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ニューハーフpro
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「ユキちゃん、大学を休学したの?」
出金したワタシに美咲ママが声をかけてきた。
「はい。そうなんです」
「そうなの…何かあったの?」
「いえ、少しお金が必要になったので、昼間もお仕事する事になりまして。」
「お金を?
あれだったらウチで貸してあげるわよ。」
美咲ママは優しいよなあ、相変わらず。
「ありがとうございます。
自分で何とかしてみます。また、何かあったときは相談させて下さい。」
「うん
いつでも言ってね。
ところで、体の状態はどう?
タマ抜きの」
「あ、だいぶ良くなってきました。
もう、ほとんど以前と変わらないくらいの状態になりました。
ママの時はどうだったんですか?」
「ワタシもユキちゃんと同じ病院で手術したんだけど、同じようなもんだったわ。
一ヶ月くらいは本調子になれなかったもの。」
「ですよね。
でも念願というか、タマ無しになれて良かったです。」
「ウチの店もタマなしの娘が多くなったわね。
性転換が一人、タマ有りが一人
あとは全員タマ無しだもんね。」
「ニューハーフしてたら、少しでも女の子っぽくなりたい、もっとキレイになりたいって気持ちになりますもん。
ここはママも先輩達も全員美人で、ついついワタシもって気になっちゃいますから。」
「お店一番の美人にそんな事言われると、なんか素直に受け取れないわ。」
美咲ママは声を出して笑って言った。
「おはようございます」
ユウさんが出勤してきた。
「あ、ユウさん
おはようございます。」
「ユキちゃん、おはよう」
「ユウさん、なんか疲れてますね。」
少しやつれた感じがしたので、思わず聞いてしまった。
「今日は出勤してからずっと予約入っててね
ご飯食べる余裕もなかったわ。」
「それは大変ですね」
「でも、お客さんがたくさん予約してくれるのは有り難いわ。
一日待機で終わる時だって無いとは言えないもの。」
「なるほど」
「ユキちゃん、明日面接だったね。
マネージャーの日村さんを訪ねて行って。
まあ、形式的なものだから深く考える事もないからね。」
「はい。ありがとうございます。」
私達の会話を聞いていた美咲ママが心配そうに会話に入ってきた。
「ユウちゃん、風俗の仕事ってキツイっていうけど、あんまりムリしちゃダメよ。」
「はい、すみません
ダブルワークをする気はなかったんですけど…」
「ユキちゃんもそうよ。
ユキちゃんの人生だから、ワタシがとやかく言うことじゃないけど、やってみて、ムリだって思ったらちゃんと決断するんだよ。」
「はい。ありがとうございます。」
「ワタシがユキちゃんをニューハーフの世界に引き摺り込んでしまったっていう罪悪感が今もずっとあってね
せめてユキちゃんには幸せな人生を歩んでほしいのよ。」
「ママ…
そんな事思わないで下さい。
ワタシ、ママに感謝してるんです。だってニューハーフのワタシが本当のワタシだって気付かせてくれた恩人なんですもの。
東京に出てきた時はそういう考えは1ミリも持ってませんでしたけど、今は自分がニューハーフだっていうことに誇りを持ってますし、毎日が充実しています。」
「ユキちゃん…
そう言ってもらえると、ワタシも少しは気持ちが救われるわ。」
「今は妹を東京に行かせる資金を稼ぐ事を頑張って、将来的には、そうですね…
素敵な男性と結婚して、主婦生活をしてみたいかな。」
何を言ってるんだろ、ワタシ…
出金したワタシに美咲ママが声をかけてきた。
「はい。そうなんです」
「そうなの…何かあったの?」
「いえ、少しお金が必要になったので、昼間もお仕事する事になりまして。」
「お金を?
あれだったらウチで貸してあげるわよ。」
美咲ママは優しいよなあ、相変わらず。
「ありがとうございます。
自分で何とかしてみます。また、何かあったときは相談させて下さい。」
「うん
いつでも言ってね。
ところで、体の状態はどう?
タマ抜きの」
「あ、だいぶ良くなってきました。
もう、ほとんど以前と変わらないくらいの状態になりました。
ママの時はどうだったんですか?」
「ワタシもユキちゃんと同じ病院で手術したんだけど、同じようなもんだったわ。
一ヶ月くらいは本調子になれなかったもの。」
「ですよね。
でも念願というか、タマ無しになれて良かったです。」
「ウチの店もタマなしの娘が多くなったわね。
性転換が一人、タマ有りが一人
あとは全員タマ無しだもんね。」
「ニューハーフしてたら、少しでも女の子っぽくなりたい、もっとキレイになりたいって気持ちになりますもん。
ここはママも先輩達も全員美人で、ついついワタシもって気になっちゃいますから。」
「お店一番の美人にそんな事言われると、なんか素直に受け取れないわ。」
美咲ママは声を出して笑って言った。
「おはようございます」
ユウさんが出勤してきた。
「あ、ユウさん
おはようございます。」
「ユキちゃん、おはよう」
「ユウさん、なんか疲れてますね。」
少しやつれた感じがしたので、思わず聞いてしまった。
「今日は出勤してからずっと予約入っててね
ご飯食べる余裕もなかったわ。」
「それは大変ですね」
「でも、お客さんがたくさん予約してくれるのは有り難いわ。
一日待機で終わる時だって無いとは言えないもの。」
「なるほど」
「ユキちゃん、明日面接だったね。
マネージャーの日村さんを訪ねて行って。
まあ、形式的なものだから深く考える事もないからね。」
「はい。ありがとうございます。」
私達の会話を聞いていた美咲ママが心配そうに会話に入ってきた。
「ユウちゃん、風俗の仕事ってキツイっていうけど、あんまりムリしちゃダメよ。」
「はい、すみません
ダブルワークをする気はなかったんですけど…」
「ユキちゃんもそうよ。
ユキちゃんの人生だから、ワタシがとやかく言うことじゃないけど、やってみて、ムリだって思ったらちゃんと決断するんだよ。」
「はい。ありがとうございます。」
「ワタシがユキちゃんをニューハーフの世界に引き摺り込んでしまったっていう罪悪感が今もずっとあってね
せめてユキちゃんには幸せな人生を歩んでほしいのよ。」
「ママ…
そんな事思わないで下さい。
ワタシ、ママに感謝してるんです。だってニューハーフのワタシが本当のワタシだって気付かせてくれた恩人なんですもの。
東京に出てきた時はそういう考えは1ミリも持ってませんでしたけど、今は自分がニューハーフだっていうことに誇りを持ってますし、毎日が充実しています。」
「ユキちゃん…
そう言ってもらえると、ワタシも少しは気持ちが救われるわ。」
「今は妹を東京に行かせる資金を稼ぐ事を頑張って、将来的には、そうですね…
素敵な男性と結婚して、主婦生活をしてみたいかな。」
何を言ってるんだろ、ワタシ…
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