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良き嫁ぎ先
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短いですが一区切りですので。
◇
この国の皇帝は恐ろしい。
なんでも、とても残虐で冷酷。
気に入らないことがあれば首を刎ねてしまうような暴君。
後宮の妾たちはすっかり怯えてしまって、引きこもっているそうだ。
半強制的に嫁がされた妾たちは生贄と呼ばれ、それは酷く同情されているだとか…
妾が怯えるために皇帝は伴侶を選ぶことができずに、30という歳で子供はゼロだ。閨を共にしているかも怪しい。
…ってこれ、すごくチャンスなのでは。
後宮に入れば、お金はきっともらえるだろうし、引きこもっているだけでいいのだから。
お母さんの面倒は弟に任せるとして、お金に困ることはないだろう。
これでも一応、貴族だし…後宮の妾は常に募集していたはずだ。
このままあんなブラックなところで働いても、変わらない!
現世の私が抜け出せなかった分…この世界では少し自由に生きてみたい。
◇
「あの、皇帝陛下に嫁ぎたくまいりました」
「ほう、どこの家の出で?」
嫁ぐ、と言う実感があまりないのだが、面接みたいだ。
「柊です。貧しくはありますが、陛下の少しでも支えになりますよう、精一杯努力します」
「柊か…まあ良いでしょう。後宮には人が足りておりません。荷物はそちらの方でまとめになられますか?」
「え、えぇ!すぐに準備ができると思います。」
「それなら、今日中にはどうでしょう?」
おぉん、唐突だな!社会人もびっくりのスピード感だ。
今日中か…いつでもいいとは言ったけれど…まあとにかく、お金のためだし仕方ない。
住むところが変わっただけで、帰れないことはないだろうし。
弟に少しだけお世話を頼んで、お母さんに話そう。
◇
この国の皇帝は恐ろしい。
なんでも、とても残虐で冷酷。
気に入らないことがあれば首を刎ねてしまうような暴君。
後宮の妾たちはすっかり怯えてしまって、引きこもっているそうだ。
半強制的に嫁がされた妾たちは生贄と呼ばれ、それは酷く同情されているだとか…
妾が怯えるために皇帝は伴侶を選ぶことができずに、30という歳で子供はゼロだ。閨を共にしているかも怪しい。
…ってこれ、すごくチャンスなのでは。
後宮に入れば、お金はきっともらえるだろうし、引きこもっているだけでいいのだから。
お母さんの面倒は弟に任せるとして、お金に困ることはないだろう。
これでも一応、貴族だし…後宮の妾は常に募集していたはずだ。
このままあんなブラックなところで働いても、変わらない!
現世の私が抜け出せなかった分…この世界では少し自由に生きてみたい。
◇
「あの、皇帝陛下に嫁ぎたくまいりました」
「ほう、どこの家の出で?」
嫁ぐ、と言う実感があまりないのだが、面接みたいだ。
「柊です。貧しくはありますが、陛下の少しでも支えになりますよう、精一杯努力します」
「柊か…まあ良いでしょう。後宮には人が足りておりません。荷物はそちらの方でまとめになられますか?」
「え、えぇ!すぐに準備ができると思います。」
「それなら、今日中にはどうでしょう?」
おぉん、唐突だな!社会人もびっくりのスピード感だ。
今日中か…いつでもいいとは言ったけれど…まあとにかく、お金のためだし仕方ない。
住むところが変わっただけで、帰れないことはないだろうし。
弟に少しだけお世話を頼んで、お母さんに話そう。
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