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第6章 灰の反逆

第106話 人が死ぬ時はデュエルをスタンバイしておけって親父が言ってた③

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「ロージーごめんな......俺が勘違いしたばっかりにホノラが消し飛ばしちまって......肉片も残ってねぇから葬儀もできねぇよ......」

「せめてあの世で安らかに眠ってね......ごめんギルマス......」

「あのマツル君にホノラ君? 勝手に殺さないで? まだ全然生きられる命だから」

「あ、スマン」

 ロージーは生きていた。てか全然ピンピンしていた。

「私がいて良かったですね」

「ありがとうリイン、やっぱり、僕が見込んだ男だ」

 ロージーを治療しているのは”リイン“と名乗る魔人であった。ロージーと一緒に土を掘って地面から出てきた男である。

 なんというかこう......地面の下を通ってきたのに一切汚れの付いていない黒いタキシード......気の配り方......すっごいイケメン!! 悔しいよなんか!!

 なんでロージーに着いてきたのか聞いてみたら「私が尽くすべきだと本能が捉えた」という中々にすごい返答が返ってきた。このオーラ、ウィールさんと近しいものを感じる。

「あ、リインもこれからウチ冒険者ギルドで働いてくれることになったから、ギルドの冒険者はこれから仲良くしてあげてね」

「では改めまして自己紹介を。訳あってニシュラブ様の城から参りました。リインと申します。ギルドでは医務室の勤務になると思いますので、以後、お見知り置きを」

 リインはそう言うと優雅に一礼をした。

「医務室なんてあったんですね」

 俺は基本怪我を自力で治しているしどうにもならなかった時はウィールさんが回復魔法を使ってくれたりしたので、ギルドにそんな部屋があったとは初耳だ。

「あー、今まではウィールが仕事の合間を縫って医務室の仕事を兼任してくれてたんだ。でもリインも回復魔法凄いから、ちょうど良いかなって」

 と、既に完全に回復したロージーが教えてくれた。俺も医務室お世話になってましたありがとう!

「――おや、そちらの方も両足が溶け落ちてしまっていますね......足首から下はこの場にありますか?」

「ハッ......? あるにはあるが......」

「もしかしてパンナの足も治せるのか!?」

「はい、私の回復魔法は“時間を逆行”させるタイプの回復魔法なので」

 ナマコ神様によると、回復魔法には大きく分けて二つの系統があり、一つは時間を進めて傷を治すタイプ。もう一つはリインさんの使う時間を戻して傷を無かった状態に戻す回復魔法があるそうだ。

 しかし時間を戻す回復魔法はとにかく使える人がいないらしく、現在記録に残っているだけでも数人しかいないらしい。そしてそんな超希少回復魔法の使用者が現れたと......すごくね!?

【回復魔法 時間の反逆リベリオンルール

 パンナの足が見ていられない程に光った。

 光が収まると。パンナの両足は完全にくっつき、完全に再生していた。

「嘘!?」

「すごぉ......」

「まじかよ!?」

「これ程とは......」

「ウチの聖騎士になって欲しいくらいだわ......」

 みながみな口々に驚きの言葉を口にする。

「ハッ!!!! これでまたヤリナやモクナと冒険者できるぞ!!」

「良かったわね! パンナ!」

「ハッ!! コリンも済まなかった! 重かっただろう?」

「いいのよ! 元気になってくれれば私は!」

 コリンとパンナの笑顔はとても輝き、俺達は少し近寄り難い雰囲気を感じたのだった。
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