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Dear friend

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「真弥」

男は真弥の名前を言い、テーブルに近づいてきた。


「あっ、萩原」


真弥も男の名前を口に出した。


美智香と美沙もその方向に視線を移すと、真弥と同じくらいの高身長、そして同じくらいの年齢の男がそこにいた。

二人の顔に?マークが出ているのを見て、真弥は慌てて男の事を紹介した。

「あの、大学時代の同級生、てか友だちの萩原です」

「えっ、お友達?」

美沙はそれを聞いて、もう一度萩原の顔を見た。

真弥もアイドルと言ってもいいくらいの美形だったが、この萩原という男も負けず劣らずの美しい顔をしていた。


「萩原、久しぶり

えっと、こっちが妻の美智香で、こちらが妻のお友達の美沙さんです。」

真弥は萩原にも自分の連れを紹介した。


「えっ、あっ

あの萩原と申します。」

萩原は少しの間固まっていたが、慌てて頭を下げた。


「お友達がオバサン二人連れてるからフリーズしちゃったね
ごめんね」

美沙が笑って言うと、萩原は首をぶるぶる横に振って否定した。


「いや、そこじゃなくて、真弥が結婚したってことにビックリしちゃって。」


「ところで、萩原
オマエ、なんでこんなとこに一人で来てんの?」


「こんなところって。
近くに住んでんだよ。

ここの店は、夜でも定食とか出してくれるから、仕事帰りに時々寄って飯食ってんの。」


「あー、そうか」


「真弥君、よかったらお友達もここに座ってもらったら?」

美沙は自分の荷物を手で避けながら、隣の席を指差した。


「はい。

萩原、よかったらこっちに座らない?
俺らも今来たとこなんだよ」


「えっ、お邪魔じゃないなら」


萩原は遠慮がちに言ったが、結局美沙の隣にやってくる事になった。


四人は改めて自己紹介をし、真弥は美智香との結婚の事を話した。


「へえ、スピード婚じゃん」


「そうだな。
最近こっちの団地に引っ越して来てさあ、今日は美沙さんと三人で食事しようって事になって、店にいたら、オマエがはいってきたわけ。」


「俺の方はここにはしょっちゅう来てんだよ。」


「萩原クン、無理矢理オバサン二人が呼んじゃって迷惑じゃなかった?」

美沙が笑って言うと、萩原はまた首を横に振った。

「いえ、全然そんな事は。

お二人ともすごく美人だし、一緒に座れて光栄です。」


「えーっ、萩原クンてなんて素敵な子なのよ!
オバサンときめくわ」

美沙が言うと

「美沙、もうやめなさい
萩原君、困ってるじゃない」

と、美智香が制止した。

「いえいえ、本当にそう思ってるので、はい」

萩原は三人が頼んでいた瓶ビールを注いでもらい、ぎこちなく一口飲んだ。
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