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0話:プロローグ
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春が過ぎ、道には桜の葉で埋め尽くされていた。
そんな人が新たな学生生活を謳歌しようとしてる中、密室した部屋に1人、詰将棋何問集を片手に将棋盤と睨めっこしている小学6年生の少年がいた。
部屋には将棋盤しか置いてなく、殺風景な部屋だが今日は風通しがよく小鳥の囀りも響いてくる。
母である、みかが僕のいる部屋に
「こんこん」と扉を優しく叩いてからゆっくりと部屋に入ってきた。
「ふみちゃん、もうすぐ大事な対局があるんじゃなかったの?大丈夫?」
僕は時計を眺めるとすでに9時を回っていた。。。
「お父さん、先に行っちゃったよ?」
「やっっべ!!!、なんで言ってくれなかったの、母さん」
ふみやが突如大声でそう叫ぶとふみやの母である美香(みか)が、呆れた顔をして扉をゆっくりと閉めた。
あいにく、着替えは終わっていたためICカードと、詰将棋問題集を片手に家から出た。
将棋会館まで歩いて15分程度のところにある住宅街に住んでいるため幸にも対局時間には間に合った。
「おい、ふみや。。。お前ってやつは、いくら上手だからとはいえ1時間前行動を心がけろ、心の乱れは対局に出るぞ。」
この人は僕の父、文隆(ふみたか)である。1世代前、テレビでも取り上げられた有名なプロ棋士だ。今はタイトルを2冠持っているが、6年前まで残り1冠で全タイトル獲得というところで那須大河9段にタイトルを2つ奪われてしまい念願の全冠達成にはならなかった。
「わかってるよ、父さん。今日はただのタイトル戦だ、僕はあまり緊張はないよ。」
「あぁ、ふみやのことだ、そうだろう。だが相手は那須大河6冠だぞ?侮るなよ。』
「わかってるってば、この前は負けたけど今回は負ける気がしないよ。』
ここで関係者である迫田さん(さこた)からふみやへ、
「ふみや竜王、対局時間が迫ってきました。もうそろそろ入場お願いできますか?」
「あぁ、すみません。急ぎます」
対局室へ行くとすでにもう、大河4冠は座っていた。このタイトルを奪取すれば残り竜王だけで再度全冠達成となる試合のため対局前から額から汗が出ていた。そんな日常である人間観察を終えるとふみやは綺麗な姿勢で正座をし、駒を並べ出すのであった。
「なぁ、ふみや。俺らもう何回タイトル戦で対局したか覚えてるか?」
「んー、たしか56局じゃなかったかな?まだ2年だけなのにね、すごいよね僕たち」
「それな、だがよ。。俺はもう25だぜ?おい、なんで一番対局が多いやつが小学生なんだよ。」
「俺でさえ、中一ん頃プロ棋士になったんだぞ、なのにお前小学生でもうタイトル争いとは。。(失笑)」
「歳なんて関係ないよ、将棋に。僕にとって将棋は歳じゃなくて対話だから。」
小学生が発した意味深い一言の後対局時刻になったため、振り駒が始まった。
「先手はふみや竜王でお願いします」
合図とともに大河とふみやは挨拶を交わした。
2五飛車、これは相掛かりですね。解説者の健斗(ケント)がそういうと聞き手の安未果(あみか)が健斗8段に問い始めた。
「この対局、ふみや竜王の得意手ですね。健斗8段をどう予測しますか?」
「そうですねぇー、これは難しい、相掛かりは歴史が古い手ですからまた名局になるかもしれませんね、」
順調に駒組み、そして解説等も進んでいき昼の3時43分に突如大4冠から投了の一言が聞こえた。誰も予測しない事態に大慌てで記者やらが駆け込んできた。なぜ投了したかもわからないまま感想戦へと話が進み出した。
