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無欲
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「素敵~!」
「めっちゃええやん!」
昼食を食べた香姫たちはテーブルの上にずらりと並ぶ装飾品に目を輝かせていた。
先日の偽商人事件を瑞鳳に話すと呆れ返り、購入の意思を見せた香姫たちに片っ端から説教の雨を降らせた。だが、香姫たちの「似たり寄ったりの物はお客にも飽きられるかもしれない」という訴えの正当性もあり、瑞鳳の悩みを聞いた瑞成が自分がよく利用している商人を呼んでやると言って紫雫楼に呼び寄せた。
見たことがない宝石も多く、一つ一つの説明を丁寧に受ける香姫たちは興味津々。
「やっぱそれなりに値段張るなぁ」
「消費者からすればなんでも安いほうが良いけど、安けりゃいいってもんでもないからね。安物買いの銭失いにはなりたくないでしょ?」
「それはそう。安く手に入っても結局は偽物やったら意味ないし」
「だから自分が大事に使う物にはある程度の金額を支払うべきじゃないかなって思うよ」
「ちなみに瑞成のその指輪は一個いくらなん?」
人差し指にある黒い石がついた指輪を指す雪儿の興味に指輪を外して渡しながら「そんなに高くなかった気がする」と値段を思い出せない様子に商人が言った。
「当時の値では三万龍元でしたね」
「そうだっけ? 高くなかったことしか覚えてないや」
「ブカブカや」
「雪儿、返しなさい」
「雪儿は指細いもんね」
杏儿に言われて指輪を差し出す雪儿から受け取って指に戻す瑞成は久しぶりに見る装飾品をジッと眺める。
「当時はってことは、今はどないなん?」
「今、瑞成様と同じ指輪だと五万龍元まで上がっていますね」
「え、なんで? 黒曜石だからそんな高くないはずでしょ」
「金の値が上がっておりまして、土台となる部分が全て金ですので必然的に」
「当時の俺、目利きあったね」
「気に入ったから買ってただけじゃないですか」
この指輪を見たとき、瑞成は見て三秒で「これにする」と言った。金の土台に黒曜石が載っただけのデザイン性のないシンプルな物だが、妙に気に入った。
「3万龍元って安い?」
「んー、雪儿の月収っていくら?」
「500龍元」
「えっ!? はあ!?」
声を上げたのは瑞成だった。勢いよく瑞鳳を見るも瑞鳳は気まずい顔をするどころか「なんだよ」とでも言うような目つきを返してくる。
「朝から晩まで休みなしで働いて月に五百しか支払ってないの!? 過重労働させてんじゃん!」
「おいおい、マジで言ってんのかい? 一般市民の平均月収は55~多くても100龍元。十八歳にして月収500だぞ」
「朝7時に起きて、寝るのは深夜3時か4時! 一日21時間起きて動いてる生活させといて、それで月収500!? なに考えてんの!?」
「新入りの香姫ですら800から始まること考えれば雑用係の500は特別待遇だよ」
「働いてる時間が違うって! 雪儿、君はもっともらっていい!」
「そうなん?」
「どっかの誰かが背盾金取らなきゃもっと上げてやれたんだけどねぇ」
「それとこれとは話が別だろ!」
香姫ではない以上、身体を張る香姫以上の金額など出せるはずがない。雪儿は朝早くから深夜まで働いてはいるが、サボりも多い。へたり込んでしまわないよう適度に力を抜いて仕事をしている。サボってもいい部分といけない部分の区別がついているため、雪儿が休みが欲しいと本気で訴えたことは一度もない。文句を垂れ流しながらでも働き続けてくれる雪儿に感謝しているからこその値段だと瑞鳳は言うが、瑞成はその言い分では納得できない。
「雪儿、自分の働きに対して給料が安いって思ったことないの?」
「ない」
「なんで? 俺はね、雪儿の働きはもっと評価されるべきだと思うよ」
「評価してるって言ってんだろ」
「俺のポケットマネーから出そうか?」
「雪儿はこれでええねん。瑞鳳は差別的やないし、評価しての金額や言うんやったら雪儿はそれでええ」
「雪儿、騙されちゃ駄目だ」
不思議そうな顔でこちらを見る雪儿の表情が不思議で、瑞成も同じような顔で首を傾げる。
「瑞成は一般人と金銭感覚同じやないやろ?」
「それは~……まあ……そうだけど……」
「雪儿が何年も何年も貯金せんと買えん指輪をポンッて買うてまう金銭感覚は雪儿と同じやないもん。せやから瑞成が安いって言うんは瑞成の感覚で、一般的にはきっと高いんやと思う」
返す言葉もない。この黒曜石の指輪だけで雪儿の五年分の年収額。それをまるで市場で野菜を買うような買い方をした自分が彼女たちと同じ金銭感覚とは言えない。
「雪儿のが大人じゃないか」
瑞鳳の追い討ちに眉を寄せるもそれ以上は何も言わなかった。
「でもな、ありがとぉ」
髪を撫でられたことに驚きながら顔を上げると雪儿の笑顔が目に入った。すぐに表情を和らげるも杏儿が雪儿を呼んだことで離れてしまった。
「雪儿、よく頑張ってるご褒美に何か一つ買ってあげる」
「お、雪儿ええなぁ! うちもそないなこと言うてくれる人欲しいわぁ」
「一番高いもん買うてもらい。紫雫楼の高級取りやから大丈夫や」
「なんでもいいよ。あ、髪飾りなんてどう? この簪、雪儿によく似合うわ」
白い牡丹の花の装飾がついた控えめな簪を手に取って雪儿の髪に当てると香姫たちが似合うと盛り上がるも雪儿はかぶりを振る。
「いらん」
「どうして? あなたも十八歳なんだし、少しぐらいこういうのを持ってもいいのよ?」
「雪、普段からお団子やし、そういうんは必要ないねん」
「違う髪型をしたっていいんだから」
「これが楽やし、気に入っとるからええ」
まだ紫雫楼に入ったばかりの頃、雪儿の長い髪が鬱陶しいからと瑞鳳がシニヨンに纏めてから十年間ずっと同じ髪型を続けている。雑用係なのだからどんな髪型をしても咎められることはないのに頑なに変えようとしない。
「遠慮しなくていいのよ?」
「してへん。いくら雪が遠慮の塊や言うても姐ちゃんに遠慮なんかするわけないやん」
「自分で言い寄ったで、この子」
香姫たちの笑いが起きる中、杏儿は眉を下げながら簪を戻し、代わりに耳飾りを取った。
「髪型を変える気がないならこういうのはどう? これだったら──」
「姐ちゃん、雪な、ほんまにいらんねん。興味ないねん」
「あ……そう?」
せっかくだから何か記念になるような物を買ってやりたかった杏儿にとって雪儿からの拒否は少しショックで、残念に思う。久しぶりに見る落ち込んだ様子に雪儿が慌てて抱きしめる。
「ちゃうねん。あんな、雪な、自分が着飾るより姐ちゃんが着飾るん見るほうが好きやねん。姐ちゃんが綺麗に着飾っとるの見るとな、綺麗やなぁって嬉しなんの。せやからな、姐ちゃんが似合うの買うて綺麗になんの見せてくれるほうが雪は嬉しい」
雪儿は昔からそうだった。何か聞いても欲しい物はないと言う。ねだるのは商店街に売っている安物のお菓子ぐらい。着る物も着飾る物も欲しがったことは一度だってなかった。そのくせ、香姫の誰かが着飾るたびに「ええなぁ! 綺麗やなぁ! すごいなぁ!」と褒める。自分よりも他人が綺麗になることに大喜びする妹を見るたびに杏儿は複雑な思いに駆られていた。
「あ、じゃあさ、俺が二人に買ってあげるってのはどう? お揃いの品とか──」
「理由がありませんから」
突き放すような、とりつく島もない言い方に撃沈。紫雫楼には媚びない香姫は何人かいるが、心を開かない香姫は杏儿だけ。
