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悪評
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「後藤さん、佐藤さんの会社
運転資金に困って、かなりヤバイとこらから金を借りてるって噂を耳にしたんですよ。」
「ヤバイところ?」
「ほら、ドラマでもやってたでしょう
銀行ってものは晴れた日に傘を貸して、雨の日にその傘を取り上げるってやつ
佐藤さんの会社に融資する銀行なんてどこにもないでしょう。
そしたら、必然的に闇とは言わないけど、怪しげなところから金を借りないといけなくなるわけです。」
「なるほど。
そこまで困ってるとは…」
「あくまでも噂ですよ、ウワサ
でも、火のないところに煙は立たないって言いますからね、
どちらにしても、あそこと仕事する事は二度とないでしょうね。」
片上の話は、どれも辛辣なもので、達也が聞いたらショックを受けるに違いない内容のものばかりであった。
だが、それを知らない達也は、美智香の力を借りれば復活出来ることを信じ、さらに彼女に執着するだろう。
和俊は、美智香に連絡を取り、事細かに説明した。
美智香は愕然となり、その話を聞いていたが、どうする事もできず、真弥が帰宅後、善後策を練る事くらいしか出来なかった。
「ここにいる事が見つかったって?…」
「和俊さんが言うにはこの前のレストランでの写真を持ってたって。
多分、その後家に帰る私達も尾行されてるわ。」
「じゃあ、近いうちにここに現れるってことか」
「真弥君、ごめん…
せっかく引越して新しい生活を始めたばかりなのに、こんな事になって…」
「いや、僕はそんなの全然…」
「また引越すことになるけど、いい?」
「みっちゃん、どこへ逃げてももう同じかもしれないよ。
だって、その人東京に住んでるんだよね?」
「えっ」
「多分、どこに行っても、必ず探し出すよ。
それだけみっちゃんに執着してるんだ。
多分東京に来たのも、仕事が理由なのもあるかもしれないけど、おそらくはみっちゃんを手に入れるための第一段階じゃないかって思う。」
「でも…」
「戦わないか?」
「戦う?って」
「古い考えかもしれないけど、僕はキミの夫であり、男なんだ。
妻を守る義務は僕にある。」
「でも、話を聞いてたら、アイツはもはやかなりヤバい感じになってるみたいだし…
真弥君に何か危害が及ぶと…私…」
「心配ないよ。
僕がみっちゃんを守る。
向こうが話し合いたいっていえば話し合うし、実力行使に出るならそれに対抗するまでだ。」
「真弥君…」
「きっちりカタをつけよう。」
真弥のあまりにもしっかりと、そして力強い言葉に、美智香も決意した。
「真弥君、ごめんね
私、弱くなってた。
真弥君がそう言ってくれるなら、私も戦うよ。
この幸せは自分達の手で守るしかないよね。」
「ああ、そうだよ。
その人がいくらみっちゃんに固執してるとはいえ、法を犯してまで何かしてくる事はないと思うよ。
ビジネスを立て直したいっていう気持ちから、少し冷静さを欠いているきらいはあるけどね。」
「うん。
真弥君との生活は何としてでも守る。」
「でも、みっちゃん
過去はその人と仕事に燃えて頑張ってだんだよね?
今の生活に不満はない?」
「あるわけないよ。
過去の私はたしかにそうだったかもしれない。
でも、今のこの幸せに比べたら、いえ、比べる事自体がバカバカしく思えるほどよ。
仕事で成功した喜びより、今の日々の生活での喜びの方が遥かに大きいわ。
私が作ったご飯を食べて、真弥君が美味しいって言ってくれることの方がね。」
美智香は一切の迷いもなく、そう答えた。
運転資金に困って、かなりヤバイとこらから金を借りてるって噂を耳にしたんですよ。」
「ヤバイところ?」
「ほら、ドラマでもやってたでしょう
銀行ってものは晴れた日に傘を貸して、雨の日にその傘を取り上げるってやつ
佐藤さんの会社に融資する銀行なんてどこにもないでしょう。
そしたら、必然的に闇とは言わないけど、怪しげなところから金を借りないといけなくなるわけです。」
「なるほど。
そこまで困ってるとは…」
「あくまでも噂ですよ、ウワサ
でも、火のないところに煙は立たないって言いますからね、
どちらにしても、あそこと仕事する事は二度とないでしょうね。」
片上の話は、どれも辛辣なもので、達也が聞いたらショックを受けるに違いない内容のものばかりであった。
だが、それを知らない達也は、美智香の力を借りれば復活出来ることを信じ、さらに彼女に執着するだろう。
和俊は、美智香に連絡を取り、事細かに説明した。
美智香は愕然となり、その話を聞いていたが、どうする事もできず、真弥が帰宅後、善後策を練る事くらいしか出来なかった。
「ここにいる事が見つかったって?…」
「和俊さんが言うにはこの前のレストランでの写真を持ってたって。
多分、その後家に帰る私達も尾行されてるわ。」
「じゃあ、近いうちにここに現れるってことか」
「真弥君、ごめん…
せっかく引越して新しい生活を始めたばかりなのに、こんな事になって…」
「いや、僕はそんなの全然…」
「また引越すことになるけど、いい?」
「みっちゃん、どこへ逃げてももう同じかもしれないよ。
だって、その人東京に住んでるんだよね?」
「えっ」
「多分、どこに行っても、必ず探し出すよ。
それだけみっちゃんに執着してるんだ。
多分東京に来たのも、仕事が理由なのもあるかもしれないけど、おそらくはみっちゃんを手に入れるための第一段階じゃないかって思う。」
「でも…」
「戦わないか?」
「戦う?って」
「古い考えかもしれないけど、僕はキミの夫であり、男なんだ。
妻を守る義務は僕にある。」
「でも、話を聞いてたら、アイツはもはやかなりヤバい感じになってるみたいだし…
真弥君に何か危害が及ぶと…私…」
「心配ないよ。
僕がみっちゃんを守る。
向こうが話し合いたいっていえば話し合うし、実力行使に出るならそれに対抗するまでだ。」
「真弥君…」
「きっちりカタをつけよう。」
真弥のあまりにもしっかりと、そして力強い言葉に、美智香も決意した。
「真弥君、ごめんね
私、弱くなってた。
真弥君がそう言ってくれるなら、私も戦うよ。
この幸せは自分達の手で守るしかないよね。」
「ああ、そうだよ。
その人がいくらみっちゃんに固執してるとはいえ、法を犯してまで何かしてくる事はないと思うよ。
ビジネスを立て直したいっていう気持ちから、少し冷静さを欠いているきらいはあるけどね。」
「うん。
真弥君との生活は何としてでも守る。」
「でも、みっちゃん
過去はその人と仕事に燃えて頑張ってだんだよね?
今の生活に不満はない?」
「あるわけないよ。
過去の私はたしかにそうだったかもしれない。
でも、今のこの幸せに比べたら、いえ、比べる事自体がバカバカしく思えるほどよ。
仕事で成功した喜びより、今の日々の生活での喜びの方が遥かに大きいわ。
私が作ったご飯を食べて、真弥君が美味しいって言ってくれることの方がね。」
美智香は一切の迷いもなく、そう答えた。
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