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煌めきの都
不本意な結婚 Ⅳ
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揺られる馬車から、窓の外を見やるマイャリス。
そこには、新たな住処となる土地の牧歌的な景色が広がっていた。
傾斜地は黒い岩がごろごろ、とした草地。標高がある程度高いから、冬場の積雪や雪崩で大きく木々が育たないのだろう。
その草地に、白い岩があるが、それはよくよく見れば動いている__羊の群れだった。
羊の数はかなりの数である。
その羊が白く輝いて見えるのは、空が近いからだろうか。抜けるような空がとても濃く、雲は近くまで降りてきていて、見る見る形を変えていく。
日差しは強いが、風は涼しい。まさに避暑地としては良い気候だ。
__でも、ここに住むのよね。
これからこの先、ずっと。
夏でこれほど涼しいのであれば、閉ざされる時期はどれほど寒いのだろう__否、寒かっただろう。
自分が幼少期にいた寄宿学校は、かなり下の方だったことをこのとき知った。
ふと、右手の薬指に触れる。そこに慣れぬ指輪は金色。__つい今しがた、嵌められたものである。
嵌めた者は隣に座り、反対側の窓の外を見やっている正装姿の男、リュディガー。彼の右手の薬指にも嵌められているものは、もう少し太いもの。
挙式は、マイャリスが予想していたとおり、とても質素だった。
こぢんまりとした教会で執り行われ、参列者は限られた使用人のみ。
マーガレットが用意してくれた衣装は華美すぎることはないはずなのに、それが少し派手に映えてしまうほどの規模で、彼女にも衣装にも申し訳無さを覚えてしまった。
ひっそりと隠れるように行われた挙式は、州侯の娘の挙式であるということを大きく触れ回らないためだから、と彼女にそれらしいことを言ってみたが、彼女は表情を曇らせるばかり。
そうした面もあるだろうことは、彼女は承知しているはずだ。事実、急襲を受けたのだから。だが、だからとってこれほど質素なものはいかがなものか、と内心憤りにも近い感情を消化できずにいるのだろう。
__これぐらいで、丁度いいのよ。
かつて同情からの厚意で求婚した相手に、雇い主の命で褒美として差し出され、婚姻せざるを得なかったのだから。
__彼にすれば、不本意極まりない結婚なのだもの。
挙式の後、乗り込んだこの馬車でも、彼は一切の会話をしない。だから、マイャリスも静かに座って揺られている。
少しばかり、教会へ向かい重厚な扉をくぐるまで、胸が高鳴っていた自分を反省しているのだ。
父も参列しないのであれば、彼の中に昔の部分がみえるのかも__そう思っていたから。
だが、彼は婚礼衣装を纏ったマイャリスを見てわずかに目を細めただけで、事務的に儀式ですべきことを淡々とこなしていった。
手をとって祭壇に向かうのも、誓いを立てるときも、指輪を交換するのも、薄衣をあげて口づけをするのも。
ぎゅっ、と指輪を嵌めた手を、戒めるように握り込むマイャリス。
「__止めてくれ」
その時、リュディガーが御者に声をかけ、馬車を止めさせた。
何事、と緊張しながら彼の様子を見守っていると、彼はマイャリスをそのままに振り向くこともせず、馬車から降りてしまった。
開け放たれた扉から、恐る恐る外を覗いてみる。
馬車は2台。後続の馬車には、マーガレットをはじめとした使用人が乗り込んでいる。そして、それぞれの前後を固めるのは、リュディガーが従える護衛。馬車と馬車の間で騎馬する黒い法衣を纏ったアンブラという側近と目が合い、軽く会釈をし、馬車からひとり離れていくリュディガーへと視線を移した。
