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  第6章 燦然と光り輝く【タニハ王家の至宝・紅玉】

 〔51〕燦然と光り輝く紅玉《ルビー》・ミアンカ王太女

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  【大御所】は悔恨の情をカモし出しながら、

「十数年前になろうか!?」
「このタニハ王家は彼奴キャツに、危うくも乗っ取られそうになったのじゃ・・・」




  15年前、タニハ王家に【燦然と光り輝く紅玉ルビーミアンカ王太女】は才媛の誉れ高く、その気品アフれる、天女のような清々しい美貌は、全国の貴公子の注目の的であった。


しかし、本人はそういったことには無頓着で、専ら【越女剣】の修練に余念がなかった。


本人の意向とは裏腹に、タニハ王家には縁談の申し出が殺到していた。



  中でも、山陰道の大国【ツモ国(現代の島根・鳥取)】の【ナム王太子】自ら、縁談の申し出に参上との知らせは、【タニハ王家】を震撼させた。


王家に連なる人々は、大多数が批判的だった。


「そもそも、【倭国大乱】の最大元凶は【ツモ国】ではないか!」


「我がタニハ国とはイマだに、戦端が開かれてないとはいえ、本家のイト国や、親戚筋のナガト、アキ、キビ国とは、既に戦争状態だというのに!」


「我が王家の【光り輝く紅玉】を戦犯に汚されてたまるか!」


「どこの国であれ、【王太子】といえば、【後継国王】ではないか!」
「我が国の次代の女王を嫁にやるわけにはいかない!」

等々の反対派が大勢タイセイであった。


「されど、親戚になることで、【天孫族国家】との戦争が終結し、平和になるとするならば、万々歳ではないか!?」

と、の意見もあるにはあったが、少数派であった。


「とにかく、会うだけは会ってみましょう。」
「それから考えても、遅くはないでしょう。」

シェリカ女王は、【国家元首】としてではなく、【ミアンカ王太女の母親】として、会見に臨むことになった。
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