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13 誰でしょう?
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「エレン!こんな所にいたのか!!心配したんだぞ?少し背が伸びたか?」
体の隅々まで、見てくる男性に固まってしまう。
この人は、エレンを知っている。誰?
「おい!イスンやめないか!彼女はチズル。エレンじゃ無いだろ、よく見ろ!」
リュカがイスンを千鶴から引き離すが、その手を振りほどき再び千鶴を抱きしめた。
「そんなはずないだろ!エレンだ!この顔、この声…やっと、会えた俺の妹だ!なっ!覚えているか?兄さんだぞ?エレン?」
どうしよう、エレンのお兄さんなんだ。本当の事を言ったらいいかな?でもーーチロッとペガを見たら首を横に振っていた。
ペガには、千鶴が考えているのが分かったようだ。
「エレン?」
「ごめんなさい、私は千鶴って言います。その、エレンって名前では無いんですけど…」
「・・・本当にエレンじゃないのか?確かに髪色も瞳もエレンとは違うーーーそうか…すまなかった。」
抱きしめていた手を離し、暗い顔で謝るイスンに本当の事を伝えたかったが、今はまだその時ではない。そう感じた。
気まずい空気が流れ、解体していた親方がリュカにコソリと「終わったぜい」と伝えた。
代金を受け取り、千鶴もお肉を分けて貰ったが沈んだ表情のイスンが気になり「あの、食事を一緒にしませんか?」と誘ってみた。驚いた表情のイスンだったが、優しく微笑みながら「あぁ」と返事を返した。イケメンの笑顔半端ない!!!
その笑顔にグラッときたが、千鶴は平常心を装い「先に受付に行ってるので終わったら来て下さい!」と話すのがやっとだった。
それがイスンには分かってしまったようで、クスリと笑われてしまったのを千鶴は知らなかった。
その横でふてくされているリュカは、「ほら、いくぞ。」ぶっきらぼうにイスンの頭をコツンとしながら千鶴の所へ向かう。
「なんだ?どうかしたのか?」
「別に」
ブスーとしているリュカにイスンは、首を傾げる。
『ププ、リュカはお父さんだもんね』ペガに馬鹿にされ、更にイライラしたのは言うまでもない。
「エレンのお兄さん、そんな事まで話せなかったからな・・・」
エレンと色々話す時間なんて無かった。どういう事情があったのか知らない。
「あれ?お兄さんって事は、もしかしてーーー」
光の一族?でも、最後の生き残りって言われたのに、お兄さんがいたらおかしいよね?あれ?
千鶴は、訳が分からなくなった。
とりあえず、話を聞けばいいか。と受付で待ってると、リュカとイスンがやってきた。長身の2人はとても目立っていた。
よく見たら、イスンも“白銀”のペンダントをしておりマジマジと見ていたらイスンと目が合いニコリと笑いかけられた。
ボッと顔が赤くなるが、目を逸らしながら食事所へ移動する。といっても、宿屋に付いている居酒屋だけどね。
2人は並んで歩いているけど、本当に仲良しなんだな。
楽しそうに話しているのを見ると、美来を思い出す。心配してるよね、急にいなくなったから。
懐かしく思い出していると宿屋に着いた。
空いてる席に座ると、メニューをもらい何にしようか考える。
2人は決まったようで肉肉ステーキを頼んでいる。
私はそんなに食べれないから、小さい肉ステーキにした。
「しかし、本当にソックリだ。チズルちゃんは、どこからきたんだい?」
ちゃんって、まだ妹と同じ幼く見えてるのね。
「千鶴でいいです。それと、私は20歳です。」
早口で言ったら、「見えないよなー俺らの1個下だぜ?」リュカがすかさず言うもんだから、ギロっと睨んで見た。またこいつは、余計な事を。
「はは、それは失礼した。チズルはどこ出身なんだ?」
「……物心ついた時から、バーと住んでたんでそれ以外は分からないです。」
「バー?」
これは、バーと作った設定。そうすれば怪しまれないって言ってたのに・・・めっちゃくちゃ怪しんでますけど!!
