手の中で大きく膨らみ、完全に立ち上がってしまう。
 竿を掴んでみれば、辛うじて指が届くかどうかの太さ――大きさが人間と違う気がする。

 さらに付け根へ手を動かせば、陰嚢とはまた違う硬い膨らみに当たる。

 なんだろう、コレは?
 ゆっくりと視線を下げていくと、泡だらけの凶悪なものの付け根が丸く膨らんでいて、僕は見慣れぬ形に息を飲んでしまう。
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