彼はひとつの家屋へ向かっていった。
家屋とはいうが、それは今では人は住んでいないだろう、黒く焼けて朽ち果てかけたもの。似たような形の建物が4つ連なっているから、もとは長屋だったのだろう。
住む者も手入れする者もいなくなったので、草木はむやみやたらに生い茂ってしまって、穴の空いている屋根からは成長の早い木が頭を突き出してしまっている有様だった。
馬車が行く道をはさみ、そうした有様の家々が転々と続いているから、村だったのだろうことが伺い知れる。
__かなり前に、打ち捨てられた村。
何があったのだろう。
ただ打ち捨てられたにしては、煤けて崩れていように見受けられる家々ばかりだ。
マイャリスは胸がざわめいて、胸元を握りしめる。
リュディガーは近くの長屋にまっすぐ向かい、周囲を見渡しながら、そのかつて門だった崩れかけた木戸を避けるようにして踏み入った。
その向こうの前庭に大きな樹があり、それを見上げ、長屋のひとつに入っていく。
__どうしたのかしら……。
怪訝に待つことしばし、彼は出てきた。そして、大きな樹を見上げて手をのばす。そして、彼はマイャリスの方へとまっすぐ戻ってきた。
乗り込むと、出してくれ、と御者に命じ、再び馬車が揺れ始める。
「__ついでの視察だった。また改めて来てみなければならないが」
「そう、ですか」
まさか彼から説明されるとは思ってもみなかったから、マイャリスは緊張して微かに体を弾ませてしまった。
彼は徐に身にまとう正装の飾り袖をもちあげ、その袂に手を差し入れる。そこから赤紫の皮の実を取り出すので、マイャリスは目を見張った。
それは李だった。その数5つ。
そのうちひとつを、マイャリスに差し出すので反射的に受け取った。
__ずっと持っていた……? 挙式中も?
だが、何のために忍ばせていたというのか。
「__村は捨てられても、実はつけるらしい。当たり前だがな」
「……先程の、あの樹ですか」
無言で首肯する彼は、相変わらず感情の乏しい顔だった。
あの樹は李の樹で、見つけた実をもいできたということか。
しばしその実を見ていると、リュディガーはひとつ頬張るので、マイャリスもそれに倣う。
手入れもされていないはずだろうに、ほどよく甘く、そのあと口に広がる酸味が口の中をさっぱりさせてくれる。果汁も多く、美味しいものだった。
「__口にあったか?」
「ええ。美味しいです」
そうか、と短く言って、リュディガーは視線を断ち、窓の外をみやりながら再び齧りついた。
マイャリスは、李を見つめる視界の端でリュディガーを観察した。
『氷の騎士』と称される彼は、余計なことはしなさそうなのに、とマイャリスは内心怪訝に思ったのだ。
目についただけとはいえ、それをわざわざもいで戻ってきたのだろう。
__一応……良人になったから、伴侶を気遣って……?
リュディガーは、窓の外にやや顔を出して、アンブラを呼びつけた。そして、その傍らで、残りの李をマイャリスの膝の上に断りもなく乗せる。
驚いてマイャリスは顔を上げるが、彼は気にもとめずアンブラと何やらこの地域についての話を始めてしまい、声をかけることができない。
困りながら、マイャリスは反対側の窓の外を見た。
壁のように聳える山脈は、隣州との境界。その向こうに見える、雲にまどろむ飛び抜けて高い山は、帝国で一番高い山である。
それが徐々に、手前の壁のような山に隠れて見えなくなっていくのを見つめていると、やがて人家が増え始めた。
ハイムダル地方、ウルメン__マイャリス・ナハトリンデンの新天地である。
そこには、新たな住処となる土地の牧歌的な景色が広がっていた。
傾斜地は黒い岩がごろごろ、とした草地。標高がある程度高いから、冬場の積雪や雪崩で大きく木々が育たないのだろう。
その草地に、白い岩があるが、それはよくよく見れば動いている__羊の群れだった。
羊の数はかなりの数である。
その羊が白く輝いて見えるのは、空が近いからだろうか。抜けるような空がとても濃く、雲は近くまで降りてきていて、見る見る形を変えていく。
日差しは強いが、風は涼しい。まさに避暑地としては良い気候だ。
__でも、ここに住むのよね。
これからこの先、ずっと。
夏でこれほど涼しいのであれば、閉ざされる時期はどれほど寒いのだろう__否、寒かっただろう。
自分が幼少期にいた寄宿学校は、かなり下の方だったことをこのとき知った。
ふと、右手の薬指に触れる。そこに慣れぬ指輪は金色。__つい今しがた、嵌められたものである。
嵌めた者は隣に座り、反対側の窓の外を見やっている正装姿の男、リュディガー。彼の右手の薬指にも嵌められているものは、もう少し太いもの。
挙式は、マイャリスが予想していたとおり、とても質素だった。
こぢんまりとした教会で執り行われ、参列者は限られた使用人のみ。
マーガレットが用意してくれた衣装は華美すぎることはないはずなのに、それが少し派手に映えてしまうほどの規模で、彼女にも衣装にも申し訳無さを覚えてしまった。
ひっそりと隠れるように行われた挙式は、州侯の娘の挙式であるということを大きく触れ回らないためだから、と彼女にそれらしいことを言ってみたが、彼女は表情を曇らせるばかり。
そうした面もあるだろうことは、彼女は承知しているはずだ。事実、急襲を受けたのだから。だが、だからとってこれほど質素なものはいかがなものか、と内心憤りにも近い感情を消化できずにいるのだろう。
