乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる

アミ100

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転変

第106話 林間学校②

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「わあ……」

目的地に着くと、そこには対岸が見えないほど巨大で、太陽を反射し煌めいている湖が姿を現した。

「おりゃっ!!」

「あっしまった!!」

「キャッ水が!」

と同時に、水辺で釣り竿を湖に垂らし、各々格闘している生徒たちがいた。

ジークが湖に感嘆したのか、大量の生徒の姿にドン引いたのかは不明である。強いて言えば両方だろうか。

「予想はしてたけど、予想以上だね。」

「こんなに人がいたら魚がいても逃げちゃうよね……」

「……うん、実際逃げてるね。」

私は元素視で確認する。魚そのものが見えるわけではないが、魚を始め何らかの物体があれば、相対的に水元素が薄くなり影となるため、おおよその位置はつかめる。

「それで、ここからどうするの?……ってまさか……」

私は湖へ向け手をかざす。

「場所はあの辺がいいな。イメージは……そうだな、間欠泉。」

私は自身の位置から50mほど先に魔法陣を展開する。

そして次の瞬間……

ドゴォォォ!!!!

「わあ!?」
「なんだ!?」
「おお~」

魔法が発動されると、発動地点から勢い良く水が噴き出し、直径10 m、高さ5 mほどの柱を作った。

「魚は……ちゃんと出てきたね。」

噴き出した水とその周囲には、魚と思しき影が多く確認できた。

「よっと」

私は水の柱を影を掬うようにうまく動かしながら回収し、余分な水はなるべく間引いてから自分の前方上空まで持ってきた。

「ごめん、皆一旦避けてもらっていい??」

私が声をかけると、そこまで唖然として様子を見ていた他の生徒たちが、我に返ったようにわらわらと避けていった。

「うーん……地面に落とすのは良くないか……」

私は生徒が逃げて空いた空間に固体化した水で直方体の水槽を作った。

ザバーーン!!

そこに魔法を解除して地面に魚が大量に含まれた水の塊を解き放つ。

なるべく水は減らしたつもりだったが、思ったより量があり、水槽から溢れた水が飛沫となって大量に飛んでくる。濡れちゃった人ごめん。

「うおーすっげー!!」
「これ何匹いるんだ!?」

若干の想定外もあったが、トータル30匹ほどの中くらいの魚が空中の水槽の中を漂っている。

「一丁あがり。」

「わあさすが~」

ジークがニコニコ顔でつぶやく。

それにしても、想定よりだいぶ魚の数が多い。遠巻きで大きさがよくわからなかったから多めに獲ったが、一人1匹あれば充分なサイズだな……

まあ少なくとも元気な個体に関しては戻してしまってもいいのだが。

「ね、ねえ!」

すると、一連の流れを見ていた生徒に声をかけられる。

「ん?どうしたの?」

「その魚、僕らにも分けてくれないかな!」

その男子生徒は手を合わせ、深く頭を下げる。

「ああ、まあいいけ」

「いいけど、取引にしない?魚を分けてあげるから、代わりに野草とかきのこちょっと分けてよ!」

私が返答しようとすると、ジークが割り込んできた。

「あ、うん!もちろん!えっと……魚2匹欲しいんだけど、どれくらいで交換してくれる?」

男子生徒は近くに置いてあった山菜が入ったかごを差し出した。

「うーんそうだな……じゃあ、これくらいでどう?」

ジークはかごの中から野草ときのこを1掴みずつ取り出す。等価交換にしてはかなり少ない量だ。

「え、そんなんでいいのか?」

「うん!どうせこんなにいっぱい食べきれないしね。カナもそれでいいでしょ?」

「うん、もちろん。」

「ありがとう!」

「じゃあ……はい、これ。」

私は水槽から2匹水ごとすくい上げ、手元まで持ってきた。

「何か入れるもの持ってる?」

「ああ、バケツがあるよ!」

私は男子生徒が取り出したバケツに水ごと魚を入れた。

「ほんとにありがとう!じゃあまた!」

そういうと、男子生徒はキャンプ場の方へ戻っていった。

「あの、カナさん!私も交換お願いしていい?」

「えっと、僕も!」

すると、他の生徒たちがぞろぞろと集まってきた。

「うん、いいよ。」

こうして、湖畔での物々交換会が始まった。
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