スローライフ 転生したら竜騎士に?

梨香

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第五章 カザリア王国へ

2  エドアルド皇太子とマゼラン卿

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 カザリア王国のヘンリー国王とエリザベート王妃には、エドアルド皇太子しか子供はいない。しかし、エドアルドは竜騎士の素質に恵まれていたし、健康だし、頭脳も明晰で皇太子として何一つ問題は無かったので、重臣達は不安を感じていない。

 先のイルバニア王国のフィリップ王子のように身体が弱かったり、竜騎士の素質に恵まれなかったら大騒ぎしていただろう。

 イルバニア王国の同盟締結の特使の先発隊が船で出航した頃、カザリア王国の首都ニューパロマにある王宮では、エドアルド皇太子と教育係のマゼラン卿が話し合っていた。

「エドアルド皇太子殿下、くれぐれもユーリ嬢に失礼の無いようにして下さい。彼女との縁談を申しこんでいますが、各国からも申込みが殺到しているみたいですから」 

 エドアルドは流行の長髪を後ろで括るという髪型にしようと、髪を伸ばしている途中だが、長さが足りないのでバラけてしまう。顔にかかった金髪を鬱陶しそうに後ろに流すと、青い瞳をキラリと輝かせる。

「マゼラン卿、各国からの申込みなどと誤魔化さなくても良いのに。イルバニア王国のグレゴリウス皇太子がユーリ嬢に恋しているのだろ?」

 カザリア王国もユーリにグレゴリウス皇太子がぞっこんだとの情報ぐらい事前に入手していた。

「ご存知でしたか、なら話が早いですね」

 エドアルド皇太子の教育係のマゼラン卿の本来の仕事は、外務大臣だ。本来は皇太子の教育係は内務大臣がするのだが、高齢なので同じ年頃の息子を持つマゼラン卿が兼任していた。

「皇太子殿下、何故、ユーリ嬢との縁談を申し込んだのかわかりますか?」

 エドアルドはまたマゼラン卿の悪い癖が出たと溜め息をつく。自分を皇太子として鍛えたいのだろうと、諦めて質問に答える。

「第一の理由は竜騎士の後継者を得る為だろ? イルバニア王国も竜騎士の後継者が不在の時期に、ローラン王国から攻められた。まぁ、そのローラン王国も竜騎士の後継者に苦労して、庶子のルドルフを王妃が産んだと言い切って皇太子に据えているけどな」

 エドアルドの声の苛立ちに、マゼラン卿もゲオルク王のコンスタンス皇太子妃への理不尽な非難を思い出す。

「コンスタンス皇太子妃は離婚されるのか? 産んだ王子達が竜騎士の素質を持たないからと、ゲオルク王が離婚しろと言ったと聞いたが……」

 マゼラン卿も腹を立てているが、鉄仮面の異名を持つだけに、微塵も考えを顔に出さない。

「ゲオルク王は離婚だと騒いでおられますが、ルドルフ皇太子はコンスタンス妃を離婚なさるつもりは無いとシェパード大使から報告を受けてます」

 ふ~うっと、エドアルドはお淑やかな従姉のコンスタンスが離婚されないのだと安堵の溜め息をついた。

 マゼラン卿はシェパード大使がルドルフ皇太子は離婚する意志は無いが、ゲオルク王の言いなりなので心配している事は伝えなかった。今はイルバニア王国の特使随行として、ニューパロマに来るユーリを口説き落とすことに集中して欲しかったからだ。

「他にも理由がありますが、わかりませんか?」

 エドアルドは少し考えて、まぁあれかな? と話し出す。

「イルバニア王国との同盟は我が国としても締結したいが、国内の旧帝国復活派はゲオルク国王に同調する馬鹿者もいる。中立派を説得するのに、何か自国に有利な条件を盛り込みたいって感じかな?」

