25 / 31
24.大変だけど、幸せ
しおりを挟む
セイがエルフの人を数人連れて戻ってきたので、一緒にパンをこねる作業を手伝ってもらった。それから、スープをつくったり、なんちゃってサラダを作ったりした。
もちろん、パンの醗酵は私が魔法を使ってやったけどね・・・・・・。
そのあとの成型はみんなでやった。
その間にドワーフのお姉さんたちが作ってくれた簡易かまどオーブンでパンをつぎつぎと焼いていく。
かまどオーブンが一つしかないというと、ドワーフのお姉さん方がそのぐらいならあたしらでも簡単に作れるよ、と言って、すぐさま炊き出し用に作ってくれた。
ドワーフの方々って、本当に、男女関係なくものづくりが得意なのだなぁと、つくづく思った瞬間だった。
まぁ、それでも、得意なものとか不得意なものがあるらしい。
今回来たドワーフさんたちの多くは、治水技術とか、建造物を作ったりする技術を得意とする人たちが多いらしい。
私の国に必要な技術ですね、と思った。
ひとまず、私しかできないパン醗酵の魔法をかけ終えたということもあって、一息ついて周りを見渡してみる。
いつの間にかセイと一緒に、周辺にある食材を取りに行っていたケピルの獣人族の人たちも帰ってきていて、次のお手伝いは何がいいのかと、ザラさんに聞いていた。
ザラさんは、適当な木を切ってくるように言ってたから、薪でも足りなくなったのかなっておもってたんだけど、戻ってきたケピルの子たちが抱えてきた大きな木を斧でどかどかと切っていって、次はノミとかを使って、一枚の大きなお皿をつくりはじめちゃった。
そういえば、みんなの分の食器、ないっけ・・・・・・。
ドワーフの人たちやエルフさんたちは、みんな荷物をもって集落ごと引っ越してきたけど、最低限の衣服と食糧のみでやってきた獣人族の子供たちには、食器ないんだよねぇ・・・・・・。
私の家もできたばかりで、まだ、家具なんてないし・・・・・・。
立派な家ができても、中身がなかったら意味なしだな。
これからそろえないといけないものを考えると、思わず大きなため息をつくこととなった。
「巫女さま、どうしたの?」
と、ため息の音を聞き、すぐそばで一緒に食事の支度をしていた獣人の女の子が聞いてきた。
こてん、と首を傾げ、大きくてくりくりの目で見上げてくる姿はなんとかわいらしく、そして、ファンタジーだな!なんて思ってしまうが、彼女が首をかしげているのは私のため息のせい。
「ん、ちょっとね、これから、いろいろと大変だなぁっておもってね・・・・・・」
「あたしたちがきたから、たいへんなの?」
と、今度はほんの少し不安そうな声音で聞いてきた女の子に、私は口元に笑みを浮かべ、そして、女の子の頭を優しく静かに撫でた。
「一緒に住む人が増えたから、大変なのはしょうがないよ」
「――――――」
「でもね、んと、あなた、お名前は?」
「―――――ニキ」
「ニキは、妹や弟はいる?」
ゆっくりと腰を落とし、ニキと目線をあわせながら訪ねると、ニキは小さくこくりとうなずいた。
「ダーがいる」
そうして、ゆっくりとニキは、弟でね、ダーって呼ぶとね、笑ってね、でもね、すぐ泣くし、夜もお利口さんに寝てくれないの。
と、たどたどしくも、教えてくれた。
そんなニキに私は笑いかけつつ、大変だね、とまた、頭を撫でながら答え、
「ニキは、ダーが新しくお家に来た時、うれしかった?」
「うん!おとうとおかあは、大変だって言ってたけど、でも、うれしかったっ」
「そっかぁーじゃぁ、今の私とおんなじだね」
ふふっと笑いいうと、ニキはまた、こてんと首を傾げた。
「おんなじ?」
「そう、おんなじ。だって、新しい家族が増えたらうれしいでしょ?」
「ニキ、巫女さまと家族?」
「そうだよ。ここにいるみんな、私にとっては家族と一緒だよ。だから、大変なことがあっても、私は全然嫌じゃないよ――――――ニキは?今までと違うところに住むことになって大変でしょ?いやだった?」
「嫌じゃないっ!!だって、巫女さまのところに来たら、ハンターのこと気にしなくっていいもんっ!!」
「じゃぁ、やっぱり、おんなじだね」
私も、みんなが来てくれてうれしかったから。
よしよし、と最後にニキの頭を撫でて立ち上がると、なぜだかドワーフの奥様方が涙を流していました。
えーっと・・・・・・。
すすり泣く声に交じって、巫女さまは偉大だ、とか、さすが姫さまとか、なんか、聞こえてくるのですが、よし、ここは華麗にスルースキルを発動ということでっ!!