「バファイ師だよ。ソウ・バファイ。知ってるだろ?」
リュカが、出された料理を切り分けながらイスンに教える。
「ソウーーバファイ・・・えっ!?まだ健在なのか!?」
「そうみたいだな。竜涎国の手紙に名前が書いてあったから間違いない。」
「竜涎国、それなら頷ける。チズルは、バファイ師の弟子なのか?」
「へ?違いますよ、一緒に暮らしてただけで。バーが何者か知らないですし」
「「なに!?」」
千鶴の言葉に2人はガタリと席を立った。そして、捲し立てながらバーについて語ってきたけど。えっ?そんなに凄い人だったの?
「バファイ師は、この国の英雄なんだぞ!?」
「そうだ!妖精から力を借りる方法を見つけたのもバファイ師なんだ!!」
「そ、そうなんですねーー」
熱く語り始めたので、とりあえず聞き流しながら食事をする事にしました。
熱い内に食べないとね。
「ーーであるから、って!チズル!!なぜ呑気に食事してるんだ?!」リュカに突っ込まれたけど。バーはバーだもん。
「あっ、先に頂いてます。」
「そうじゃないだろぅ!!バファイ師についてだな、」
「あっ、結構です。冷めない内にどうぞ」
「・・・・・」
素っ気ない態度にリュカは、諦めて食事を始めた。
イスンも静かに食べ始めた。
(やっと、静かになった。食事は静かに食べないと、っ硬い!何でこのお肉硬いのよ!)
小さい割に硬いお肉を切るのに苦戦していると、気付いたイスンが「貸してみなさい」と変わりに切り分けてくれた。
「ぅわ~簡単に切れてる。ありがとうございます!」
「このお肉はコツがいるんだよ?」
「そうなんだ、勉強になりました」
(勉強になるな~お兄ちゃんありがとう!)
「・・・エレン」
「ん?」
「いや。何でもない」
(ふ、小さい頃は色々教えたら喜んでたな。しかし、こんなに似ているのに本当にエレンじゃないのか?髪と瞳は違うが…ん?魔法で変えている?うっすらと魔法を感じるがーーエレンは、銀髪に青い目。それだけで目立ってしまう。物心ついた時からバファイ師と一緒にいるとしたら、もしかして?記憶を消された?調べなくてはーーー)
イスンが妹のエレンだと疑っているのを千鶴は、知る由もなかった。
◇
「はぁ~小さいステーキでも、お腹にたまるなぁ」
「チズルは、小さいからもっと食べた方がいいぞ?」
「…でた、お節介お父さん」
「また!お節介は余計だ!」
お父さんはいいのか?とツッコミを我慢するペガ。
「あはは、ではおやすみなさい」
「あぁ、おやすみーーーーーーエレン」
ボソリと呟くイスンの声は千鶴には聞こえなかったが、隣にいたリュカにか聞こえていた。
「イスン・・・お前」
「分かってる。妹じゃない。だが、ゼロとは限らないだろ?あんなに似ているんだ、しかも髪と瞳を変えてまで」
「…部屋に入ろう」
イスンの気持ちは、痛いほど分かる。
白銀になったのも盗賊に家を襲われた時に妹を連れ去られたからだ。それからずっと妹を探しいる。
その時の妹は11歳ぐらいだったと聞いた。周りが分かるぐらいの年になる。チズルが言っていた話と重なってしまったんだろう。
「よく、変えているのが分かったな。」
扉を閉めて、イスンに話かけると何やら考えているようだ。
「魔法を感じた。エレンの髪は、銀髪に青い目をしている。珍しい色だからバファイ師が変えたと思うんだ。それに、小さい頃を覚えていないと言う。もしかしたら、バファイ師が」
「記憶を封じた」
コクリと頷くイスンに、リュカは「確かにそれも考えられるな」と同感した。
「でもよ?チズルは、浄化が使えたぜ?」
「浄化だと?」
「あぁ、インリンは分かるだろ?」
「受付の死のインリンか?」
「そうだ。そのインリンが死者に気に入られ呪いをかけられてたが。チズルが浄化したんだ。」
「!!?」
「それとーーー」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「いや。何でもない。竜涎国に行く気みたいだが、イスンはー」
「もちろん、一緒に行くさ」
「だろうな。じゃあ、また明日ここで落ち合おう」
ガシっと腕を交わして、部屋からイスンが出て行く。
扉が閉まるのを確認してボソリと呟いた。
「“私を殺して”って言ってたのはイスンには言えないな」
もし、本当にエレンなら盗賊に酷い事をされたかもしれない。辛い事があったんだと思うが、確証は無いのでイスンを困らせる事は無いと話さなかった。
宿の外で、千鶴をエレンだと確信しているイスンは、妹のそばにいよう。と誓ったのだった。
体の隅々まで、見てくる男性に固まってしまう。
この人は、エレンを知っている。誰?
