異世界聖女召喚(仮)

如月 桜

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24.大変だけど、幸せ

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 セイがエルフの人を数人連れて戻ってきたので、一緒にパンをこねる作業を手伝ってもらった。それから、スープをつくったり、なんちゃってサラダを作ったりした。
 もちろん、パンの醗酵は私が魔法を使ってやったけどね・・・・・・。
 そのあとの成型はみんなでやった。
 その間にドワーフのお姉さんたちが作ってくれた簡易かまどオーブンでパンをつぎつぎと焼いていく。
 かまどオーブンが一つしかないというと、ドワーフのお姉さん方がそのぐらいならあたしらでも簡単に作れるよ、と言って、すぐさま炊き出し用に作ってくれた。
 ドワーフの方々って、本当に、男女関係なくものづくりが得意なのだなぁと、つくづく思った瞬間だった。
 まぁ、それでも、得意なものとか不得意なものがあるらしい。
 今回来たドワーフさんたちの多くは、治水技術とか、建造物を作ったりする技術を得意とする人たちが多いらしい。
 私の国に必要な技術ですね、と思った。
 ひとまず、私しかできないパン醗酵の魔法をかけ終えたということもあって、一息ついて周りを見渡してみる。
 いつの間にかセイと一緒に、周辺にある食材を取りに行っていたケピルの獣人族の人たちも帰ってきていて、次のお手伝いは何がいいのかと、ザラさんに聞いていた。
 ザラさんは、適当な木を切ってくるように言ってたから、薪でも足りなくなったのかなっておもってたんだけど、戻ってきたケピルの子たちが抱えてきた大きな木を斧でどかどかと切っていって、次はノミとかを使って、一枚の大きなお皿をつくりはじめちゃった。
 そういえば、みんなの分の食器、ないっけ・・・・・・。
 ドワーフの人たちやエルフさんたちは、みんな荷物をもって集落ごと引っ越してきたけど、最低限の衣服と食糧のみでやってきた獣人族の子供たちには、食器ないんだよねぇ・・・・・・。
 私の家もできたばかりで、まだ、家具なんてないし・・・・・・。
 立派な家ができても、中身がなかったら意味なしだな。
 これからそろえないといけないものを考えると、思わず大きなため息をつくこととなった。
「巫女さま、どうしたの?」
 と、ため息の音を聞き、すぐそばで一緒に食事の支度をしていた獣人の女の子が聞いてきた。
 こてん、と首を傾げ、大きくてくりくりの目で見上げてくる姿はなんとかわいらしく、そして、ファンタジーだな!なんて思ってしまうが、彼女が首をかしげているのは私のため息のせい。
「ん、ちょっとね、これから、いろいろと大変だなぁっておもってね・・・・・・」
「あたしたちがきたから、たいへんなの?」
 と、今度はほんの少し不安そうな声音で聞いてきた女の子に、私は口元に笑みを浮かべ、そして、女の子の頭を優しく静かに撫でた。
「一緒に住む人が増えたから、大変なのはしょうがないよ」
「――――――」
「でもね、んと、あなた、お名前は?」
「―――――ニキ」
「ニキは、妹や弟はいる?」
 ゆっくりと腰を落とし、ニキと目線をあわせながら訪ねると、ニキは小さくこくりとうなずいた。
「ダーがいる」
 そうして、ゆっくりとニキは、弟でね、ダーって呼ぶとね、笑ってね、でもね、すぐ泣くし、夜もお利口さんに寝てくれないの。
 と、たどたどしくも、教えてくれた。
 そんなニキに私は笑いかけつつ、大変だね、とまた、頭を撫でながら答え、
「ニキは、ダーが新しくお家に来た時、うれしかった?」
「うん!おとうとおかあは、大変だって言ってたけど、でも、うれしかったっ」
「そっかぁーじゃぁ、今の私とおんなじだね」
 ふふっと笑いいうと、ニキはまた、こてんと首を傾げた。
「おんなじ?」
「そう、おんなじ。だって、新しい家族が増えたらうれしいでしょ?」
「ニキ、巫女さまと家族?」
「そうだよ。ここにいるみんな、私にとっては家族と一緒だよ。だから、大変なことがあっても、私は全然嫌じゃないよ――――――ニキは?今までと違うところに住むことになって大変でしょ?いやだった?」
「嫌じゃないっ!!だって、巫女さまのところに来たら、ハンターのこと気にしなくっていいもんっ!!」
「じゃぁ、やっぱり、おんなじだね」
 私も、みんなが来てくれてうれしかったから。
 よしよし、と最後にニキの頭を撫でて立ち上がると、なぜだかドワーフの奥様方が涙を流していました。
 えーっと・・・・・・。
 すすり泣く声に交じって、巫女さまは偉大だ、とか、さすが姫さまとか、なんか、聞こえてくるのですが、よし、ここは華麗にスルースキルを発動ということでっ!!
 食事の支度もすんで、後は各々が戻ってきたら盛り付けという状態にまで整った。
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