 マゼラン卿は良く理解していると頷いた。

「絆の竜騎士であるユーリとの婚姻は、カザリア王国からの条件の一つではあります。しかし、イルバニア王国とて女性の絆の竜騎士をやすやすと嫁がせるはずがありません」

 エドアルドは髪を括りなおして、わかっていると笑った。

「父上からも、ユーリ嬢を口説き落とすよう厳命を受けた」

 エドアルドは王族として生まれ育っていたので、国益になる婚姻をするのに抵抗感は持っていない。それに隣国の皇太子殿下の思い人を口説くという冒険にわくわくしている。

 エドアルドはイルバニア王国から贈られたユーリの竜との肖像画を手に取って眺める。

「この絵はロマンティックで美しいな、この絵の半分でも美しければ口説きがいがあるのだけど……どの程度、真実に近いのかな?」

 エドアルドはマゼラン卿に問いかける。

「さぁ、この手の肖像画は少し割りまして描かれているものですから……」

 少し落胆したエドアルドに、マゼラン卿は本気で口説き落として欲しいので、ユーリの新しい情報を教える。

「ケストナー駐在大使からユーリ嬢の立太子式での社交界デビューの様子が報告されてきましたが、とても美しい令嬢だと書いてありましたね」

 落胆して頬杖を付いていたエドアルドは『とても美しい令嬢』と聞いて期待を持つ。政略結婚をする覚悟はあるが、できれば容姿も美しい令嬢の方が好ましい。

「花の都、恋愛の都、ファションの都の令嬢なんだものなぁ~」

 浮かれすぎだとマゼラン卿は厳しい情報も知らせる。

「グレゴリウス皇太子と見事な舞踏会の口切りのダンスを披露されたそうです。グレゴリウス皇太子はユーリ嬢が他の相手と踊っているのに割り込みをかけられたとも報告されてますから、かなり夢中のご様子ですなぁ」

 ライバルの存在はまだ見ぬ相手との恋心も刺激して、エドアルドは自分が嫉妬を感じるのに驚く。

「それで、ユーリ嬢は皇太子殿下に好意を持っていると報告に書いてあったか?」

 温厚なエドアルドの苛ついた声に、少し驚いたマゼラン卿は、青春ですなぁと苦笑する。

「いえ、グレゴリウス皇太子殿下はあきらかにユーリ嬢に恋心をお持ちのご様子ですが、同級生として接しておられたそうです。大使はまだユーリ嬢に意中の方はいらっしゃらないのではと推測しておりました」

 報告書には『まだ、精神的には子どもの域、恋愛には興味がない、恋愛音痴』とユーリの乙女らしい外見に騙されず、しっかりと外交官として冷徹な観察がなされていた。

 マゼラン卿はエドアルドの仄かな恋心に水をさすのを遠慮して、やんわりとお子様だと伝える。

「では、まだチャンスはあるわけだな」

 カザリア王国も竜騎士の素質を持つ人材の確保に苦労しているので、女性で絆の騎士のユーリは魅力的な結婚相手だ。

 マゼラン卿は皇太子が恋の勝者になるように祈った。

 その後は、イルバニア王国の特使に随行するメンバーのチェックになった。

 実質的な責任者の外務次官マッカートニー卿、皇太子殿下の指導の竜騎士ジークフリート卿、ユージーン卿、あと見習い竜騎士のフランツ卿と説明は続く。

「マッカートニー卿、ジークフリート卿、ユージーン卿は何年も同盟締結を求めて王宮を訪問してますから、顔はご存知でしょう」

 エドアルドは頷いて、ジークフリート卿の格好が良い髪型や優雅な振る舞いを思い出す。

「ジークフリート卿かぁ……イルバニア王国一の色男と呼ばれているが、彼がグレゴリウス皇太子の指導の竜騎士なのか?」

 マゼラン卿は自分の息子のハロルドといい、エドアルドといい、ユングフラウの流行を追って髪の毛をのばしているのに批判的だ。しかし、長髪を後ろで括る髪型は昔から有るし、年配の宮廷人などはその髪型だ。

『問題はこの流行がユングフラウ発だということだ。髪型自体は流行り廃りで、私の若い頃は短髪が流行っていたし、あの頃は長髪で後ろで括るのが年寄り臭く思えた』

 マゼラン卿は短髪の方が好みだ。

「エドアルド皇太子、中途半端な長髪は見苦しいですよ。スパッとお切り下さい」

 エドアルドは前にもそう言われて切ったから、中途半端な長さなのだと膨れる。

「やっと括れるようになったんだ、今は長髪が流行なのだから切らないぞ」

 息子も長髪なので、強くは言えないと苦々しい思って、話を進める。

「ジークフリート卿は派手な女性関係ばかりに注目されていますが、手練れの外交官です。ユージーン卿は筆頭公爵家の嫡男に相応しい優れた能力を持ってます。フランツ卿はユージーン卿の弟で、リューデンハイムで皇太子とユーリ嬢の同級生として幼い時からの学友です」

 ざっくりと随行員の説明を聞いたエドアルドは、やはり同年代のメンバーに注目する。


「皇太子殿下はご学友のユーリ嬢とフランツ・フォン・マウリッツを同行なさるのか……ちぇッ、イルバニア王国には竜騎士が多いんだよなぁ」

 エドアルドはイルバニア王国が旧帝国から分裂した三国のうち、一番多くの竜と竜騎士を抱えているのを嫌でも思い出す。

「イルバニア王国の竜騎士はリューデンハイムで寮生活をしながら、勉強や武術、竜の飛行訓練をします。彼等は幼い時から、寮で寝起きを共にするので、竜騎士になっても繋がりが強いみたいです」

 カザリア王国は若い見習い竜騎士は少なく、竜騎士育成学校のウェスティンでは同じ年ごろの見習い竜騎士の学友がいなかった。エドアルドは学科や武術は選ばれた貴族の子弟とパロマ大学で学んでいた。

