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禁じ手
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「なるほど。
たしかに、今のままでは出産する事に対し、何のサポートも受けられないどころか、生まれてくる子供の戸籍さえ取得出来なくなってしまう。」
高山は、皧流と竹脇の話を聞き、そう答えた。
「ねえ、あなた
このままじゃ、皧流さんが可哀想よ。
なんとかしてあげられない?」
「叔父さん
僕からもお願いします。
皧流の不安を少しでも取り除いてやり、安心して子供を産んでほしいんです。」
奈緒と竹脇に懇願された高山は、腕を組んで沈黙してしまった。
しかし、すぐに
「わかった」
と、皧流を見つめて言った。
「あなた、どうされるおつもり?」
「こうなったら、頼るところは限られてくる。」
「まさか…」
「国に言うしかあるまい。
諸問題により、実験が中止され、奈緒以来、出産をした元男性は存在しない。
それが十年以上が経過して、二例目の妊娠が発覚したんだ。
国としてもデータが欲しいはずだ。
そして、安全に出産させることを第一に考えるに違いない。」
「それはワタシも思うけど、皧流さんが実験台にされてしまわない?」
「たしかにその側面はある。
しかし、世間に知られず、秘密裏に出産するにはコレしかあるまい。
そう考えると、国に守ってもらうのが一番安心だ。
過去に起きたように、中国や他の国からの妨害がないとも限らないからな。
いいですか?三浦先生」
「はい。
ワタシよりも、生まれてくる子供に無事であって欲しいので。
高山先生、よろしくお願いします。」
皧流は、既に母の強さのようなものを漂わせながら、高山に言った。
たしかに、今のままでは出産する事に対し、何のサポートも受けられないどころか、生まれてくる子供の戸籍さえ取得出来なくなってしまう。」
高山は、皧流と竹脇の話を聞き、そう答えた。
「ねえ、あなた
このままじゃ、皧流さんが可哀想よ。
なんとかしてあげられない?」
「叔父さん
僕からもお願いします。
皧流の不安を少しでも取り除いてやり、安心して子供を産んでほしいんです。」
奈緒と竹脇に懇願された高山は、腕を組んで沈黙してしまった。
しかし、すぐに
「わかった」
と、皧流を見つめて言った。
「あなた、どうされるおつもり?」
「こうなったら、頼るところは限られてくる。」
「まさか…」
「国に言うしかあるまい。
諸問題により、実験が中止され、奈緒以来、出産をした元男性は存在しない。
それが十年以上が経過して、二例目の妊娠が発覚したんだ。
国としてもデータが欲しいはずだ。
そして、安全に出産させることを第一に考えるに違いない。」
「それはワタシも思うけど、皧流さんが実験台にされてしまわない?」
「たしかにその側面はある。
しかし、世間に知られず、秘密裏に出産するにはコレしかあるまい。
そう考えると、国に守ってもらうのが一番安心だ。
過去に起きたように、中国や他の国からの妨害がないとも限らないからな。
いいですか?三浦先生」
「はい。
ワタシよりも、生まれてくる子供に無事であって欲しいので。
高山先生、よろしくお願いします。」
皧流は、既に母の強さのようなものを漂わせながら、高山に言った。
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