__これぐらいで、丁度いいのよ。
かつて同情からの厚意で求婚した相手に、雇い主の命で褒美として差し出され、婚姻せざるを得なかったのだから。
__彼にすれば、不本意極まりない結婚なのだもの。
挙式の後、乗り込んだこの馬車でも、彼は一切の会話をしない。だから、マイャリスも静かに座って揺られている。
少しばかり、教会へ向かい重厚な扉をくぐるまで、胸が高鳴っていた自分を反省しているのだ。
父も参列しないのであれば、彼の中に昔の部分がみえるのかも__そう思っていたから。
だが、彼は婚礼衣装を纏ったマイャリスを見てわずかに目を細めただけで、事務的に儀式ですべきことを淡々とこなしていった。
手をとって祭壇に向かうのも、誓いを立てるときも、指輪を交換するのも、薄衣をあげて口づけをするのも。
ぎゅっ、と指輪を嵌めた手を、戒めるように握り込むマイャリス。
「__止めてくれ」
その時、リュディガーが御者に声をかけ、馬車を止めさせた。
何事、と緊張しながら彼の様子を見守っていると、彼はマイャリスをそのままに振り向くこともせず、馬車から降りてしまった。
開け放たれた扉から、恐る恐る外を覗いてみる。
馬車は2台。後続の馬車には、マーガレットをはじめとした使用人が乗り込んでいる。そして、それぞれの前後を固めるのは、リュディガーが従える護衛。馬車と馬車の間で騎馬する黒い法衣を纏ったアンブラという側近と目が合い、軽く会釈をし、馬車からひとり離れていくリュディガーへと視線を移した。
彼はひとつの家屋へ向かっていった。
家屋とはいうが、それは今では人は住んでいないだろう、黒く焼けて朽ち果てかけたもの。似たような形の建物が4つ連なっているから、もとは長屋だったのだろう。
住む者も手入れする者もいなくなったので、草木はむやみやたらに生い茂ってしまって、穴の空いている屋根からは成長の早い木が頭を突き出してしまっている有様だった。
馬車が行く道をはさみ、そうした有様の家々が転々と続いているから、村だったのだろうことが伺い知れる。
__かなり前に、打ち捨てられた村。
何があったのだろう。
ただ打ち捨てられたにしては、煤けて崩れていように見受けられる家々ばかりだ。
マイャリスは胸がざわめいて、胸元を握りしめる。
リュディガーは近くの長屋にまっすぐ向かい、周囲を見渡しながら、そのかつて門だった崩れかけた木戸を避けるようにして踏み入った。
その向こうの前庭に大きな樹があり、それを見上げ、長屋のひとつに入っていく。
__どうしたのかしら……。
怪訝に待つことしばし、彼は出てきた。そして、大きな樹を見上げて手をのばす。そして、彼はマイャリスの方へとまっすぐ戻ってきた。
乗り込むと、出してくれ、と御者に命じ、再び馬車が揺れ始める。
「__ついでの視察だった。また改めて来てみなければならないが」
「そう、ですか」
まさか彼から説明されるとは思ってもみなかったから、マイャリスは緊張して微かに体を弾ませてしまった。
彼は徐に身にまとう正装の飾り袖をもちあげ、その袂に手を差し入れる。そこから赤紫の皮の実を取り出すので、マイャリスは目を見張った。
それは李だった。その数5つ。
そのうちひとつを、マイャリスに差し出すので反射的に受け取った。
__ずっと持っていた……? 挙式中も?
だが、何のために忍ばせていたというのか。
「__村は捨てられても、実はつけるらしい。当たり前だがな」
「……先程の、あの樹ですか」
無言で首肯する彼は、相変わらず感情の乏しい顔だった。
あの樹は李の樹で、見つけた実をもいできたということか。
しばしその実を見ていると、リュディガーはひとつ頬張るので、マイャリスもそれに倣う。
手入れもされていないはずだろうに、ほどよく甘く、そのあと口に広がる酸味が口の中をさっぱりさせてくれる。果汁も多く、美味しいものだった。
「__口にあったか?」
「ええ。美味しいです」
そうか、と短く言って、リュディガーは視線を断ち、窓の外をみやりながら再び齧りついた。
マイャリスは、李を見つめる視界の端でリュディガーを観察した。
『氷の騎士』と称される彼は、余計なことはしなさそうなのに、とマイャリスは内心怪訝に思ったのだ。
目についただけとはいえ、それをわざわざもいで戻ってきたのだろう。
__一応……良人になったから、伴侶を気遣って……?
リュディガーは、窓の外にやや顔を出して、アンブラを呼びつけた。そして、その傍らで、残りの李をマイャリスの膝の上に断りもなく乗せる。
驚いてマイャリスは顔を上げるが、彼は気にもとめずアンブラと何やらこの地域についての話を始めてしまい、声をかけることができない。
困りながら、マイャリスは反対側の窓の外を見た。
壁のように聳える山脈は、隣州との境界。その向こうに見える、雲にまどろむ飛び抜けて高い山は、帝国で一番高い山である。
それが徐々に、手前の壁のような山に隠れて見えなくなっていくのを見つめていると、やがて人家が増え始めた。
ハイムダル地方、ウルメン__マイャリス・ナハトリンデンの新天地である。
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