異世界聖女召喚(仮)

如月 桜

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17.国づくり?いえいえ生活基盤確保です。

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 世界を浄化してから数日。
 セイとノアに連れられて山向こうの世界へと来てから三日。
 今は着々と魔法の修行をしています。
 え、国造り?
 そんな暇ないない。
 だって、何をするにしても魔法が必要なんだもん。
 セイとノアが眷属を呼び出してくれて、せっせと三人で住む家を作ってくれている横で、私はというと、今日も魔法の修行です。
 とはいっても、最初のころに比べてだいぶ上手になりました。
 曲がりなりにも小説大好き、漫画大好き、ファンタジーは主食です、という人生を歩んできただけあって、術を行使するために必要な想像力は半端なくあるのですよ!!
 なので、攻撃魔法も魔力の練り方さえわかってしまえが簡単に行使することができました。
 今頑張っているのは、これから生活していくために必要となる野菜とかの栽培することです。
 野山からセイが探してきてくれた薬草とか野菜とか果物とかを畑を作って植えて、そんでもって、魔力をそれらに流して害虫や冷害につよい株にして、ちょこっと、成長促進の魔法をかけて、ついでに持って、株分けがたくさんできて量産できるようにぃなんて、ものすっごく都合のいいものを作っています。
 最初そんなことを始めたら、ノアとセイは信じられないものを見ているような目で見てきました。
 なんでも、この世界では、野菜や薬草を栽培するという考えはないらしい。
 果物とかも、山になっているものを探してくるとか。
 農家がないのか、と思ったので、じゃぁ、とついでのように、肉とかってどうしてるの?ってきけば、やっぱり、野山で狩りをしてとってきているらしい。
 根本的に育てるということをしないのか。
 ていうか、育てる、ということをしないでも成り立っているこの世界の自然のすごさにびっくりなんですが。
 まぁ、そんなものは横に置いておいて。
 ひとまず、セイが集めてくれているそれらを畑を作って育てています。
 とりあえず、当面、三人で食べていけるだけのものさえあればいいよね・・・・・・。
 ちなみに、通年通して収穫できればいいなぁとか日本のスーパー的な発想で言ったら、さらに驚かれました。
【モモ、そろそろ行かないと夕方までに帰ってこれないわよ】
 おっきなくまさんが声をかけてきた。
 もちろんセイです。
 でも、どうしても、おっきぃくまさんにしか見えないんです。いや、ほんと、おっきぃですよ。ノアのライオン姿と大差ないですからね。
 そして、今日も今日とてもふもふな毛皮をしていらっしゃる。
 くまさんバージョンのセイを見ると、どうしても、むぎゅぅっとしたくなるんですよね、うん、これはもうしょうがないと思うんだ。
【本当に、モモはこの姿が好きねぇ】
 と、むぎゅぅとし返してくれるセイ。ノリがよくてなによりです。中身男ですけど!!え、気にしませんよ?気にしたら負けですもの!!!っていうか、今目の前にいるのは、おっきぃ毛並みふっかふかのくまさんですからね!!
【モモにかまうなっ】
 と、すぐさまノアが私をセイの腕の中から奪い返してしまいます。
 もふもふきもちぃのに・・・・・・。
 じとーっと恨めしそうにノアを眺めていると、セイは面白そうに笑った。
【っと、ノアをからかっている場合じゃないんだったわっ!!モモ、そろそろ行かないと、本当に間に合わないわよ!!ノアも、モモが外泊なんていやでしょ?いやだったら、さっさとその手を放しなさい】
 若干渋ったが、早々にノアは私をセイへと返してくれた。
【それじゃぁ、ちょっとドワーフの国まで行ってくるからね。ノアはおとなしく待ってるのよ?】
【―――――――――――我が一緒に行ってはならぬのか】
 昨晩から続くその応酬に、セイは【だーめ】と同じ科白を返した。
【女の子の買い物なんだから、ノアはおとなしく待ってなさい】
【しかし】
【しつこいと嫌われるわよ。モモ、少し飛ばすからしっかりつかまってなさいよ】
「はぁい。それじゃぁ、ノア、いってきまぁす」
 出かける挨拶をすると同時に、セイはあっさりと精霊界へと入った。
 今日は、セイといっしょにドワーフの国へと行くのです!
 当初、ノアと二人の旅の時は、ドワーフの国へといって冒険者カードを作る予定だったのだけど、あっさり浄化しちゃって、ついでに、国興しまで始めちゃったため、結局行くことはなかったドワーフの国に、とうとう行くのです!!
 何をしにって?そりゃぁ、女の子としての買い物と、食材アイテムの下見。そしてそして、なんと、冒険者カードを作りに行くのです!!
 どういう状態に今後なるにしても、冒険者カードは持っていて損はない、むしろ持っていたほうが何かといい、というセイの一言で、作りに行くことになったのです。もちろん、行く、という話になって、ノアが黙っているわけがなかった。
 自分がついていくという一点張りに、セイは、あっさりときっぱりとざっくりと、ノアの意見を却下した。
 女の子の何たるかも知らないあんたがついていっても足手まとい、むしろ、邪魔!食材アイテムにしたって、口にできればいい程度に思ってるノアでは、役立たず以下!と、そりゃぁもう、横で聞いてる私が青ざめるぐらいにノアにずばずばといってくれたセイ。
 結局、セイと二人で行くことに収まったのに、いまだに渋るとは、そんなにセイと一緒だと心配なのだろうか・・・・・・。
【モモ、そろそろ精霊界抜けるから、しっかりマントの前しめときなさいよ。ドワーフの国は、人間のいるところよりも寒さが厳しいからね】
「わかったー」
 しっかりとマントの前をしめ、ついでにセイから教えてもらった外気温遮断の魔法もかける。
 これをすると骨まで凍ってしまいそうな寒さも絶えることができるようになるのだ。
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