ニューハーフな生活

フロイライン

文字の大きさ
上 下
12 / 161

顔合わせ

しおりを挟む
「みんな、今日からここで働くユキちゃんよ。 
ユキちゃんは予備校生で大学目指してるんだけど、ワタシが無理言って来てもらったの。 
みんなよろしく頼むわね」 

美咲さんに促されて俺も挨拶をした。 

「みなさん、何もわからないまま来ちゃったんでご迷惑かけると思いますけど、よろしくお願いします。」 

異常なくらい緊張したけど一応ちゃんと言えた。 

「ママ、このコすごく可愛いわね。どこで見つけて来たの?」 

メンバーで一番の年長者っぽくてキレイな人が俺を品定めするような目で見ながら笑って言った。年長者って言っても28くらいだろうか… 
ここの店の人達はみんな若くてキレイな人ばかりだ。 
普通はキレイな人もいればブスなお笑い系の人もいると思ってたんだけどなあ… 

「ユキちゃんとどこで出会ったかはヒミツよ。それよりも彼女は今までに化粧をしたこともなかったくらいのビギナーだから色々と面倒見てあげてね。」 

「ユキちゃんて、年はいくつ?」 

一番若いであろう、茶髪のストレートヘアーの人が俺に質問してきた。この人も男だったとは思えないくらい美しい人だ。それでいて可愛らしさも兼ね備えている。 

「あ、はい… 今月で19になります。」 

「じゃあ一コ違いだあ。ワタシはユウ 
よろしくね。」 

「そうだ 、ユウちゃん 
年も近いし、ユキちゃんの相談役になってあげて。」 

美咲さんがユウさんに言うと、すごくステキな笑顔で 

「喜んで。 ユキちゃん 、わからないことがあったらワタシに何でも聞いてね。」 

って言ってくれた。 

「はい。 ありがとうございます。」 

この二十歳のユウさんとはそれからずっと仲良くさせてもらう事になる 
いわば俺のお姉さんだ。 

「オカマの世界も結構大変でね、陰湿なイジメとかがつきものなんだけど、この店はそんなの一切ないから安心して働いてね。」 

こう言ってくれたのはさっき俺のことを可愛いと言ってくれた一番の年長者の人だ。 

みんなからミカ先輩と言われて慕われてる。 
ミカ先輩の言った通り、俺はそれから後もいじめられたりイヤな目に遭ったりすることなく、楽しく働くことが出来たんだ。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

やり直せるなら、貴方達とは関わらない。

BL / 連載中 24h.ポイント:5,271pt お気に入り:2,714

役目を終えて現代に戻ってきた聖女の同窓会

恋愛 / 完結 24h.ポイント:3,684pt お気に入り:78

顔の良い灰勿くんに着てほしい服があるの

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:184pt お気に入り:0

俺の妹が優秀すぎる件

青春 / 連載中 24h.ポイント:539pt お気に入り:2

異世界超能力だより!~魔法は使えませんが超能力なら使えます~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:232

私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした

恋愛 / 完結 24h.ポイント:170pt お気に入り:4,132

縁の鎖

恋愛 / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:185

便箋小町

ライト文芸 / 連載中 24h.ポイント:28pt お気に入り:8

百鬼夜荘 妖怪たちの住むところ

キャラ文芸 / 連載中 24h.ポイント:937pt お気に入り:16

処理中です...