愛だ恋だと変化を望まない公爵令嬢がその手を取るまで

永江寧々

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王子様のように

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「アリス・ベンフィールドッ! 素晴らしい! 君の演奏はいつ聞いても素晴らしい! 鳥肌が立つほどだ!」
「ありがとうございます」
 
 音楽教師のクリストフ・マクレガーはピアノコンクールに出ては賞を総なめし、神童現ると幼い頃から世界中に名を馳せた天才ピアニスト。
 若くして引退した彼は理事長の呼びかけでこの学園の教員として働くようになった。
 背が高く、まだ若い彼の甘いマスクに惹かれてこの授業を選択する女子生徒は多い。
 アリスは絵画を見るのは好きだが絵心がないため美術の選択ができず音楽を選択したのだが、クリストフ・マクレガーが苦手だった。
 ティーナはもう一人の音楽教師であるブルーノ・サムウェルは国際大会準優勝という肩書きしか持っていないと聞いて『天才ピアニストって厳しそうだからパス』と言って選んだのだが、アリスもそっちを選べばよかったと後悔している。
 
「美しい旋律を奏でる君に新しい楽譜を渡したい。放課後、私の所まで来てくれるかな?」
「え、あ……はい……」
「えー差別! 私も欲しいー!」
「私もー!」
 
 放課後、クリストフはいつもこの音楽室にこもってピアノを弾くため誰にも会わないと決めているらしく、放課後に会えるチャンスは呼び出された時だけ。
 アリスだけ特別扱いするなと騒ぎ立てる女子生徒の声にパンパンッと手を叩いて皆が持っている楽譜を見せる。
 それだけで魔法がかけられたように全員が口を閉じた。
 
「この中でこの曲を楽譜を見ずに弾けるのはアリス・ベンフィールドだけだ。他にいるなら手を上げなさい。その者にも新しい楽譜を渡そうじゃないか。いるかい?」
 
 アリスは母の影響で幼少期からピアノを習い始めた。
 指の動きに合わせて美しい音色を奏でるピアノが好きで、弾いている母の姿も大好きだった。
 弾けばいつも皆が褒めてくれることもあって恋愛小説にハマるまでピアノの虜だったアリスはほとんどの曲を楽譜なしで弾けるようになっていた。
 今でもピアノは週に五日は弾いているが、時間は減った。それでもこの中にいる令嬢たちよりはピアノに触れている時間は長いだろう。
 誰もそこで弾けると手を上げることはなかった。
 
「素直でいいね。見栄を張って恥をかくよりずっと良いことだ。では、アリス・ベンフィールド、放課後待っているからね」
 
 肩に手を置かれ、耳元で囁かれるだけでゾワッと何とも言い難い気持ち悪さに顔が引きつるのを感じながら席へと戻ったアリスはさっきまでなかった手の震えに膝の上で拳を握ってギュッと目を閉じた。
 
「ティーナ、お願い」
「えーやだよ。クリストフ先生って音楽の話はじめたらチョー長いじゃん。顔はいいけど音楽バカって感じで好きじゃないのよね」
「クリストフ先生苦手なの。一緒に来て。楽譜受け取るだけだから」
「楽譜受け取るだけなら一人でいいじゃん。私、帰ってパン焼く練習するからさ、今日は時間ないの。受け取ってすぐ帰れば大丈夫だって! じゃねじゃね!」
「あ、ティーナ! ……はあ……」
 
 潔癖症のヴィンセルに渡すパンを焼くのだろうと気持ちはわかるものの、一緒に来てほしかったと落ち込むアリスは行きたくないと思わずその場にしゃがみこんだ。
 クリストフは素晴らしいピアニストだとは思う。流れるように動く指、曲の世界に入り込ませるような音色、音楽を奏でる優雅な演奏姿も全てが完璧。
 だが、距離が近すぎると感じるアリスはクリストフと二人きりになるのが嫌で怖かった。
 それでも授業に必要な楽譜は家での練習のためにも必要。
 授業が終わってすぐ、今欲しいと言ったが『まだコピーしていないから放課後でいいかな?』と言われてしまい、もらえなかった。
 授業は明日もある。一度は弾いておかなければ明日失敗するかもしれない不安から渋々立ち上がって重たい足を前へと進ませ、音楽室へと向かう。
 
「クリストフ先生、アリス・ベンフィールドです」
 
 クリストフが奏でる美しいメロディーが廊下にまで流れている。この音楽を止めたくない思いと早く受け取って早く帰りたい思いを天秤にかけ、すぐにドアをノックした。
 
「入りなさい」
 
 ドアを開けて中に入ると授業のときとは違って黄昏に染まる教室は寂しささえ感じさせる。
 
「こっちへ来て座りなさい」
「楽譜を……」
「ここにある。私が今弾いていた曲だよ。君なら弾けるはずだと思ってね。一度弾いてみてくれるかい?」
「今、ですか?」
「そうだ」
 
 黄昏に染まる教室のせいか、それともクリストフが纏う雰囲気のせいか、アリスの身体に妙な緊張が走る。
 トムソン椅子に浅く腰掛けるとクリストフが隣に立った。 

「ボクはね、君の演奏が好きなんだ。曲には作曲家の想いが込められているんだよ。ただ弾けばいいわけじゃない。作曲家が魂を込めて書き上げた曲の意味、彼らの想いを理解して奏でなければならない。君はそれが完璧にできている」
「私はそういうのは苦手で……」
「君は自己主張が苦手なんだね。控えめで、とても良い。貴族は育ちのせいか自己主張が強すぎるんだ。私を見てとそればかり……うんざりする」

 どことなく怒気を含んでいるように聞こえる言い方に顔を向けると思ったより近くにあったため慌ててピアノに顔を向ける。
 もう少しで唇が触れ合うところだったと肌が粟立っているのを感じた。
 なぜそんな近くまで顔を寄せているのかわからず、教室の雰囲気も彼の雰囲気もアリスに恐怖を与えるにはじゅうぶんで、早く弾いてしまおうと鍵盤に置いた指が震える。

「この細い指で奏でるメロディのなんと美しいことか」
「ひっ!」

 アリスの指を撫でるクリストフの無骨な指の感触に思わず小さな悲鳴が漏れた。

「緊張しているのかい? 音楽はリラックスしていないと上手く弾けないと言っただろう。さあ、肩の力を抜いて」
 
 肩にクリストフが触れた瞬間、全身を駆け巡る嫌悪感と鳥肌に眩暈がした。
 音楽や美術という芸術に芯まで浸る天才には変人が多く、クリストフもその一人として有名だった。
 本人もその一部であるように美しい音色を奏で、美しい姿で弾き続ける。一瞬で心まで入ってくるメロディーは魅力的でも、リラックスという言葉を使いながら肩に手を置き、指先で鎖骨に直に触れてくるクリストフには恐怖しかない。
 
「あ、あの…ひ、弾きますので、てっ手を……」
「ん?」
「手が冷たいね。緊張してるのかな?」
 
 横からではなく抱きしめるように後ろから伸びてきた手がアリスの冷たくなった手をキュッと握る。それだけなのに小刻みに震える手がそれを跳ねのけることさえできない自分が嫌だった。
 ティーナだったらセクハラだと言って手を振り払うだろうと思っても震えて真似できない。
 
「美しい音楽を奏でるためにはリラックスが最も重要だよ。胸いっぱい空気を吸ってごらん。ここを膨らませるイメージで———」
「キャアッ!」
 
 手を握っていた手が腹を這い、胸に手が触れた。
 反射的に大きな悲鳴を上げて前屈みになったアリスの丸まった背中をクリストフが撫でる。
 上下にではなく円を描くように撫でる手つきが気持ち悪い。
 兄に一緒に来てもらうべきだったと今更になって対策を思いついた自分の愚かさに涙が滲む。
 
「どうしたんだい? 気分が悪いのかな? それなら一緒に医務室に行こうか。ファビオ先生は出張中だからいないけど、僕が診てあげ———」
 
 保健室には行かないと何度も首を振るアリスを立たせようと脇に手を入れたクリストフの言葉を遮るようにガラッと勢いよく開いた。
 
「悪いが、取り込み中なんだ。出て行ってくれ」

 人が来てくれたと安堵するアリスが顔を向けると入り口には見覚えのあるランチボックスを持った男士生徒が立っていた。
 
「セシル、様?」

 セシル・アッシュバートンが立っている。
 なぜここに彼がいるのか──アリスはそんなことを考えるよりも安堵のほうが大きく、涙がこぼれた。

「アリス、まだ? 待ちくたびれたんだけど」
「え……?」
「楽譜もらうだけだからすぐ戻るって言ってたのに遅いから迎えにきたよ。楽譜それでしょ? ほら、帰ろうよ」
「あ、ごっごめんなさい」