観戦者がソフトにかけると75手後詰みがあるとネットに告げるとことの次第は広く広まった。緊急速報として某有名テレビ局が全校放送で後手大河4冠が53手目をもって、投了されました。と報道され、あっけなく名人という二代タイトル全てふみやが獲得した。
「あ、父さん、なんか食って帰ろ。」
「あっ、あぁ、そうだな。祝いとしてフグでも食って帰るか?」
「僕フグすき、あの店ね、あの店のふぐ美味しいんだよねぇー」
それから昼飯を済ませ、家に歩いて帰っている途端、呼吸困難になり、道路で座り込んでしまった。それに気づいた父が急いで救急車を呼ぶが、間に合わず、史上初となる将棋関連速報ニュースが1日に2度も起きてしまった。他界の報告を聞いた母は病院へタクシーを使って来たが呼吸がなく、一言も喋ることはなかった。
「あれ??僕は生きてるのか、うっすらと光が見える。。。なんでだろ、なんでみんな僕の周りを囲んで泣いているんだろ、」
「あっ。。ミンア、ごめん名人になったよ僕。これでタイトル2つ取った。あと四つで全冠達成できるよ、すごくない?」
「もういいんだ、将棋は。頼む息をしてくれ、頼む。。。」
そんな声も聞こえず岸本ふみや12歳は15時43分ももち、他界した。。。
全国でこのことはニュースになり、葬式には多くの人が訪れたと聞く。そして岸本ふみやの元へ新たな分岐点が現れた。
「あなた、誰ですか。」
「私はこの世界の管理者であり、女神のカムイよ、よろしくね。」
「あ、はい。。。それで、僕はどうすれば・・・」
「わかってるわ、大丈夫。安心しなさい、あなたはこれから1500年前のパラレル世界のヨーロッパへ行ってもらうわ。そこでどんな生活をしようと自由よ、新しい人生を楽しみなさい、」
「え、っどういう。。。」
考える暇もなく、ふみやはもうすでに新しい家族のもとにいた、視界に入るのは幼なげな赤髪の美少女と頭の良さそうなイケメンが僕の方を見ていた。。そして僕を抱えるもう1人の女性が母。赤髪の少女に負けないレベルの美貌で胸の大きさもずっと眺めていたいほどであった。僕は何かよくわからず、ただポカンと抱えられていた。
そんな人が新たな学生生活を謳歌しようとしてる中、密室した部屋に1人、詰将棋何問集を片手に将棋盤と睨めっこしている小学6年生の少年がいた。
部屋には将棋盤しか置いてなく、殺風景な部屋だが今日は風通しがよく小鳥の囀りも響いてくる。
母である、みかが僕のいる部屋に
「こんこん」と扉を優しく叩いてからゆっくりと部屋に入ってきた。
「ふみちゃん、もうすぐ大事な対局があるんじゃなかったの?大丈夫?」
僕は時計を眺めるとすでに9時を回っていた。。。
「お父さん、先に行っちゃったよ?」
「やっっべ!!!、なんで言ってくれなかったの、母さん」
ふみやが突如大声でそう叫ぶとふみやの母である美香(みか)が、呆れた顔をして扉をゆっくりと閉めた。
あいにく、着替えは終わっていたためICカードと、詰将棋問題集を片手に家から出た。
将棋会館まで歩いて15分程度のところにある住宅街に住んでいるため幸にも対局時間には間に合った。
「おい、ふみや。。。お前ってやつは、いくら上手だからとはいえ1時間前行動を心がけろ、心の乱れは対局に出るぞ。」
この人は僕の父、文隆(ふみたか)である。1世代前、テレビでも取り上げられた有名なプロ棋士だ。今はタイトルを2冠持っているが、6年前まで残り1冠で全タイトル獲得というところで那須大河9段にタイトルを2つ奪われてしまい念願の全冠達成にはならなかった。
「わかってるよ、父さん。今日はただのタイトル戦だ、僕はあまり緊張はないよ。」
「あぁ、ふみやのことだ、そうだろう。だが相手は那須大河6冠だぞ?侮るなよ。』
「わかってるってば、この前は負けたけど今回は負ける気がしないよ。』
ここで関係者である迫田さん(さこた)からふみやへ、
「ふみや竜王、対局時間が迫ってきました。もうそろそろ入場お願いできますか?」
