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81話 助けて…
しおりを挟むちょっと、…ちょっと待って。
父が母や私たち家族を愛してたですって?
私たち全員を守るために犠牲になっていたですって…?
そんな、そんなことって…⁉︎
だって、ちょっと待って。
私がこんなに何度も人生をやり直しているのは
絶望を何度も味わっていたのは
家族を壊れさせたのは
その原因の源は全部全部
…父だと思っていたのよ!
お母様を愛さずに家に帰らなかった父のせいじゃない!
でもその父も犠牲者だったなんて…
そんな!
じゃあ、じゃあ最大の敵は、私の家族全員の敵は隣国の、この目の前にいる人たちなんじゃない‼︎
…許せない…許せない!
よくも不幸のどん底に何度も何度も叩き落としてくれたわね!
そんな国、絶対に行くもんですか‼︎
…でも、…でも、この人の話だと、今の女帝がひどくて国民が大変なことになってるのよね…
みんなそれぞれ絶望があって、みんなそれぞれどうにかしたくて、あがいてるのね…
そんな…そんな…
どうしたらいいの。結局みんな悪いようでみんな悪くなくて…
じゃあ悪いのは今の女帝なの?
本当にそうなの?
今の女帝がいなくなればいいの?
私が女帝になれば本当にみんな幸せになるの?
でも反対に追い落とされる女帝やその周りの人たちはどうなるの?
私がいなくなったら、私を愛してくれるリンドはどうなるの?
リンドも私も悲しくても、私は行かないといけないの?
わからない、わからない、わからない…
リンド…どうしたらいい?
私どうしたらいい?
誰かのために生きたら、誰かを犠牲にしてしまう…
わからない…助けて…
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