異世界聖女召喚(仮)

如月 桜

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29.この世界の奴隷について勉強してみます

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 まず始めないといけないことは、それぞれの種族による奴隷に対しての認識の差を理解することからだった。
 まぁ、そのあたりは、それぞれの種族のまとめ役であるガラゴ、レイネ、ライネルとセルーシュに説明をしてもらった。
 言わずもがなだが、根本的な奴隷の被害者であるのはハーフエルフと獣人族だ。
 この二種は、おおむね愛玩用などという名目で、奴隷として売るために幼いころに連れ去らわれたりとすることが多いらしい。ごくまれに大きくなってから連れていかれることもあるらしいが、そういう場合は、たいてい借金のために身を売らなければならなくなった、という場合らしい。
 で、そのもっともたる被害者である二種以外はというと、ドワーフたちの間にも、多かれ少なかれ奴隷は存在しているらしい。
 とはいっても、ドワーフの国での奴隷というのは、他国の奴隷とは違って、何らかの理由でできた借金が返せなくなり、仕方なく身を売らなければならなくなった、という場合が大半の用だ。
 これはドワーフの気質というのも相まっているのか、人族などのように奴隷を侍らして権力を誇示し、他者に示すということが、ひどく嫌われ、忌むべきものらしい。権力を誇示したいのであれば、己の技術を磨き、それを示すべきだ、というなんとも職人気質な彼ららしい言い分だ。
 なので、ドワーフの国での奴隷、というのは低賃金で雇われている下級階層の者、だそうだ。
 低賃金とはいっても、最低限の衣食住は守ってもらえているらしい。そこは、ドワーフの国全体での決まり事らしく、それを破っているのところを見つかれば、国全体から厳しい罰を課せられ、さらに、雇い主であるドワーフは、世間様から“最低なやつ”というレッテルはられ、実質的に生活が立ち行かなくなるらしい。
 そんな危ない橋を渡るぐらいなら、と、ドワーフの国での奴隷は、他国よりもよっぽどいい扱いを受けているらしい。
 次に、扱いのいいところというと、魔族領らしい。
 魔族領の奴隷というのは、いわゆる“敗者”だそうだ。
 どういう意味で敗者なのかというと、彼ら世界は、実力主義だそうだ。
 どんなに技術が高かろうが、魔力が高かろうが、それに見合うだけの実践をする力がなければ意味がないらしい。なので、あそこの王は、世襲制ではないらしい。その時に一番実力のあるものが魔族領のトップに立つらしい。
 とはいっても、現在の王は、先代の王の孫らしいが。
 と、話がそれてしまった。
 魔族領の敗者が奴隷、というのは、生活するだけの実力がない、とみなされたものが、奴隷に似たそうな扱いを受けるらしい。
 ある程度の年齢に達すると、狩猟大会なるものに参加し、そこで最低限の実力を示さないと“敗者”と国がみなすらしい。とはいっても、一度で“敗者”とみなすのではなく、5年間様子を見、成長する気配もなく、生活をするだけの実力もないとみなされて初めて国のほうから“敗者”のレッテルが張られるらしい。
 そうなると、親元から離され、“敗者”が集まっている場所へと連れていかれるらしい。そこで、自分のことを養ってくれる主が来てくれるのを待つらしい。少しでも早く主となってくれる人に気に入られるようにと、そこでは、美容な芸術などを必死に学ばされるようで、“敗者”ではあるが、そこに集められた彼らは、魔族領の中で、右に出るものはいないというぐらいの、芸術と美貌を手にするらしい・・・・・・。
 まぁ、いろいろと突っ込みどころはあるけど、それはさておき、養ってくれるご主人様が現れると、“敗者”だった彼らは、養い親の家へと連れていかれ、そこで、一生、養い親の家から出ることができない代わりに、手厚い保護を受けるらしい。
 もともと、生活力がない、とみなされたものたちなので、食事から身の回りの世話まで、すべて養い親がしてくれるらしい。とはいっても、そんな彼らを養うだけの財力があるものたちなので、お手伝いさんとか、メイドさんとか、そんな感じの人たちがしてくれるらしい。
 もちろん、養ってもらっているので、賃金は発生しないので、彼らは死ぬまで自由を手にすることはないそうだ。
 とはいっても、魔族領における“敗者”の割合は相当少ないらしく、十数年に2~3人“敗者”がでたら多いほうらしい。
 なので、つい最近“敗者”が一人出たことは、とても珍しいことなのだと、セイが教えてくれた。
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