おだらけ公爵令嬢の休日は、メイドと食事と共に
(うぅ……。気持ち悪い……)
窓から差し込む陽光を浴びながら、あたしはテーブルの上でぐでっとしていた。
……いや、自分で言うのもなんだけど、朝からテーブルでぐでっとする令嬢ってどうなの? 公爵令嬢がそんなことしてていいの? しかも、テーブルにはお気に入りのティーポットやお菓子も並べてある。
そんな、こんなを朝からやっている理由はただひとつ。
「お嬢様! 起きてください! お迎えの馬車が来ちゃいますよ!」
「……もうちょっと……ちょっとだけ……」
「そんなこと言っていつもギリギリまで寝てるじゃないですかー! もう、今日こそはしっかり起きてもらいますからね!」
「あと五分……」
そう。
今日は公爵令嬢としてのお勤めがあるのだ。
しかし、本日はなんと休日! 勉強もしなくていいし、朝食も食べなくていいから眠い。寝たい。何なら一日中寝ていたい。
そんなあたしの願望を知ってか知らずか……いや、当然知らないのだけど、メイドのカレンさんが問答無用であたしをベッドから引きずり出した。
「あああぁぁぁぁぁ……」
「もう、お嬢様っ! そんな情けない声出さないでくださいよ!」
あたしの専属メイドであるカレンさんがそんなことを言ってくるが、眠いものは眠いのだ。
「あたしは今日は休みなのー。だから起きるのはもう少し後でもいいじゃない」
「公爵令嬢がそんなこと言っていいんですか?」
「いいの」
そんな屁理屈をこねるあたしを、カレンさんは容赦なく引っ張り起こしてくる。
「ふわぁ……ほら、着替えますから早く起きてください。じゃないとお嬢様の大好きなお菓子たちが食べられませんよ」
カレンさんの言葉に眠気で閉じていたまぶたをパチっと開くと、テーブルの前に置かれたテーブルにはすでに朝食が並べられていた。
しかも、あたしが大好きなフレンチトーストに、ハムサラダ、フルーツヨーグルトまでついている。
「えぇー! 今日ってフレンチトーストがあるの!? え? なんで!?」
「ふふん♪ 今日は休日ですからね! お城の料理長に頼んで作ってもらったんですよ」
……やられた。カレンさんが手回ししてたのか。
いや、確かにあたしはこのフレンチトーストが好きだけども! カレンもあたしの好みを知っててここに座ったんだろうけどさ! もう……なんでこんなにあたしのメイドは有能かなぁ。
「……はぁ。仕方ないなぁ」
あたしは渋々とベッドから降り、カレンが差し出してくれた着替えを受け取り……。
「って、これドレスじゃん!」
「はい。公爵令嬢ですからね」
「うぅー! 休日なんだからいつもの格好でいいじゃんかぁ……」
「駄目です」
あたしが抗議するも、カレンさんにピシャリと却下されてしまう。
まぁ、確かにドレスを着るのは面倒だし好きじゃないけどさぁ……。今日はせっかくお休みで、一日中だらだらしようと思ってたのに……。
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しかも、あたしが大好きなフレンチトーストに、ハムサラダ、フルーツヨーグルトまでついている。
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