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改良型
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皧流の話を聞いた木村は、少し考えるような仕草をしたが、すぐに話を続けた。
「ウチが作ったこの性転換薬は、その副反応として、性交渉時の異常感度というものが挙げられます。
これは、敢えてやっている部分もあり、女性としての生活を、すんなり受け入れてもらうための措置でもあるんです。
しかし、プロトタイプの実験では、その異常性感がトラブルを招き、被験者の身を危険に晒した事から、改良がなされ、今ではほぼ普通の女性と変わらない水準にまで調整されています。」
「えっ、そうなんですか?」
皧流は、驚きのあまり、思わず顔を上げた。
「どうかされましたか?」
「あの…
女性って、誰でもこんなに感じてしまうものなんですか?」
皧流は、顔を真っ赤にして質問したが
「一概には言えませんが、かなり近い水準で再現できていると思います。」
「そうですか…」
高山自身も、その部分の改善については、まだ出来ていないと思っていた。
しかし、異常性感については、ファイン製薬は、既にクリアしており、残された問題は、脳の女性化(これは、そのまま女性として暮らしていく場合は、何の問題もない。)
と、著しい体力の減退。
さらには、妊娠したときの胎児への影響だ。
「つまり、今、一番の問題は、性転換して男性から女性になった者が出産した場合、生まれてくるのは、総じて男子で、その全てが性同一性障害であるということ。
ですね?」
高山が質問すると、木村は一度頷いたが、すぐに口を開いた。
「いえ、その点についても改良を試みました。
しかし、高山先生もご存知のように、この実験は凍結され、もう何年も動物実験以外は、一切行われておりません。
つまり、圧倒的にサンプルが少なく、確証が持てないのです。」
「なるほどな…」
高山は、そう呟くと、皧流の方に視線を向けた。
「ウチが作ったこの性転換薬は、その副反応として、性交渉時の異常感度というものが挙げられます。
これは、敢えてやっている部分もあり、女性としての生活を、すんなり受け入れてもらうための措置でもあるんです。
しかし、プロトタイプの実験では、その異常性感がトラブルを招き、被験者の身を危険に晒した事から、改良がなされ、今ではほぼ普通の女性と変わらない水準にまで調整されています。」
「えっ、そうなんですか?」
皧流は、驚きのあまり、思わず顔を上げた。
「どうかされましたか?」
「あの…
女性って、誰でもこんなに感じてしまうものなんですか?」
皧流は、顔を真っ赤にして質問したが
「一概には言えませんが、かなり近い水準で再現できていると思います。」
「そうですか…」
高山自身も、その部分の改善については、まだ出来ていないと思っていた。
しかし、異常性感については、ファイン製薬は、既にクリアしており、残された問題は、脳の女性化(これは、そのまま女性として暮らしていく場合は、何の問題もない。)
と、著しい体力の減退。
さらには、妊娠したときの胎児への影響だ。
「つまり、今、一番の問題は、性転換して男性から女性になった者が出産した場合、生まれてくるのは、総じて男子で、その全てが性同一性障害であるということ。
ですね?」
高山が質問すると、木村は一度頷いたが、すぐに口を開いた。
「いえ、その点についても改良を試みました。
しかし、高山先生もご存知のように、この実験は凍結され、もう何年も動物実験以外は、一切行われておりません。
つまり、圧倒的にサンプルが少なく、確証が持てないのです。」
「なるほどな…」
高山は、そう呟くと、皧流の方に視線を向けた。
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