異世界聖女召喚(仮)

如月 桜

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28.別にアイツに言われたからじゃない

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 目が覚めた時は、いつものようにノアのふかふかの毛皮に包まれていた。
【起きたか】
「―――――――あぁ、おはよ、ノア」
【うなされていたぞ】
「あー・・・・・・うん、うなされるだけのことではあったとは思う」
【何かあったのか?】
「あったようななかったようなって感じです。でさぁ、ノア、すっごく唐突なんだけどさぁ、ガラゴさんとレイネさんとライネルさんと話がしたいから、朝一番に呼んでくれるかなぁ?朝食食べながら話したいから、こっちにご飯運んでもらって」
【わかった】
 そういうとすぐに伝言を伝えに行くために身動きのしやすい人の姿へと変わり部屋を出て行く。
 もちろん、その際に、いつものようにほっぺをぺろりと舐めるのは忘れない。
 最近、ノアはライオンの時だけじゃなく、人の姿の時も舐めるようになってきたんだよねぇ・・・・・・。そろそろ、一言いうべきなのだろうか、と本気で悩むところではありが、完全に自分もなれてきている&周りに人たちもなれてしまっていて、さらには、生暖かいような、なぜかほほえましいものでも見るような目で見られてしまうと、何も言えなくなっていたりする・・・・・・。






 朝食が完成するのと同時にガラゴさんとレイネさんとライネルさん、そして、ライネルさん付きでディアンがやってきた。
 最近、ライネルさんはだいぶ耳が遠くなってきたから、という理由で、獣人族を束ねる仕事の大半をディアンに行わせるようにしているらしい。なので、今日もディアンを伴ってやってきた。
 まぁ、耳が遠くなった、っていう割にははっきりと受け答えができてるから、どちらかというと、庭いじりというなの、畑仕事をしたくなったんだろうなぁ、と個人的には見ている。
 屋敷の前庭の畑で、よく、草いじりをしているのを見ているから・・・・・・。
 もう少し、住環境がととのってきたら、食に関するために畑を作ったりしようと思ってるから、それまでは前庭で草いじりをするだけで我慢してもらうしかないな。
「ごめんね、朝早くから呼び出して」
 それぞれ仕事もあることだし、食事をしながら軽く話したいの、というと、いつものようにお祈りをして食べ始めることになった。
「それで、呼び出された理由を聞いても」
 と、レイネさんが口火を切ってくれました。
 ありがとうございます。
 と、心の中で感謝をしつつ、私は口を開いた。
「単刀直入に聞きます。あなた方の仲間で、奴隷としてあちらへと置き去りにしてきた方はいらっしゃいますか」
 大きく息を吸って、そう問いかけると、すぐさま反応をしたのは年若く腹芸のできないディアンだった。
 かたりと音を立て、ディアンが持っていたフォークが皿の上に落ちた。
 それが、真実だった。
「やはり、いらっしゃるのですね」
 そう静かに問うても、彼らは答えはしない。
 彼らは、奴隷というものから逃げてきたものだから。
 いや、ドワーフの方々は違うだろうけど、ハーフエルフのレイネさんや、獣人のライネルさんやディアンは奴隷にならなくてもいいように、と逃げ回り続けていたのだから。
 安住の地を見つけ、逃げ出したことへの後ろめたさ。
 おいてきた仲間たちへの後悔。
 そのどちらもが彼らにはあるだろう。
「教えてください。彼らは今、どこにいるのですか?」
 セイは言った。
 獣人族は、常に世界の情勢を調べまわっていると。
 ハーフエルフたちは、風の声を聴き、世界の情勢を知っていると。
 そんな彼らが自らの同胞の動向を知らないわけがない。
 だからこそそう聞いた。
 返事が返ってこないこともわかっている。
「あー、なぁ、姫さんよ」
 それまで静かにパンをほおばっていたガラゴさんが、言いにくそうに、それでも口を開いた。
「姫さんはよぉ、こいつらの仲間のことを知って、どうしようって思ってんだ?」
「そうですね・・・・・・ありたいていに言えば、救えるのであれば、救いたい、というところですね。ただし、私にもできることとできないことがあります。例えば、すでに所有者のいる者たちは残念ですが、救うことはできないと思っています。現段階で、私には強制力のある力もなければ、権力もありませんので。ただ、もし、私の目の届く場所で、助けることのできる誰かがいるのならば、助けてあげたい、と思ったのです」
 別に、イムに言われたから奴隷を助けたいって思ったわけじゃない。
 この一か月、ここでみんなと暮らしていて、ふとした時に聞こえてくる彼らの会話の中から、ごくごく身近な相手が奴隷として連れていかれているということを何度も聞いたから。
 そう、彼らが話していたからであって、イムに言われたわけじゃない、決して、断固として違う。なので、イム、にやにや笑うな。
「確かに、誰かの所有物となっている奴隷を奪うことはできねぇな。まず、奴隷の輪のせいで、無理に連れだしても死んじまうからな。助け出せるとしたら、せいぜい、奴隷商人が売ってる奴隷だろうけど、それでも、アイツらだってそれで食い扶持稼いでるから、そう簡単に、ハイどうぞって渡してくれるわけじゃねぇぞ?」
「もちろん、それも理解しています――――――――なので、正攻法で攻めようと思います」
 にっこりと笑いながら言うと、ガラゴさんは口元をにやりと上げ、ライネルさんとディアン、レイネさんは、きょとりと首を傾げた。
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