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お披露目

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「この近くまで来たって

迎えに行ってくる」

美智香は立ち上がって、店を出ていった。


残された由貴と美沙はその姿を目で追っていたが


「美智香の顔見た?」


「うん、見た。

恋する少女の顔してた。」

由貴の問いに美沙はそう答えた。


「パーフェクトガールと呼ばれた美智香も、ちゃんと恋をしてこなかったんだね。

この歳で本当の恋に目覚めたら、そうなるか」


「うんうん。

なんか四十過ぎてそこまでの恋が出来るなんて、羨ましいというか、なんというか…」

「あーっ、私も恋したいっ」

「そんなの、私もだよ」

二人はそう言うと、肩を落として、グラスのワインを飲み干した。


五分くらいすると、美智香が背の高い若者を連れて戻って来た。

二人は美沙と由貴の前に立つと、美智香が真弥を紹介した。

「旦那さんの真弥君

こちらは大学時代の友達の須藤由貴さんと春川美沙さん」


「佐々木真弥と申します。
いつも妻がお世話になっております。」

真弥は緊張気味に挨拶して、頭を下げた。


二人は茫然として真弥の顔を見ていたが

ようやく、我に返ったように声を上げた。


「えーっ、旦那さんなの?
ホントに!!」


「はい。」


「携帯で見た写メより可愛いじゃん!」

「想像以上だわ」


二人は実物の真弥を見て一気にテンションが上がった。

そこからは、美智香そっちのけで真弥に質問を浴びせまくった。


「ねえねえ、美智香のどこが良かったのよ

たしかに美人は美人だけど、歳食ってんのは間違いないし」


「みっちゃんの良いところですか?
いっぱいありすぎてわからないですよ、ホント。

全部好きです」


「えーっ、ホント?」

「本当です。

心から愛してます。」


「うわあー

こんな可愛い顔した子にそんな事言われてみたいわ

美智香、アンタ幸せすぎない?」


「もうやめてよ、変な質問しないで

真弥君、答えなくてもいいからね」


「いいじゃない、美沙さんもユキさんもみっちゃんのお友達なんでしょ?
僕もこうやって輪に入れてもらえて嬉しいよ。」


「うわあ、真弥君てホントにいい男ねえ
外見も中身も」


美沙は少し上気した顔で真弥を褒めた。

「いえ、そんな事ないです。

美沙さんもユキさんも美人で素敵な方です。」


「嬉しい事言ってくれるわね
本気にしちゃうよぉワタシら

ひょっとして真弥君てババ専?」

「そんな事ないですよ。
年上でも年下でも、素敵な人にはそう言いますし、そうでなければノーコメントにします。」


「いやあ、美智香がメロメロになるのもわかるわ。
そうよね?美沙」

ユキが言うと、美沙も何度も頷き

「これは鉄壁の美智香でもコロッと落ちるわ」

と、呆れたように呟いた。

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