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episode6 ~佐倉麻美side~
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私は久保倉竜士の声に振り返り、睨み付けた。
私は元々目付きが悪い方だから
普段から無表情にならないように気を遣っているが、
今回はわざと睨み付けた。
久保倉竜士は夏菜ちゃんに向けていた視線を私に一瞬向けると、
少し苦笑して立ち去っていった。
周りを見ると大宮君も、藤崎君も、真姫ちゃんも皆、
私と同じように振り返り、久保倉竜士に厳しい視線を送りつけていた。
大宮君が夏菜ちゃんの背中をよしよしとさすると、
それまで笑顔だった夏菜ちゃんも気付かないふりをやめて、
眉尻を下げて困ったように微笑んだ。
夏菜ちゃんは声には出さず口だけ動かす。
大丈夫。
そして、ゆっくり振り返った。
久保倉竜士を見つめるその切ない表情が痛かった。
私は無意識に夏菜ちゃんに抱きついた。
夏菜ちゃんがいつもより小さく見えて消えてしまいそうだった。
夏菜ちゃんはどうしたの?と言うように
夏菜ちゃんのお腹に回った私の手をポンポンと優しく叩いた。
夏菜ちゃんはその手を急に止めて私の腕を外した。
申し訳なさそうに笑う。
私はそのとき、夏菜ちゃんが感じていた不安にまだ気付いていなかった。
「麻美!トイレいくよ!」
初めて真姫ちゃんにトイレに誘われた。
それは夏菜ちゃんの私の気持ちを確認するような誘い方ではなく、
真姫ちゃんの一緒に行きたいと言う気持ちを真っ直ぐ伝えてくるものだった。
私はそれがすごくくすぐったく感じた。
あんなに毛嫌いされていた真姫ちゃんに誘われたことや
真姫ちゃん自身が私と一緒に行動したいと思ってくれていることが
ストレートに伝わってきて嬉しかったからだ。
「うん!行こう!」
私がそう言って席をたつと、真姫ちゃんは嬉しそうに腕を絡ませてきた。
今まで誰かと腕を組むことなんて無かったから新鮮で少し恥ずかしかった。
その日から私は真姫ちゃんに気を遣うことも遠慮することもなくなり、
ものすごく仲良くなった。
真姫ちゃんは初めは見た目の影響や噂のこともあって、
気が強くてクールなイメージしかなかったが、
一緒にいるときさくで面白く、とても甘えん坊だった。
ことあるごとに腕を絡ませてきたり、抱きついてきたり、
まるで妹や後輩からなつかれてるようなそんな感覚だった。
今までにない感覚に私は少しだけ舞い上がっていた。
私は元々目付きが悪い方だから
普段から無表情にならないように気を遣っているが、
今回はわざと睨み付けた。
久保倉竜士は夏菜ちゃんに向けていた視線を私に一瞬向けると、
少し苦笑して立ち去っていった。
周りを見ると大宮君も、藤崎君も、真姫ちゃんも皆、
私と同じように振り返り、久保倉竜士に厳しい視線を送りつけていた。
大宮君が夏菜ちゃんの背中をよしよしとさすると、
それまで笑顔だった夏菜ちゃんも気付かないふりをやめて、
眉尻を下げて困ったように微笑んだ。
夏菜ちゃんは声には出さず口だけ動かす。
大丈夫。
そして、ゆっくり振り返った。
久保倉竜士を見つめるその切ない表情が痛かった。
私は無意識に夏菜ちゃんに抱きついた。
夏菜ちゃんがいつもより小さく見えて消えてしまいそうだった。
夏菜ちゃんはどうしたの?と言うように
夏菜ちゃんのお腹に回った私の手をポンポンと優しく叩いた。
夏菜ちゃんはその手を急に止めて私の腕を外した。
申し訳なさそうに笑う。
私はそのとき、夏菜ちゃんが感じていた不安にまだ気付いていなかった。
「麻美!トイレいくよ!」
初めて真姫ちゃんにトイレに誘われた。
それは夏菜ちゃんの私の気持ちを確認するような誘い方ではなく、
真姫ちゃんの一緒に行きたいと言う気持ちを真っ直ぐ伝えてくるものだった。
私はそれがすごくくすぐったく感じた。
あんなに毛嫌いされていた真姫ちゃんに誘われたことや
真姫ちゃん自身が私と一緒に行動したいと思ってくれていることが
ストレートに伝わってきて嬉しかったからだ。
「うん!行こう!」
私がそう言って席をたつと、真姫ちゃんは嬉しそうに腕を絡ませてきた。
今まで誰かと腕を組むことなんて無かったから新鮮で少し恥ずかしかった。
その日から私は真姫ちゃんに気を遣うことも遠慮することもなくなり、
ものすごく仲良くなった。
真姫ちゃんは初めは見た目の影響や噂のこともあって、
気が強くてクールなイメージしかなかったが、
一緒にいるときさくで面白く、とても甘えん坊だった。
ことあるごとに腕を絡ませてきたり、抱きついてきたり、
まるで妹や後輩からなつかれてるようなそんな感覚だった。
今までにない感覚に私は少しだけ舞い上がっていた。
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