「おい!イスンやめないか!彼女はチズル。エレンじゃ無いだろ、よく見ろ!」
リュカがイスンを千鶴から引き離すが、その手を振りほどき再び千鶴を抱きしめた。
「そんなはずないだろ!エレンだ!この顔、この声…やっと、会えた俺の妹だ!なっ!覚えているか?兄さんだぞ?エレン?」
どうしよう、エレンのお兄さんなんだ。本当の事を言ったらいいかな?でもーーチロッとペガを見たら首を横に振っていた。
ペガには、千鶴が考えているのが分かったようだ。
「エレン?」
「ごめんなさい、私は千鶴って言います。その、エレンって名前では無いんですけど…」
「・・・本当にエレンじゃないのか?確かに髪色も瞳もエレンとは違うーーーそうか…すまなかった。」
抱きしめていた手を離し、暗い顔で謝るイスンに本当の事を伝えたかったが、今はまだその時ではない。そう感じた。
気まずい空気が流れ、解体していた親方がリュカにコソリと「終わったぜい」と伝えた。
代金を受け取り、千鶴もお肉を分けて貰ったが沈んだ表情のイスンが気になり「あの、食事を一緒にしませんか?」と誘ってみた。驚いた表情のイスンだったが、優しく微笑みながら「あぁ」と返事を返した。イケメンの笑顔半端ない!!!
その笑顔にグラッときたが、千鶴は平常心を装い「先に受付に行ってるので終わったら来て下さい!」と話すのがやっとだった。
それがイスンには分かってしまったようで、クスリと笑われてしまったのを千鶴は知らなかった。
その横でふてくされているリュカは、「ほら、いくぞ。」ぶっきらぼうにイスンの頭をコツンとしながら千鶴の所へ向かう。
「なんだ?どうかしたのか?」
「別に」
ブスーとしているリュカにイスンは、首を傾げる。
『ププ、リュカはお父さんだもんね』ペガに馬鹿にされ、更にイライラしたのは言うまでもない。
「エレンのお兄さん、そんな事まで話せなかったからな・・・」
エレンと色々話す時間なんて無かった。どういう事情があったのか知らない。
「あれ?お兄さんって事は、もしかしてーーー」
光の一族?でも、最後の生き残りって言われたのに、お兄さんがいたらおかしいよね?あれ?
千鶴は、訳が分からなくなった。
とりあえず、話を聞けばいいか。と受付で待ってると、リュカとイスンがやってきた。長身の2人はとても目立っていた。
よく見たら、イスンも“白銀”のペンダントをしておりマジマジと見ていたらイスンと目が合いニコリと笑いかけられた。
ボッと顔が赤くなるが、目を逸らしながら食事所へ移動する。といっても、宿屋に付いている居酒屋だけどね。
2人は並んで歩いているけど、本当に仲良しなんだな。
楽しそうに話しているのを見ると、美来を思い出す。心配してるよね、急にいなくなったから。
懐かしく思い出していると宿屋に着いた。
空いてる席に座ると、メニューをもらい何にしようか考える。
2人は決まったようで肉肉ステーキを頼んでいる。
私はそんなに食べれないから、小さい肉ステーキにした。
「しかし、本当にソックリだ。チズルちゃんは、どこからきたんだい?」
ちゃんって、まだ妹と同じ幼く見えてるのね。
「千鶴でいいです。それと、私は20歳です。」
早口で言ったら、「見えないよなー俺らの1個下だぜ?」リュカがすかさず言うもんだから、ギロっと睨んで見た。またこいつは、余計な事を。
「はは、それは失礼した。チズルはどこ出身なんだ?」
「……物心ついた時から、バーと住んでたんでそれ以外は分からないです。」
「バー?」
これは、バーと作った設定。そうすれば怪しまれないって言ってたのに・・・めっちゃくちゃ怪しんでますけど!!
「バファイ師だよ。ソウ・バファイ。知ってるだろ?」
リュカが、出された料理を切り分けながらイスンに教える。
「ソウーーバファイ・・・えっ!?まだ健在なのか!?」
「そうみたいだな。竜涎国の手紙に名前が書いてあったから間違いない。」
「竜涎国、それなら頷ける。チズルは、バファイ師の弟子なのか?」
「へ?違いますよ、一緒に暮らしてただけで。バーが何者か知らないですし」
「「なに!?」」
千鶴の言葉に2人はガタリと席を立った。そして、捲し立てながらバーについて語ってきたけど。えっ?そんなに凄い人だったの?