食事の支度もすんで、後は各々が戻ってきたら盛り付けという状態にまで整った。
もちろん、パンの醗酵は私が魔法を使ってやったけどね・・・・・・。
そのあとの成型はみんなでやった。
その間にドワーフのお姉さんたちが作ってくれた簡易かまどオーブンでパンをつぎつぎと焼いていく。
かまどオーブンが一つしかないというと、ドワーフのお姉さん方がそのぐらいならあたしらでも簡単に作れるよ、と言って、すぐさま炊き出し用に作ってくれた。
ドワーフの方々って、本当に、男女関係なくものづくりが得意なのだなぁと、つくづく思った瞬間だった。
まぁ、それでも、得意なものとか不得意なものがあるらしい。
今回来たドワーフさんたちの多くは、治水技術とか、建造物を作ったりする技術を得意とする人たちが多いらしい。
私の国に必要な技術ですね、と思った。
ひとまず、私しかできないパン醗酵の魔法をかけ終えたということもあって、一息ついて周りを見渡してみる。
いつの間にかセイと一緒に、周辺にある食材を取りに行っていたケピルの獣人族の人たちも帰ってきていて、次のお手伝いは何がいいのかと、ザラさんに聞いていた。
ザラさんは、適当な木を切ってくるように言ってたから、薪でも足りなくなったのかなっておもってたんだけど、戻ってきたケピルの子たちが抱えてきた大きな木を斧でどかどかと切っていって、次はノミとかを使って、一枚の大きなお皿をつくりはじめちゃった。
そういえば、みんなの分の食器、ないっけ・・・・・・。
ドワーフの人たちやエルフさんたちは、みんな荷物をもって集落ごと引っ越してきたけど、最低限の衣服と食糧のみでやってきた獣人族の子供たちには、食器ないんだよねぇ・・・・・・。
私の家もできたばかりで、まだ、家具なんてないし・・・・・・。
立派な家ができても、中身がなかったら意味なしだな。
これからそろえないといけないものを考えると、思わず大きなため息をつくこととなった。
「巫女さま、どうしたの?」
と、ため息の音を聞き、すぐそばで一緒に食事の支度をしていた獣人の女の子が聞いてきた。
こてん、と首を傾げ、大きくてくりくりの目で見上げてくる姿はなんとかわいらしく、そして、ファンタジーだな!なんて思ってしまうが、彼女が首をかしげているのは私のため息のせい。
「ん、ちょっとね、これから、いろいろと大変だなぁっておもってね・・・・・・」
「あたしたちがきたから、たいへんなの?」
と、今度はほんの少し不安そうな声音で聞いてきた女の子に、私は口元に笑みを浮かべ、そして、女の子の頭を優しく静かに撫でた。
「一緒に住む人が増えたから、大変なのはしょうがないよ」
「――――――」
「でもね、んと、あなた、お名前は?」
「―――――ニキ」
「ニキは、妹や弟はいる?」
ゆっくりと腰を落とし、ニキと目線をあわせながら訪ねると、ニキは小さくこくりとうなずいた。
「ダーがいる」
そうして、ゆっくりとニキは、弟でね、ダーって呼ぶとね、笑ってね、でもね、すぐ泣くし、夜もお利口さんに寝てくれないの。
と、たどたどしくも、教えてくれた。
そんなニキに私は笑いかけつつ、大変だね、とまた、頭を撫でながら答え、
「ニキは、ダーが新しくお家に来た時、うれしかった?」
「うん!おとうとおかあは、大変だって言ってたけど、でも、うれしかったっ」
「そっかぁーじゃぁ、今の私とおんなじだね」
ふふっと笑いいうと、ニキはまた、こてんと首を傾げた。
「おんなじ?」
「そう、おんなじ。だって、新しい家族が増えたらうれしいでしょ?」
「ニキ、巫女さまと家族?」
「そうだよ。ここにいるみんな、私にとっては家族と一緒だよ。だから、大変なことがあっても、私は全然嫌じゃないよ――――――ニキは?今までと違うところに住むことになって大変でしょ?いやだった?」
「嫌じゃないっ!!だって、巫女さまのところに来たら、ハンターのこと気にしなくっていいもんっ!!」
「じゃぁ、やっぱり、おんなじだね」
私も、みんなが来てくれてうれしかったから。
よしよし、と最後にニキの頭を撫でて立ち上がると、なぜだかドワーフの奥様方が涙を流していました。
えーっと・・・・・・。
すすり泣く声に交じって、巫女さまは偉大だ、とか、さすが姫さまとか、なんか、聞こえてくるのですが、よし、ここは華麗にスルースキルを発動ということでっ!!
食事の支度もすんで、後は各々が戻ってきたら盛り付けという状態にまで整った。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
踏み台(王女)にも事情はある
mios
恋愛
戒律の厳しい修道院に王女が送られた。
聖女ビアンカに魔物をけしかけた罪で投獄され、処刑を免れた結果のことだ。
王女が居なくなって平和になった筈、なのだがそれから何故か原因不明の不調が蔓延し始めて……原因究明の為、王女の元婚約者が調査に乗り出した。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
おばさんは、ひっそり暮らしたい
蝋梅
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。
たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。
さて、生きるには働かなければならない。
「仕方がない、ご飯屋にするか」
栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。
「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」
意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。
騎士サイド追加しました。2023/05/23
番外編を不定期ですが始めました。
召喚聖女に嫌われた召喚娘
ざっく
恋愛
闇に引きずり込まれてやってきた異世界。しかし、一緒に来た見覚えのない女の子が聖女だと言われ、亜優は放置される。それに文句を言えば、聖女に悲しげにされて、その場の全員に嫌われてしまう。
どうにか、仕事を探し出したものの、聖女に嫌われた娘として、亜優は魔物が闊歩するという森に捨てられてしまった。そこで出会った人に助けられて、亜優は安全な場所に帰る。
神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします
夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。
アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。
いわゆる"神々の愛し子"というもの。
神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。
そういうことだ。
そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。
簡単でしょう?
えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか??
−−−−−−
新連載始まりました。
私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。
会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。
余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。
会話がわからない!となるよりは・・
試みですね。
誤字・脱字・文章修正 随時行います。
短編タグが長編に変更になることがございます。
*タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。
冤罪で殺された聖女、生まれ変わって自由に生きる
みおな
恋愛
聖女。
女神から選ばれし、世界にたった一人の存在。
本来なら、誰からも尊ばれ大切に扱われる存在である聖女ルディアは、婚約者である王太子から冤罪をかけられ処刑されてしまう。
愛し子の死に、女神はルディアの時間を巻き戻す。
記憶を持ったまま聖女認定の前に戻ったルディアは、聖女にならず自由に生きる道を選択する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる