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優位なのは
しおりを挟む「クロヴィス様、ご相談があるのですが聞いていただけますか?」
エステルは最近「悩み」や「相談」と言ってはクロヴィスに接近している。
邪魔者だったリリーはもういない。顔を見せる事さえ許されていない忘れられた哀れな女に成り果てたと噂されてから傍に行きたくてたまらなかった。
今はその絶好のチャンスで、天が自分に味方し始めたと思えた。
「あの、クロヴィス様は本日大変お忙しい状況ですので……」
ただ一つ気に入らないのはコレットの存在。
リリーがいなくなったのはいいが、その代わりにコレットがクロヴィスの傍にいるようになった。
フランソワから言わせればコレットは『運よく貴族に引っかかっただけの男爵の家柄』らしく、そのため他の令嬢達より低い姿勢でものを言うが、エステルはそれがまた気に入らなかった。
リリーのように上から目線で突っかかってくる女であれば『酷い事を言う』とか『突き飛ばされた』と嘘をつけるのだが、腰が低く控えめなコレットにそれらの嘘をついたところで誰にも信じてはもらえないだろう。ましてやセドリックに信用されているとなれば余計にだ。
男に気に入られているエステルがセドリックが傍に置いている女と問題を起こしたとなればセドリック親衛隊は集団でエステルを潰しに行くだろう事ぐらいエステルには容易に想像がついた。
そんな面倒をこの場で起こそうとは思わなかった。ドア一枚隔てた向こうに目的のクロヴィスがいるのだから。
「相談もしてはいけないのですか?」
大きな瞳を潤ませながら今にも泣きそうなか弱い少女を演じた。
「そ、そういうわけではないのですが……」
「私、本当に悩んでて……。悩みや困りごとがあればすぐに言うようにと言ってくださったんですっ」
「そ、そうでしたか……」
コレット・アルナルディーは気が弱いという噂は本当だったと顔を覆う両手の下でニヤリと笑った。
「で、ですが今日は本当にお忙しく……」
エステルは思わず舌打ちしそうになった。
気が弱いならさっさと道を譲ればいいのに必要以上にドアを開けようとしない。これでは隙を見て中に入る事も出来ない。
「コレット様はリリー様の代わりに?」
「はい」
「そうですよね。よかった」
「よかった?」
安堵の表情を見せるエステルにコレットは首を傾げた。
「いえ、クロヴィス様がリリー様をお忘れになられているのを良い事にコレット様は自分が後釜に収まろうとしているという噂があったものですから」
「え……」
「もちろん私は否定しましたよ! コレット様はお傍に居られないリリー様の代わりに小間使いとして居るだけだって」
「小間使い……」
無邪気な笑顔を作るのは得意。悪意などないと思わせる迫真の演技。これが通じなかったのはリリー、リアーヌ、フランソワだけ。コレットは信じても信じていなくてもどっちでもいい。気の弱い女が何を思い、何を言おうと人生経験は自分の方が上だと確信しているため対処法は山のように頭の中にあった。
「コレット様がクロヴィス様に好意を抱いていると言う人もいたんですけど、私は信じていません。だって好意を抱いていながら元婚約者の代わりに傍にいるって厚かましくないですもんね。男爵令嬢がそんな最低なことするわけないって私は言ってるんですけど噂好きな方って何でも誇張して言いますから皆それを信じちゃうんですよね」
気の弱い人間は揺さぶりにも弱い。隠し事も嘘も下手。側近には向いていないタイプだが、エステルにとっては最高に都合のイイ相手。
「リリー様の今のお心を思うととても辛いですが、コレット様が奉仕の精神で小間使いをされているのを見て素晴らしいお方だと確信しました」
まるで呼吸をするように嘘をつくエステルの言葉で本音なのは『小間使い』だけ。
コレットはクロヴィスが好きという噂を流したのはエステルだとすぐにわかった。だからリリーの傍に寄っているのを見た時も『自分と同じ人間』だと確信した。だが仲間にはしない。自分とコレットは違う。
男爵という爵位持ちで、気の強い令嬢が多い中でコレットは品性と慎ましやかさを持つ令嬢故に隠れ人気が高かった。
何もしていないのに人気を得て、ただ〝気が弱い〟のを〝控えめ〟と言って人気を取るコレットにエステルは嫌悪さえ抱いていた。
「リリー様とクロヴィス様こそお似合いの二人ですから、クロヴィス様には早く思い出していただきたいですね」
「え、ええ……そうですね」
この反応こそ揺るがない証拠だとエステルは内心鼻で笑っていた。
———浅ましい女。
「お忙しいようでしたらまた出直しますね」
「ありがとう、ございます……」
先制攻撃が終了し、満足したエステルは笑顔を見せて帰る事にしたが、コレットの後方から聞こえた足音に顔を俯かせた。
「誰と話をしているんだ?」
「クロヴィス様!」
なかなか対応を終えない事に疑問を感じたクロヴィスがドアを引くとエステルは一瞬の隙を見てクロヴィスの胸に飛び込んだ。