「バファイ師は、この国の英雄なんだぞ!?」
「そうだ!妖精から力を借りる方法を見つけたのもバファイ師なんだ!!」
「そ、そうなんですねーー」
熱く語り始めたので、とりあえず聞き流しながら食事をする事にしました。
熱い内に食べないとね。
「ーーであるから、って!チズル!!なぜ呑気に食事してるんだ?!」リュカに突っ込まれたけど。バーはバーだもん。
「あっ、先に頂いてます。」
「そうじゃないだろぅ!!バファイ師についてだな、」
「あっ、結構です。冷めない内にどうぞ」
「・・・・・」
素っ気ない態度にリュカは、諦めて食事を始めた。
イスンも静かに食べ始めた。
(やっと、静かになった。食事は静かに食べないと、っ硬い!何でこのお肉硬いのよ!)
小さい割に硬いお肉を切るのに苦戦していると、気付いたイスンが「貸してみなさい」と変わりに切り分けてくれた。
「ぅわ~簡単に切れてる。ありがとうございます!」
「このお肉はコツがいるんだよ?」
「そうなんだ、勉強になりました」
(勉強になるな~お兄ちゃんありがとう!)
「・・・エレン」
「ん?」
「いや。何でもない」
(ふ、小さい頃は色々教えたら喜んでたな。しかし、こんなに似ているのに本当にエレンじゃないのか?髪と瞳は違うが…ん?魔法で変えている?うっすらと魔法を感じるがーーエレンは、銀髪に青い目。それだけで目立ってしまう。物心ついた時からバファイ師と一緒にいるとしたら、もしかして?記憶を消された?調べなくてはーーー)
イスンが妹のエレンだと疑っているのを千鶴は、知る由もなかった。
◇
「はぁ~小さいステーキでも、お腹にたまるなぁ」
「チズルは、小さいからもっと食べた方がいいぞ?」
「…でた、お節介お父さん」
「また!お節介は余計だ!」
お父さんはいいのか?とツッコミを我慢するペガ。
「あはは、ではおやすみなさい」
「あぁ、おやすみーーーーーーエレン」
ボソリと呟くイスンの声は千鶴には聞こえなかったが、隣にいたリュカにか聞こえていた。
「イスン・・・お前」
「分かってる。妹じゃない。だが、ゼロとは限らないだろ?あんなに似ているんだ、しかも髪と瞳を変えてまで」
「…部屋に入ろう」
イスンの気持ちは、痛いほど分かる。
白銀になったのも盗賊に家を襲われた時に妹を連れ去られたからだ。それからずっと妹を探しいる。
その時の妹は11歳ぐらいだったと聞いた。周りが分かるぐらいの年になる。チズルが言っていた話と重なってしまったんだろう。
「よく、変えているのが分かったな。」
扉を閉めて、イスンに話かけると何やら考えているようだ。
「魔法を感じた。エレンの髪は、銀髪に青い目をしている。珍しい色だからバファイ師が変えたと思うんだ。それに、小さい頃を覚えていないと言う。もしかしたら、バファイ師が」
「記憶を封じた」
コクリと頷くイスンに、リュカは「確かにそれも考えられるな」と同感した。
「でもよ?チズルは、浄化が使えたぜ?」
「浄化だと?」
「あぁ、インリンは分かるだろ?」
「受付の死のインリンか?」
「そうだ。そのインリンが死者に気に入られ呪いをかけられてたが。チズルが浄化したんだ。」
「!!?」
「それとーーー」
「なんだ?まだ何かあるのか?」
「いや。何でもない。竜涎国に行く気みたいだが、イスンはー」
「もちろん、一緒に行くさ」
「だろうな。じゃあ、また明日ここで落ち合おう」
ガシっと腕を交わして、部屋からイスンが出て行く。
扉が閉まるのを確認してボソリと呟いた。
「“私を殺して”って言ってたのはイスンには言えないな」
もし、本当にエレンなら盗賊に酷い事をされたかもしれない。辛い事があったんだと思うが、確証は無いのでイスンを困らせる事は無いと話さなかった。
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