 四人のランチ会場からはすぐに出たため約束などしていない。同級生でも一年のときは一度も喋ったことがない。二年生でも同じクラスではなかったため喋ることはないだろうと思っていた。
 だからなぜセシルが今ここにいるのかわからないし、なぜ中に入ってきて手を握ってくれるのかもわからない。
 それでもアリスはセシルの手を握り返して立ち上がった。
 
「君、邪魔しないでくれるかな? ボクらはこれから崇高な音楽の世界に入るんだ」
「もうすぐブルーノ先生が来るけど同じこと言えるの?」
「ッ!? ブルーノ先生は別の音楽室を使うはずだ!」
「クリストフ先生が特別レッスンしてるって言ったら、枠を取らずに生徒一人を特別扱いは許されないって怒ってたから」
「なんっ……なんなんだ君は!」
 
 セシル・アッシュバートンを知らないのだろうかとアリスのほうが驚いてしまうが、それはクリストフ・マクレガーが女にしか興味がないという確かな証拠。
 ブルーノ・サムウェルは音楽に興味があるのなら男女関係なく受け付けていたが、クリストフは女子生徒しか受け付けていなかった。
 どれほど有名でもクリストフの頭には欲望しかなく、きっとカイル・ベンフィールドが目の前に現れてもアリスの兄だと結びつけることはしないだろう。
 
「アリス、行こう」
「は、はい!」
 
 楽譜を掴んでクリストフに頭を下げるとセシルのあとをついていく。
 アリスはどこまで一緒に行けばいいのかわからず、戸惑いながらも門までは一緒にと手を繋いだまま黙って歩き続けた。
 
「あの人、淫行教師って噂が出てる」
「えっ!? い、淫行……」
「アリスも被害者になってたかもね」
「で、でも私は……」
 
 自分は誰かに好かれるタイプでもなければ狙われるタイプでもないと首を振るアリスにセシルはやれやれと首を振り返す。

「何をしても強く出ないだろう相手を狙うのは変態の基本なんじゃない?」

 だとしたらとあまりにも悪質で、教師としてあるまじき考えと行為にゾッとした。
 
「セシ……アッシュバートン様はなぜ私があそこにいるとわかったのですか?」
「セシルでいい。同学年なんだし」
「で、ですが……」
「僕は伯爵家、君は公爵家。カイルの妹から様付けされんのなんかやだ」
 
 できないと首を振るのは最初からわかっていた。カイルとは似ても似つかない気弱そうな外見。公爵令嬢であることを鼻にかけず、腰の低い女の子。なぜ兄妹でこうも違うのか不思議で、それと同時にランチのときに同行していたティーナとの相性は悪そうなのになぜ友達をやっているのかもセシルには不思議だった。
 わざわざ聞くまでもない疑問だと自問だけで解決し、あの場にいた全員が“利用されている”とわかっていた。
 
「ランチボックス返そうと思って探してたら音楽室に入ってくのが見えた。放課後に音楽室を使うのってあの淫行教師だけだし、噂あるの知ってたから君に何かあったらカイル黙ってないだろうと思って様子見に行ったら案の定、ね」
 
 忘れていたランチボックスの存在。これがなかったらと思うと収まっていた手がまた震え始める。
 
「ジャムもバターも美味しかった。バターは特に」
「バターはシェフの手作りなんです。私も大好きでいつもたっぷりつけて食べてしまってカロリーの摂りすぎ注意と言われるんですけどやめられません」
「僕もハマっちゃった。ね、明日も食べたい」
 
 突然のリクエストに驚くも助けてもらった恩もあるとアリスは頷いた。
 ランチボックスを渡してセシルのファンを敵に回すのは怖いが、兄に渡してもらえば問題はないと考えたアリスはランチボックスを受け取って頭を下げ、馬車に乗って別れた。
 
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