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引退

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智が仕事を辞めて、家にずっと居るようになると、和俊は、ほぼ毎日泊まりに来るようになったのだが‥

その日も仕事を終え、智の部屋で手料理を食べながらひと時をすごしていた。

「明日の休み、どこか行く?」

和俊はキッチンに立つ智に声をかけた。

「ごめん、明日はAVの撮影なのよ。」

「あ、そうだったね。引退作品のやつか」

「うん。契約だし、ワタシが一番しんどい時に色々お世話になったからね。」

「言ってたよね。」

「ごめんなさい‥」

「謝ることないよ。たしかにイヤではあるけど、トモの事情は理解しているつもりだし、まだ結婚したわけじゃないのに、そこまで俺の我を押し通すつもりはないよ。」

「カズ、ありがとう」

「その代わり、今日はいっぱいさせてもらうからね」

「うん」



その夜のプレイは、和俊のジェラシーも相俟ってか、かなりアブノーマルなものとなった。

智を裸にすると、ベッドの上に仰向けに寝かせ

「トモ、今夜は最初にお前のオナニーが見たいな」

「えっ?」

「見せてよ」

「‥いいけど‥ちゃんと出来るかわかんないよ

ワタシ、タマ無いから」

智は素直に左手で乳房を揉みながら、右手は小さく元気のないペニスを握った。

和俊は隣りに寝て、智の行為をじっと見ている。

「んっ、んっ」

乳首の感度はかなりのものだが、やはりタマの無いペニスは気持ちいいどころか、全く反応しない。

「カズ、ムリだよ
大きくならない」

智は長丁場になる可能性が出てきた為、素直に申告した。

「おもちゃ使ってもいいよ、何にする?」

「えっ‥それじゃあ、バイブ使ってもいいかな?」

「もちろん。俺がしてあげる」

和俊はバイブとローションを受け取ると、智を四つん這いの格好にさせ、丁寧にローションでお尻の穴をほぐしていった。

それだけで智は艶めかしい声を上げていたが、バイブがぬぷぬぷと音を立てて挿入すると、一段と喘ぎ声が大きくなった。

すぐにイキそうになったが、和俊はそれを許さず、ペニスを激しく扱き続けるように命令した。

快感の優先順位としては一番低いペニスではあるが、いつもとは違うシチュエーションにより、少しずつ膨張し始めた。

ニューハーフになってから、勃起しても、すぐに萎えるという経験をしていた智は、この機を逃すまいと、必死にペニスを握りしめて手の動きを一段と加速させた。

「あーっ、カズ、イッちゃう!」

智は一瞬、身をそり返し、そそり立つペニスの先端から透明な液体を滴り落とした。

「あーっ、気持ちいいっ」

お尻にバイブが挿れられたままの智は、射精をしただけではまだまだ終わらず、お尻でもう一回イッた。

体を痙攣させる智に、欲情した和俊は、バイブを抜き取ると、智の二倍はあろうかという自らのペニスをグイグイと奥まで捩じ込んでいった。

「あーっ、ダメダメっ!」

スイッチの入った智は、すぐにイッてしまい、和俊が果てるまで二回イッた。

和俊がお尻で二回も絶頂に導いたのは初めての事であり、嫉妬心の中にあった彼の矜持を、さらに傷つけるのは、なんとか防ぐことが出来たのだった。
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