「あぁ、すみません。急ぎます」
対局室へ行くとすでにもう、大河4冠は座っていた。このタイトルを奪取すれば残り竜王だけで再度全冠達成となる試合のため対局前から額から汗が出ていた。そんな日常である人間観察を終えるとふみやは綺麗な姿勢で正座をし、駒を並べ出すのであった。
「なぁ、ふみや。俺らもう何回タイトル戦で対局したか覚えてるか?」
「んー、たしか56局じゃなかったかな?まだ2年だけなのにね、すごいよね僕たち」
「それな、だがよ。。俺はもう25だぜ?おい、なんで一番対局が多いやつが小学生なんだよ。」
「俺でさえ、中一ん頃プロ棋士になったんだぞ、なのにお前小学生でもうタイトル争いとは。。(失笑)」
「歳なんて関係ないよ、将棋に。僕にとって将棋は歳じゃなくて対話だから。」
小学生が発した意味深い一言の後対局時刻になったため、振り駒が始まった。
「先手はふみや竜王でお願いします」
合図とともに大河とふみやは挨拶を交わした。
2五飛車、これは相掛かりですね。解説者の健斗(ケント)がそういうと聞き手の安未果(あみか)が健斗8段に問い始めた。
「この対局、ふみや竜王の得意手ですね。健斗8段をどう予測しますか?」
「そうですねぇー、これは難しい、相掛かりは歴史が古い手ですからまた名局になるかもしれませんね、」
順調に駒組み、そして解説等も進んでいき昼の3時43分に突如大4冠から投了の一言が聞こえた。誰も予測しない事態に大慌てで記者やらが駆け込んできた。なぜ投了したかもわからないまま感想戦へと話が進み出した。
観戦者がソフトにかけると75手後詰みがあるとネットに告げるとことの次第は広く広まった。緊急速報として某有名テレビ局が全校放送で後手大河4冠が53手目をもって、投了されました。と報道され、あっけなく名人という二代タイトル全てふみやが獲得した。
「あ、父さん、なんか食って帰ろ。」
「あっ、あぁ、そうだな。祝いとしてフグでも食って帰るか?」
「僕フグすき、あの店ね、あの店のふぐ美味しいんだよねぇー」
それから昼飯を済ませ、家に歩いて帰っている途端、呼吸困難になり、道路で座り込んでしまった。それに気づいた父が急いで救急車を呼ぶが、間に合わず、史上初となる将棋関連速報ニュースが1日に2度も起きてしまった。他界の報告を聞いた母は病院へタクシーを使って来たが呼吸がなく、一言も喋ることはなかった。
「あれ??僕は生きてるのか、うっすらと光が見える。。。なんでだろ、なんでみんな僕の周りを囲んで泣いているんだろ、」
「あっ。。ミンア、ごめん名人になったよ僕。これでタイトル2つ取った。あと四つで全冠達成できるよ、すごくない?」
「もういいんだ、将棋は。頼む息をしてくれ、頼む。。。」
そんな声も聞こえず岸本ふみや12歳は15時43分ももち、他界した。。。
全国でこのことはニュースになり、葬式には多くの人が訪れたと聞く。そして岸本ふみやの元へ新たな分岐点が現れた。
「あなた、誰ですか。」
「私はこの世界の管理者であり、女神のカムイよ、よろしくね。」
「あ、はい。。。それで、僕はどうすれば・・・」
「わかってるわ、大丈夫。安心しなさい、あなたはこれから1500年前のパラレル世界のヨーロッパへ行ってもらうわ。そこでどんな生活をしようと自由よ、新しい人生を楽しみなさい、」
「え、っどういう。。。」
考える暇もなく、ふみやはもうすでに新しい家族のもとにいた、視界に入るのは幼なげな赤髪の美少女と頭の良さそうなイケメンが僕の方を見ていた。。そして僕を抱えるもう1人の女性が母。赤髪の少女に負けないレベルの美貌で胸の大きさもずっと眺めていたいほどであった。僕は何かよくわからず、ただポカンと抱えられていた。
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