雪儿に構わなければいいのだろうが、瑞成にはそれができない。杏儿の気分を害さないように二人だけで話し込むことはしていないが、その目は厳しい。
雪儿の視界に瑞成を入れないように向きを調節する杏儿の意地悪さに瑞成は苦笑をこぼした。
「めっちゃええやん!」
昼食を食べた香姫たちはテーブルの上にずらりと並ぶ装飾品に目を輝かせていた。
先日の偽商人事件を瑞鳳に話すと呆れ返り、購入の意思を見せた香姫たちに片っ端から説教の雨を降らせた。だが、香姫たちの「似たり寄ったりの物はお客にも飽きられるかもしれない」という訴えの正当性もあり、瑞鳳の悩みを聞いた瑞成が自分がよく利用している商人を呼んでやると言って紫雫楼に呼び寄せた。
見たことがない宝石も多く、一つ一つの説明を丁寧に受ける香姫たちは興味津々。
「やっぱそれなりに値段張るなぁ」
「消費者からすればなんでも安いほうが良いけど、安けりゃいいってもんでもないからね。安物買いの銭失いにはなりたくないでしょ?」
「それはそう。安く手に入っても結局は偽物やったら意味ないし」
「だから自分が大事に使う物にはある程度の金額を支払うべきじゃないかなって思うよ」
「ちなみに瑞成のその指輪は一個いくらなん?」
人差し指にある黒い石がついた指輪を指す雪儿の興味に指輪を外して渡しながら「そんなに高くなかった気がする」と値段を思い出せない様子に商人が言った。
「当時の値では三万龍元でしたね」
「そうだっけ? 高くなかったことしか覚えてないや」
「ブカブカや」
「雪儿、返しなさい」
「雪儿は指細いもんね」
杏儿に言われて指輪を差し出す雪儿から受け取って指に戻す瑞成は久しぶりに見る装飾品をジッと眺める。
「当時はってことは、今はどないなん?」
「今、瑞成様と同じ指輪だと五万龍元まで上がっていますね」
「え、なんで? 黒曜石だからそんな高くないはずでしょ」
「金の値が上がっておりまして、土台となる部分が全て金ですので必然的に」
「当時の俺、目利きあったね」
「気に入ったから買ってただけじゃないですか」
この指輪を見たとき、瑞成は見て三秒で「これにする」と言った。金の土台に黒曜石が載っただけのデザイン性のないシンプルな物だが、妙に気に入った。
「3万龍元って安い?」
「んー、雪儿の月収っていくら?」
「500龍元」
「えっ!? はあ!?」
声を上げたのは瑞成だった。勢いよく瑞鳳を見るも瑞鳳は気まずい顔をするどころか「なんだよ」とでも言うような目つきを返してくる。
「朝から晩まで休みなしで働いて月に五百しか支払ってないの!? 過重労働させてんじゃん!」
「おいおい、マジで言ってんのかい? 一般市民の平均月収は55~多くても100龍元。十八歳にして月収500だぞ」
「朝7時に起きて、寝るのは深夜3時か4時! 一日21時間起きて動いてる生活させといて、それで月収500!? なに考えてんの!?」
「新入りの香姫ですら800から始まること考えれば雑用係の500は特別待遇だよ」
「働いてる時間が違うって! 雪儿、君はもっともらっていい!」
「そうなん?」
「どっかの誰かが背盾金取らなきゃもっと上げてやれたんだけどねぇ」
「それとこれとは話が別だろ!」
香姫ではない以上、身体を張る香姫以上の金額など出せるはずがない。雪儿は朝早くから深夜まで働いてはいるが、サボりも多い。へたり込んでしまわないよう適度に力を抜いて仕事をしている。サボってもいい部分といけない部分の区別がついているため、雪儿が休みが欲しいと本気で訴えたことは一度もない。文句を垂れ流しながらでも働き続けてくれる雪儿に感謝しているからこその値段だと瑞鳳は言うが、瑞成はその言い分では納得できない。
「雪儿、自分の働きに対して給料が安いって思ったことないの?」
「ない」
「なんで? 俺はね、雪儿の働きはもっと評価されるべきだと思うよ」
