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本領発揮
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「生意気な言い方ですけど、結婚も恋愛も、あまり理想が高すぎると、上手くいかないものじゃないでしょうか。」
樋谷に夫の事を悪く言われた遥は、酒の力を借りつつ、説教モードに入っていた。
だが、樋谷もまた頑固で、一般論の通じる相手ではなく…
「フン
生意気な事言ってんじゃないわよ。
妥協ばっかしてるアンタに何がわかるって言うのよ。」
「ワタシは別に妥協なんてしてません。
カレの事はカッコいいって思ってますし、本当に大好きって気持ちがあるから結婚するんです。
いえ、こんなワタシと結婚しようと思ってくれて、カレには感謝しかありません。」
「ふーん
アンタ、顔はまあまあ可愛いくせに謙虚なんだね。
私もアンタの彼氏を、子供を迎えにきたときに何度か見た事あるけど、全然カッコよくなんてなかったわよ。
いつも疲れてる感じだったし。
私、スーツ姿の男性に胸キュンてなるんだけど、アンタの旦那に対しては全くそんな事は思わなかった。
なんか、くたびれた感じで、スーツもテロンテロンのヨレヨレだったし。」
「それは、シングルで、仕事と子育てとが大変でしたし、仕方ない事だったんです。
でも、これからはワタシがちゃんとしますので、ご心配なく。」
「心配なんてしてないわよ。
私が言いたいのは、妥協なんてまっぴらごめんだってこと。」
「それじゃあ、一生結婚なんて出来ないんじゃないですか。」
良太の事を悪く言われ続け、遥も段々男時代の闘争本能のようなものが出てきてしまい、樋谷にキツく言った。
「あのねえ、妥協ばっかしてるアンタにはわかんないだろうけど、理想を追いかけることで本当の意味で幸せを掴めるのよ。
私に妥協しろしろって言うけど、紀藤はどうなのよ。
横から割り込んできて、梅谷さんを誘惑してまんまと騙して奪い取ってったけど、梅谷さんは顔もいいし、若いし、仕事も出来て、まさに理想の相手じゃない?
紀藤が理想の男をゲットできて、私が出来ないっていう道理はないわ。」
「ありますよ。
先輩…
紀藤さんは美人ですし、優しいですし、ワタシから見ても本当に素敵な女性だと思います。
梅谷さんが惚れるのもよくわかります。」
「フンっ
騙すのが上手いだけの、性悪女よ。
そのうち化けの皮が剥げて、スピード離婚するわ。」
「ダメだコイツ…」
「はっ?
何か言った?」
「いえ…
あっ
もうこんな時間ですよ。
そろそろ帰りませんか?」
「何言ってんのよ、まだ飲み足りないわ。
もうしばらく付き合いなさい。」
さらに地獄は続く…
樋谷に夫の事を悪く言われた遥は、酒の力を借りつつ、説教モードに入っていた。
だが、樋谷もまた頑固で、一般論の通じる相手ではなく…
「フン
生意気な事言ってんじゃないわよ。
妥協ばっかしてるアンタに何がわかるって言うのよ。」
「ワタシは別に妥協なんてしてません。
カレの事はカッコいいって思ってますし、本当に大好きって気持ちがあるから結婚するんです。
いえ、こんなワタシと結婚しようと思ってくれて、カレには感謝しかありません。」
「ふーん
アンタ、顔はまあまあ可愛いくせに謙虚なんだね。
私もアンタの彼氏を、子供を迎えにきたときに何度か見た事あるけど、全然カッコよくなんてなかったわよ。
いつも疲れてる感じだったし。
私、スーツ姿の男性に胸キュンてなるんだけど、アンタの旦那に対しては全くそんな事は思わなかった。
なんか、くたびれた感じで、スーツもテロンテロンのヨレヨレだったし。」
「それは、シングルで、仕事と子育てとが大変でしたし、仕方ない事だったんです。
でも、これからはワタシがちゃんとしますので、ご心配なく。」
「心配なんてしてないわよ。
私が言いたいのは、妥協なんてまっぴらごめんだってこと。」
「それじゃあ、一生結婚なんて出来ないんじゃないですか。」
良太の事を悪く言われ続け、遥も段々男時代の闘争本能のようなものが出てきてしまい、樋谷にキツく言った。
「あのねえ、妥協ばっかしてるアンタにはわかんないだろうけど、理想を追いかけることで本当の意味で幸せを掴めるのよ。
私に妥協しろしろって言うけど、紀藤はどうなのよ。
横から割り込んできて、梅谷さんを誘惑してまんまと騙して奪い取ってったけど、梅谷さんは顔もいいし、若いし、仕事も出来て、まさに理想の相手じゃない?
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「ありますよ。
先輩…
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