愛し子は鈍感で、愛に気付きません。

momo6

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24 竜涎国ギルド

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広場の近くに立派な建物のギルドがあった。
ギルドは、街の収益にもなるからどの国も立派な造りで目立つようにしてると教えてもらった。

確かにこれならすぐ分かる。
中に入ると人の列に驚く。街中にあれだけ人で溢れていたから考えればわかる事だけど、色んな人がいるんだと見渡してしまう。
獣耳や角が生えた人や背が低かったり、長身だったり・・・あの耳は!!?まさか!!
「エルフ!!」
ヤバっ、興奮して声に出ちゃったよ。周りの人もえっ?って顔で見てるし。穴があったら入りたい。
ーーーん?何故か皆んなの視線が上なんだけど?

「おいっ白銀が2人もいるぞ?」
「マジかよ!よく見せろ!」
「初めて白銀のツーショット見たぜ!!」

皆んなの視線は、イスンとリュカでした。
そうだった。この2人って白銀だったね、忘れてたよ。
おかげさまで一目見ようと集まった人集りに潰される寸前。
150センチの身長が憎い。

「大丈夫か?」
リュカが千鶴に気付き抱き上げた。
「わっわっ!おろして!大丈夫だよー!!」
「チズルはチビだからな、このまま受付に行くぞ」

はははと笑いながら周りなど気にしていないリュカは、ずんずん進んでいく。
視線は千鶴に集中したのは言うまでもない。
飛び交う声に「誰だあの子供は?」と聴こえてきたが、恥ずかしさでそれどころでは無かった。
イスンは鋭い眼光でヒソヒソ話す輩を睨み黙らしていた。千鶴が知ったら怖いと震える事だろう。

「ほら、受付に着いたぞ」
「ぁりがとぅ」恥ずかしさで真っ赤な顔になりながら小声でお礼を言う。
(照れてる、可愛い!)
リュカがキュンときたのは言うまでもない。


「どのようなご用件でしょうか?」
「えっと、住居と店を経営できる場所をさがしているんですが。出来れば人通りがある所をお願いします」
「畏まりました。予算はどれくらいでしょうか?」
「安いのから高いのを教えてください。相場が分からないので」
そう答えると、受付嬢は書類を探しに席を立つ。

「では、こちらが最安値。こちらが最高値になります。」
値段と建物のかかれた図面を見せられ、拝見すると安くても1000万近い金額に目が眩むが普通に考えたらそんなものだよなと思う。
最高値など億を超えたもので無理だと速攻で判断する。
「最安値でこれは、高いな。」
一緒に見ていたイスンが紙を見ながら教えてくれた。
実は、平均で最安値といったら200万~500万だと言う。さすがに竜涎国は盛んなだけあり、高い様だ。

「いまの私の財力だと、最安値しか買えないな。あの!ローンとか…月々の返済でも購入は可能ですか?」
「可能ですが、失礼ですがランクはいくつでしょうか?」
「ランク?あぁ、冒険者カードのね。はい、まだFです」
「誠に申し上げにくいのですが、Bランクの方からしか月々の返済は認められておりません。」

受付嬢が申し訳ないと言ったが、確かにそれもそうだと納得する。ランクは信用も表している。
一番下のランクだと信用はゼロに等しいからだ。
ランクを上げないと無理なんだと諦めようとしたら「俺が保証人になる。それなら問題ないだろ?どの道一緒に住むから俺名義でもいいしな。」
イスンが身分証を提示してくれた。
「えっ?お兄ちゃんに迷惑かけられないよ」
「大事な妹の為だ。気にするな」
「はい。大丈夫です、白銀様なら問題ありません。」
「ありがとう」

ニコっと笑い、イスンが手続きをしてくれたのでさっそく実物を見に行く事にした。
図面や場所を見て、中央の広場から近い三ヶ所に絞ると案内人がやってきた。

「初めまして、案内人を努めますシュルツです。以後お見知り置きを」
「よろしくお願いします」
シュルツと名乗る男性は、ニコニコしながら三ヶ所の案内をしてくれた。

1軒目は、意外にも外見がゴテゴテしておりパッと見、趣味が悪かった。建物は小さめで庭も狭いのによくわからない銅像が並び…夜見たら怖くて叫びそうだ。

2軒目は、程よい外見で周りの建物と馴染んでいた。庭もそこそこ広く可愛らしい感じ。中に入ると広いリビングに台所も使いやすそう。二階には、部屋が3つあり十分。

3軒目は、最安値の割に広かった。建物が平屋で店舗と住居が別の建物になっていた。実際にお店だった様で作りも理想だった。住居もリビングに寝室が2部屋で客間が1部屋だが、しっかりした造りで好感が持てる。

全て見て終わると理想に近いのは3軒目だった。
一階がお店で二階が住居とも考えだが、別でもいいと思ったのが3軒目。
詳しく話を聞いて、リフォームした際に増築する場合は、申請すれば問題ないと言われお店を広くする時の対処法も聞けたから、購入する事にした。
と言っても、支払いはローンだけどね。

ギルドに戻り手続きをすると、手付け金を支払うと言われ戸惑う。予定の金額より多かったからだ。
イスンがスッと立て替えてくれたので事なきを得たが、持っていた分を先に支払うと言っても受け取って貰えなかった。
「それは、必要な時に取っておきなさい。これは新居祝いだ」

そう言って、やんわりと断られてしまった。
優しさに甘えてしまった。この恩は必ず返さなくては。
名義はイスンになってしまったが、ローンをするのにはそうする他なかった。

全ての手続きが終わり鍵を貰った時には既に外は暗くなってきていた。
毎月の支払いを考えると、大変だがこれも自分の為。
よし!早くお店が開ける様に準備しなくては!

グッと手に力を入れて、購入した家に向かう。
隣にはイスンとリュカもいるから安心出来る、大切な私の家族。
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