「評価してるって言ってんだろ」
「俺のポケットマネーから出そうか?」
「雪儿はこれでええねん。瑞鳳は差別的やないし、評価しての金額や言うんやったら雪儿はそれでええ」
「雪儿、騙されちゃ駄目だ」
不思議そうな顔でこちらを見る雪儿の表情が不思議で、瑞成も同じような顔で首を傾げる。
「瑞成は一般人と金銭感覚同じやないやろ?」
「それは~……まあ……そうだけど……」
「雪儿が何年も何年も貯金せんと買えん指輪をポンッて買うてまう金銭感覚は雪儿と同じやないもん。せやから瑞成が安いって言うんは瑞成の感覚で、一般的にはきっと高いんやと思う」
返す言葉もない。この黒曜石の指輪だけで雪儿の五年分の年収額。それをまるで市場で野菜を買うような買い方をした自分が彼女たちと同じ金銭感覚とは言えない。
「雪儿のが大人じゃないか」
瑞鳳の追い討ちに眉を寄せるもそれ以上は何も言わなかった。
「でもな、ありがとぉ」
髪を撫でられたことに驚きながら顔を上げると雪儿の笑顔が目に入った。すぐに表情を和らげるも杏儿が雪儿を呼んだことで離れてしまった。
「雪儿、よく頑張ってるご褒美に何か一つ買ってあげる」
「お、雪儿ええなぁ! うちもそないなこと言うてくれる人欲しいわぁ」
「一番高いもん買うてもらい。紫雫楼の高級取りやから大丈夫や」
「なんでもいいよ。あ、髪飾りなんてどう? この簪、雪儿によく似合うわ」
白い牡丹の花の装飾がついた控えめな簪を手に取って雪儿の髪に当てると香姫たちが似合うと盛り上がるも雪儿はかぶりを振る。
「いらん」
「どうして? あなたも十八歳なんだし、少しぐらいこういうのを持ってもいいのよ?」
「雪、普段からお団子やし、そういうんは必要ないねん」
「違う髪型をしたっていいんだから」
「これが楽やし、気に入っとるからええ」
まだ紫雫楼に入ったばかりの頃、雪儿の長い髪が鬱陶しいからと瑞鳳がシニヨンに纏めてから十年間ずっと同じ髪型を続けている。雑用係なのだからどんな髪型をしても咎められることはないのに頑なに変えようとしない。
「遠慮しなくていいのよ?」
「してへん。いくら雪が遠慮の塊や言うても姐ちゃんに遠慮なんかするわけないやん」
「自分で言い寄ったで、この子」
香姫たちの笑いが起きる中、杏儿は眉を下げながら簪を戻し、代わりに耳飾りを取った。
「髪型を変える気がないならこういうのはどう? これだったら──」
「姐ちゃん、雪な、ほんまにいらんねん。興味ないねん」
「あ……そう?」
せっかくだから何か記念になるような物を買ってやりたかった杏儿にとって雪儿からの拒否は少しショックで、残念に思う。久しぶりに見る落ち込んだ様子に雪儿が慌てて抱きしめる。
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雪儿は昔からそうだった。何か聞いても欲しい物はないと言う。ねだるのは商店街に売っている安物のお菓子ぐらい。着る物も着飾る物も欲しがったことは一度だってなかった。そのくせ、香姫の誰かが着飾るたびに「ええなぁ! 綺麗やなぁ! すごいなぁ!」と褒める。自分よりも他人が綺麗になることに大喜びする妹を見るたびに杏儿は複雑な思いに駆られていた。
「あ、じゃあさ、俺が二人に買ってあげるってのはどう? お揃いの品とか──」
「理由がありませんから」
突き放すような、とりつく島もない言い方に撃沈。紫雫楼には媚びない香姫は何人かいるが、心を開かない香姫は杏儿だけ。
雪儿に構わなければいいのだろうが、瑞成にはそれができない。杏儿の気分を害さないように二人だけで話し込むことはしていないが、その目は厳しい。
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