「え、エステル様!」
「エステル嬢か。どうかしたのか?」
大きな動揺を見せるコレットと一切の動揺を見せないクロヴィス。
何事かと見下ろせば顔を上げたエステルの潤んだ瞳と目が合い、何かあったのだと思わせる。
「コレット様が帰れと……クロヴィス様にご相談したい事があると言っただけで門前払いのようにダメだとおっしゃられて……ッ」
一瞬でコレットを悪役に仕立てるエステルはもう一度胸に顔を埋めて笑顔を浮かべ、久しぶりに感じるクロヴィスの匂いに恍惚とした表情に変わっていく。
「コレット嬢、彼女は通してやってくれ」
「わ、私そんなに強く言っては———」
「私がいけないんです! 私がコレット様はリリー様の代わりと言ったから気分を悪くされたんです。ごめんなさい!」
コレットが釈明しようとするのをエステルは大きな声を出す事で阻止した。クロヴィスから離れて深く頭を下げる事で責める事も釈明も出来ないようにした。
「相談があると言ったな?」
「はい」
「入れ」
エステルが隣を通りすぎる際、コレットは確かに聞いた。
「身の程を弁えなさいよ」
悪魔のように小さく嘲笑うエステルの声を。
「クロヴィス様、ご相談の前に一つ質問させていただいてもよろしいでしょうか?」
「何だ?」
椅子に腰かけたエステルの言葉にクロヴィスは腕を組みながら顔を向ける。
「何故コレット様をお傍に?」
「過保護な護衛のせいで巻き込まれているだけだ」
「ではクロヴィス様がお望みになられたわけではないと?」
「ああ。彼女は親切心で世話を焼いてくれている」
クロヴィスではなくセドリックが決めた事かと納得すれば横目でコレットを見た。
あからさまに元気を失いながらも紅茶の準備を始める姿は笑ってしまいそうなほどおかしかった。
「でも何故急にセドリック様の代わりを? 今までそのような方は置かれていなかったのに」
「医者が暫くは一人にならない方がいいと言ったのを真に受けて過保護が独り歩きしている」
「私がしましたのに」
「勉強があるだろう」
クロヴィスの正論にエステルは返す言葉もなかった。救済枠で入った生徒は必ず〝結果〟を出さなければならない。貴族の名門校を優秀な成績で卒業したとなれば未来も明るい。
出身で未来を諦める必要はないと作られた救済枠。そこから入学したからには結果を出す。出せなければ退学という厳しいシステムは軽く勉強して軽い気持ちで受けようものなら翌日にでも荷物をまとめて帰らなければならないほど難しい。
救済枠の生徒にとって此処は学生生活を楽しむ場ではなく未来を掴むための場。
ジュラルド王に言われた言葉もエステルの中には残っている。その息子であるクロヴィスも当然同じ考えだった。
「近々テストがあるが、それは大丈夫なのか?」
「はい」
エステルにとってクロヴィスは狙うべき本命だが、クロヴィスにとってエステルは〝可愛い女子生徒〟ではなく〝救済枠の生徒〟というものでしかない事が直に伝わってきて悔しかった。
「リリー様は最近どうなされていますか?」
「さあな。男漁りでもしているのだろう」
「そんなっ、クロヴィス様より素敵な男性はいません。それなのに他の男性に心を寄せるなんて……リリー様がそのような方だったとはガッカリです」
クロヴィスは一点を見つめたまま返事をしなかった。
頭に浮かぶはあの時のリリーの表情。
———何を言おうとしていた? あの時なにを———
「クロヴィス様?」
少し大きめのエステルの声に意識を戻される。
「でも不思議ですね。リリー様の事だけ忘れるなんて。クロヴィス様はリリー様を愛していたように見えましたのに、実際はそうでもなかったという事でしょうか?」
「大事だからこそという考え方は出来ませんか?」
紅茶を運んできたコレットの言葉にエステルが向けた顔には「は?」と書いてあった。言葉として出せば低音で不愉快そうな感じだろうと容易に想像がつくその表情をコレットは視界の端に映すだけで直視はしなかった。
「大事なら覚えているのでは? 嫌な事だから記憶の底に閉じ込めると聞いた事は? クロヴィス様はリリー様に熱心にアプローチをし続けたにもかかわらずリリー様は一切応えなかった。それがストレスとなっていた可能性はじゅうぶんにあると思いますけど。だからもうあんな辛い思いをしないためにリリー様の存在を封印した。私はそう考えるのが一般的かと」
「一般的……。何をもって一般的などと口にされるのかは存じませんが、そういうお考えは失礼です。クロヴィス様は今、一生懸命リリー様のことを思い出そうと頑張っておられます。もしリリー様に接する事を苦痛だと思われていたのであれば追いかけたりされないはずです。現に今、クロヴィス様はご自分が大事な何かを忘れている気がすると思われているのです」
毎日傍で見ているコレットはエステルの憶測が何一つ当てはまっていない事を指摘した。
何も知らない人間があたかも正論であるかのように言葉を紡ぐのは腹が立つ。