「ユーリ嬢とフランツ・フォン・マウリッツは従兄だと聞いている。皇太子殿下とは恋仲でなくても、彼とはどうなのだろ? 彼等はリューデンハイムでユーリ嬢と一緒に勉強しているのだろ? 確か、寮で寝起きしてるんだな」

 若い年頃の男女が一緒に寝起きすると想像するだけでドキドキしてしまうエドアルドの言葉を、マゼラン卿はあっさりといなす。

「ただの同級生ですな。フランツ卿とユージーン卿は、ユーリ嬢の結婚相手にはなれませんからご安心下さい。彼らはマウリッツ公爵家からは従兄ですし、フォン・アリスト家からはハトコで血が濃すぎます」

 その言葉に少し聞き覚えのある家名が引っかかったエドアルドは、ややこしいユーリの両親の駆け落ち騒動を思い出した。

「確かユーリ嬢の両親は駆け落ちしたんだよな。マウリッツ公爵家のロザリモンド姫と見習い竜騎士のウィリアム卿だったか……」

 マゼラン卿は自分の若い時に起こった大スキャンダルを思い出して苦笑する。パロマ大学生だったマゼラン卿は、外国の姫と見習い竜騎士の駆け落ちをロマンチックだと憧れる同級生と激論を交わしたのだ。

「あれは当時は大醜聞でしたな」とだけコメントして先に進もうとする。

「うん? 駆け落ちしたウィリアム卿は竜騎士隊長のマキシウス・フォン・アリスト卿の息子だったと聞いたが……? だからこそ、竜騎士の誓いを破って姫と駆け落ちしたのが大醜聞になったのではないのか? 何故、ユーリ・フォン・フォレストなのだ」

 見習い竜騎士と姫君の駆け落ちという話から前に進まないと、マゼラン卿はざっくりと説明する。

「竜騎士の誓いに背いたから大醜聞になった訳ではありません。ロザリモンド姫はローラン王国のゲオルク皇太子と縁談があったのに、見習い竜騎士と駆け落ちしたのが大醜聞になった理由です」

 エドアルドは、それは大醜聞だと笑った。

「あの傲慢なゲオルク王がユーリ嬢の母親に振られたのか!」

「笑い事ではありません。ゲオルク王は身体の弱いフィリップ王子が竜騎士の素質を持たないのを見越して、イルバニア王国の王位継承権を要求しようと若い頃から野心を燃やしていたのです」

 コンスタンス姫をルドルフ皇太子妃として娶ったのに、カザリア王国と国境紛争を続けて鉱山を取られたのを思い出し、エドアルドも笑うのを止めた。

「ゲオルク王は誇大妄想狂では無いのか? 旧帝国を再建するとか、勝手にほざいてろ! あれっ? フォン・フォレスト? 旧帝国の歴史で反乱を起こした一族の名前がフォン・フォレストではなかったか? それに何故ユーリ・フォン・アリストでは無いのだ? ウィリアム卿はアリスト卿の息子だろ?」

 マゼラン卿は自分の教育しているエドアルドが良い記憶力を持っているのを喜んだ。

『さっきの、何故、ユーリ・フォン・フォレストなのか? との質問をゲオルク王の方へ導いて逸らしたのに、覚えておいでだったか……』

 しかし、説明しにくい話なので気づかないでくれたら良かったのにとも思う。

「皇太子殿下のご記憶の通り、旧帝国で反乱を起こしたフォン・フォレストの一族のモガーナ・フォン・フォレスト様とマキシウス卿の結婚は反対するものが多かったみたいですね。アルフォンス国王はすぐには婚姻許可が出せなかったそうです。だから、ユーリ嬢の父親はフォン・フォレストを名乗っておられたのです。ユーリ嬢はロザリモンド姫から王家の血を引いていらっしゃるので、結婚相手として不足はないでしょう」

 エドアルドはざっくりした説明に、マゼラン卿があまり自分に知らせたくない情報を隠しているのだと思う。

「フォン・フォレスト……旧帝国の全盛期に反乱を起こしたのに、何故一族は生き残ったのだろうか? 私は歴史を習っている時も不思議に思い教授に質問したが、はっきりとした答えは貰えなかった。皇帝が慈悲深かったとか、フォン・フォレストの一族の美姫に惚れていたとか、有り得ないだろう。反乱が起きた時の皇帝は、国土を全大陸に拡大した武帝アウレリアスなのに、足元の反乱を許すなんて変だ」

 勉強家の皇太子殿下の言葉に頷きながらも、誰も真実を知らないのですよと呟く。

『フォン・フォレストの魔女。ユーリ嬢の祖母モガーナ・フォン・フォレストの噂は本当なのだろうか? まことしやかに噂される、フォン・フォレスト家が帝国建国前に存在したとされている魔王国シンの末裔だから、その血統を残す為に一族惨殺を免れたのだというのは、どれくらいの真実を含んでいるのだろう?』

 皇太子にそれは謎ですなといなして、マゼラン卿はフォン・フォレストにも密偵を派遣する必要を感じた。
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