どんぐり

フロイライン

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REAL

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「ねえ、キス

ホントにできる?」


ヒロトが海里に念押しすると


「うん…


いや、うーん…


わかんない。」


と、海里は、素直な感想を漏らした。


本当にわからなかった。

異性愛者で、男子に興味のない海里は、今の男のまんまのヒロトには全く気持ちが動かない。
当然といえば当然である。


しかし、一時的とはいえ、ヒロトは肉体の一部が女性化し、二人は何度も体を重ね合い、求めあったのも事実である。

当然、情が湧いてくるのも本当の事であり…


そうだからこそ、海里は、男の体のヒロトに好意を持たれてもイヤな気持ちにならず、優しく接する事が出来た。

ただ、キスはというと…

中々ハードルが高く、出来るような気もするし、出来ないような気もした。


しばらく黙考していた海里だったが、意を決し


「よしっ、しよっ!」

と、自分を奮い立たせるように言うと、ヒロトを抱き寄せ、その勢いのまま唇を重ね合わせた。


ムードも何もないキスだったが、ヒロトは海里のその優しさと一線を越えてきた勇気に歓喜し、そのキスに胸を高鳴らせた。


案外いける


大丈夫


そう思った海里は、すぐに唇を離そうとせず、舌をヒロトの口中に捩じ込んだ。

勿論、それを受け入れたヒロトは、自らも舌を絡みつかせたため、激しいキスとなった。
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