コレットは今、初めて感じる異様な苛立ちに語気が強くなるのを感じていた。
「クロヴィス様にとってリリー様は唯一無二のお方です」
「ですがリリー様は今、ユリアス王子との婚約が噂されているんですよ?」
「なに?」
どこから得た情報なのか、エステルの言葉にクロヴィスが驚いたように振り向いた。
「それは本当か?」
「リリー様も了承されたと噂されています。あくまでも噂ですから、どこまでが真実なのかわかりません。男漁りの結果が出たということでしょうか」
ふふっと悪女めいた笑いを見せるエステルだが、クロヴィスはもう見ていなかった。
「クロヴィス様どちらへ!?」
「セドリックを呼べ!」
ドアへと向かうクロヴィスにコレットが声をかけるも返事はなかった。
ドアを開け、廊下に出ると廊下中に響き渡るほど大きな声で命を出し、そのままどこかへ向かった。
「何故そのような事をご存知なのでしょうか?」
「自分が知らないからと八つ当たりはやめていただけます? こんな大事な事も知らされていないなんて所詮貴女は友人ではなく友人気取りでしかなかったということですね」
嘲笑うような表情で優雅に紅茶を楽しむ姿が更にコレットの苛立ちを増幅させる。
「権力ある者に媚びを売ってどこまでのし上がろうと貴方が貧しい出である事に変わりはなく、どんな愛らしい仮面をつけて取り繕おうとその意地汚い性根までは変えられませんよ」
エステルの頬がヒクッと引きつった。
「意地汚いのはどっち? 貴族に媚びる私か、傷付く友人を尻目に想い人に擦り寄る貴女か」
「ッ……あなたは……」
「ここで問題です。コレット・アルナルディーは初めて貴族のパーティーに連れて行ってもらった日、ある王子に一目惚れをしました。それから一途に実る事のない片想いに身を焦がしています。その王子とは一体誰の事でしょう?」
下唇を噛みしめるしか出来ないコレットにはエステルを睨み付けるだけで精いっぱい。
何故誰にも話していない事を社交界に縁のない出身であるエステルが知っているのか———
ただのぶりっ子ではない事実が怖かった。
「……あなたがリリー様を?」
「私が貧しい出だからと犯罪者扱いですか? 学長が聞いたらそれはそれは驚くでしょうね」
そうではないと頭の中では否定をしても口にはしなかった。焦りも否定も見せないエステルが何を考えているのか読めず、疑いばかりが強くなり、証拠のない確信だけがコレットの中で強くなっていた。
「貴女こそ怪しいのでは?」
「何故私が? 私はクロヴィス様とリリー様はお似合いのお二人だと思っています」
「でも彼女がいるせいで貴女は想いを伝える事も出来ない。一度くらい思った事あるでしょう? 彼を疎ましいと思っているならさっさと拒絶すればいいのに、と」
「そんな事……思うわけありません」
エステルの言葉にコレットは何度も首を振る。
「そうかしら? 彼女は婚約破棄をされた日、とても嬉しそうに笑ってた。その翌日、何を思ったのか彼は婚約破棄した事を後悔しているように彼女の後を追いかけるようになった。でも彼女は強く拒絶しないまま、時には楽しそうにお茶までしていた。まるで全ての主導権を握っているのは自分であるかのように振る舞う彼女を疎ましく思った事がないと?」
「ええ」
「クロヴィス・ギー・モンフォールという素晴らしい男に迫られながら他の男に色目を使う彼女より自分の方が相応しいと思った事がないと?」
「ええ」
ハッキリ否定するコレットだが、エステルはそんなコレットを見ながら何故か笑みを浮かべていた。
貧しい中で生き残る術を知るエステルは人の目を見るだけで大抵の感情を読み取れる。特にコレットのような気の弱い、感情を隠し通す事を苦手とする人間のは特にハッキリとわかった。
「クロヴィス・ギー・モンフォール。ユリアス・オルレアンと二人の王子に迫られ、そして護衛であるフレデリック・オリオールからも好意を受けている。それでも焦らすように答えを出さないまま四方八方に良い顔をする彼女を聖女だと慕う人間が本当にいるとでも?」
饒舌に語るエステルの言葉にコレットは強く拳を握る。
「リリー・アルマリア・ブリエンヌはその恵まれた容姿を武器に男を誑かす事を楽しむ悪女よ。貴女達、特に貴女なんて彼女の引き立て役でしかない。彼女にとって自分以外の人間は玩具でしかないのよ」
「リリー様はそんな方ではありません! リリー様はっ——————」
顔を上げてキッと強い目つきでエステルを見たコレットだが、その表情はすぐに崩された。
「彼に近付くために彼女を利用してたくせに庇おうとしてんじゃないわよ」
頭頂部に感じた温かい感触。頭から顔全体へと流れる物が何なのか、エステルがカップを置いた事で理解した。
「美味しくない紅茶ごちそうさま」
クスクスと笑いながら出ていくエステルに怒鳴りつける事も出来ないコレットは驚きとショックに放心状態となっていた。
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