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姉
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智にとって、血の繋がった家族と呼べる存在は姉の美智香と娘の莉愛だけだった。
莉愛は奈々の両親により会わせてもらえない状況が続いている。
美智香とはお互い離れて住んでいる事もあり、年に一度の墓参りの時だけ会っている。
だが、ここ何年かは智の身に、あまりにも多くのアクシデントが降りかかってしまった為、里帰りを全くしていない。
今回、和俊が一緒に帰ろうと言ってくれたので、智は久し振りに美智香に連絡を取り、墓参りに一緒に行こうと誘おうと、電話をかけた。
「あんたねえ、なんで連絡してこないのよ!」
開口一番、美智香は少しキレ気味で智の不義理を嗜めた。
「ごめん。色々あってね。」
「まあ、智も大変なのはわかってるから、あんまり強くは言えないけどね。」
「結構キツイよ、言い方。」
「あ、そう?
それよりも、どうしたの?今日は」
「ワタシ、お墓参りって、もう何年も行けてないじゃない?
今年はお姉ちゃんと一緒に行かせてもらおうかなって。」
「それは、もちろんかまわないけど。」
「えっと、そのときに話そうと思ってたんだけど、ワタシ、結婚するの。」
「えっ、結婚?」
「うん」
「相手の人は男性?」
「そう、中学の時の同級生。」
「えーっ!」
「あ、でも、ワタシ、戸籍の性別変更の要件を満たしてないから、今の段階では、ちゃんと入籍って形は取れないんだけどね。」
「会社辞めてニューハーフになったかと思えば、今度は結婚かあ‥
アンタ、なかなか濃い人生を送ってるわね。」
「そうだよね。
お盆の時、カレの実家に行ってご挨拶するのよ。
お姉ちゃんにも、会って欲しいんだけど。」
「私は別に会うくらいは全然かまわないけど、それよりも、向こうのご両親に挨拶って、大丈夫なの?」
「それは、うーん‥わかんないけど。
もう開き直ってるし、これからは自分の幸せは自分の手で掴み取ろうと思ってる。」
智は自分に言い聞かせるように、力強く言った。
莉愛は奈々の両親により会わせてもらえない状況が続いている。
美智香とはお互い離れて住んでいる事もあり、年に一度の墓参りの時だけ会っている。
だが、ここ何年かは智の身に、あまりにも多くのアクシデントが降りかかってしまった為、里帰りを全くしていない。
今回、和俊が一緒に帰ろうと言ってくれたので、智は久し振りに美智香に連絡を取り、墓参りに一緒に行こうと誘おうと、電話をかけた。
「あんたねえ、なんで連絡してこないのよ!」
開口一番、美智香は少しキレ気味で智の不義理を嗜めた。
「ごめん。色々あってね。」
「まあ、智も大変なのはわかってるから、あんまり強くは言えないけどね。」
「結構キツイよ、言い方。」
「あ、そう?
それよりも、どうしたの?今日は」
「ワタシ、お墓参りって、もう何年も行けてないじゃない?
今年はお姉ちゃんと一緒に行かせてもらおうかなって。」
「それは、もちろんかまわないけど。」
「えっと、そのときに話そうと思ってたんだけど、ワタシ、結婚するの。」
「えっ、結婚?」
「うん」
「相手の人は男性?」
「そう、中学の時の同級生。」
「えーっ!」
「あ、でも、ワタシ、戸籍の性別変更の要件を満たしてないから、今の段階では、ちゃんと入籍って形は取れないんだけどね。」
「会社辞めてニューハーフになったかと思えば、今度は結婚かあ‥
アンタ、なかなか濃い人生を送ってるわね。」
「そうだよね。
お盆の時、カレの実家に行ってご挨拶するのよ。
お姉ちゃんにも、会って欲しいんだけど。」
「私は別に会うくらいは全然かまわないけど、それよりも、向こうのご両親に挨拶って、大丈夫なの?」
「それは、うーん‥わかんないけど。
もう開き直ってるし、これからは自分の幸せは自分の手で掴み取ろうと思ってる。」
智は自分に言い聞かせるように、力強く言った。
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