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変化
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梅雨が終わり、夏が始まった。
雨雲がない空は久しぶりで、太陽の眩しさを感じながら歩く人々の顔は明るい。
「やっほー」
まるで昨日もやってきたかのように顔を出した瑞成を誰もが歓迎するわけではなかった。
「お土産持ってきたよ」
「ありがとう」
雰囲気はあまり良くない。少し前まで大歓迎だったのが、ここ一ヶ月で変わってしまった。お土産を受け取る香姫は視線は瑞成の顔ではなく土産物に落ちており、それを受け取るとそのまま奥へと下がっていく。前は何か何かと土産物に群がっていたというのに。
香姫の数も少ないように感じた。
「久しぶりじゃないか、楼主様。色々と溜まってて忙しかったみたいだねぇ」
「盛大な嫌味をどうもありがとう、瑞鳳」
苦笑しながら瑞鳳の部屋へと進む際、視線だけ動かして大広間にいる人間を確認するも雪儿の姿はない。
「雪儿なら洗濯中だよ」
背中に目でもついているのかと大きな背中を見つめながら部屋に入ってソファーに腰掛ける。
「何も言ってないけど……今日も朝からコキ使ってんの?」
「洗濯物はあの子の仕事なんだよ」
「これから暑くなってくるんだから今までどおりさせてると──」
「こちとら十年の付き合いなんだよ。あの子はここで十年間ずっと雑用係として働いてる。十年間、暑さと寒さの中で働き続けてんだ。楼主様からのありがたーいお言葉は必要ないさ」
瑞鳳に愛想は期待していない。彼女は昔から愛想のいいほうではなかった。男でも女でも平等に接する。礼儀を尽くす者には礼儀を。無礼な者には威厳と拳を。そうして二十年間、女主人を続けてきた。
「今年はちょっと梅雨が長かったし、売り上げ落ちてるね」
差し出された書類を受け取り、ここ一ヶ月の売り上げを確認するも予想よりも少し悪めであることに片眉を上げる。
「翡翠楼は売り上げ良かったんだろう?」
「まあね。その代わり、夏は売り上げが落ちる傾向にある」
「暑い中で汗まみれになることほど気持ち悪いことはないからね」
「でも向こうは今年、今までにない戦略かけるみたいだよ」
「へえ、そりゃすごい」
どうでもいいと言わんばかりの口ぶり。翡翠楼は紫雫楼とライバル関係にあり、売り出し方が正反対。主に芸事を売りとする紫雫楼と性を売り物にする翡翠楼。
芸事を嗜む娼館は少ないため紫雫楼は唯一無二と言われる。性を主として売り出さない戦略に娼館失格と言う人間もいるが、先代女主人である翠鳳も気にしてはいなかった。瑞鳳もその意志を継ぎ、何も変えずに人気店の座を守り続けている。だから翡翠楼が新たな戦略を打ち出そうとも自分たちのやり方を変えるつもりがない瑞鳳にとっては脅威でもなんでもない。
「一ヶ月も顔出さなくて悪かったね」
「おや、随分と自惚れた発言するじゃないか」
「え?」
煙管から口を離して細く長い紫煙を吐き出す瑞鳳の嫌味を含んだ笑みを見る。
「お前はもう十年も前にここの所有権を持ってた。謂わば楼主だ。でも一切顔を出さなかったじゃないか。売り上げの報告も家賃を支払うついでに報告してくれればいいと言ってね。猛虎邪蛇の襲撃を受けて渋々足を運んだ人間が真面目に楼主面するとは驚きだよ」
「いてもいなくても同じって言いたげだね」
「正確に受け取ってもらえてよかったよ。二度も同じことを言うのは手間だからね」
「嫌われたなぁ」
後頭部に手を回して盛大に苦笑する瑞成に視線をやる瑞鳳は大きく息を吐き出した。
「お前は紫雫楼だけの楼主じゃない。香月街の楼主だ。多忙は多忙だろう。これまでが異常だったんだ。紫雫楼を贔屓するように連日顔を見せては長居。多忙な人間が一ヶ月顔を見せないぐらい誰も気にしやしない」
「でも、でしょ?」
「香姫も人間だ。感情があって心がある。お前が誰のものでもないにしろ、目と鼻の先の店に顔は出すくせにこちらには顔を出さずに帰る。ましてやそこでやることやってると聞けば笑顔ではいられない」
「出そうとは思ってたんだけどね……」
「出してないんだから言い訳でしかないね」
厳しいなぁと苦笑を深めながら後頭部から手を離し、四肢を投げ出してだらりと姿勢を崩して天井を仰ぐ。容赦ない瑞鳳の言葉は槍となって何本も胸に突き刺さるが、怒りは湧いてこない。
「雪儿のためだといっても、誰にも事情を話さないんじゃあ軽蔑もするだろ」
瑞鳳に隠し事はできない。彼女の目には頭の中を覗くレンズが埋め込まれているのではないかと疑いたくなるほどなんでも言い当ててくる。
「瑞鳳の思う、守るってどういうこと?」
「二十八歳にもなってそんな答えも出ないのかい?」
「殺したい相手は山のようにいても守りたいと思った相手なんかいなかったし」
まるで大きな子供だと溜息をついた瑞鳳は自分の椅子に腰掛けて頬杖をつきながら煙管を瑞成に向ける。もう少し筋肉がなければイイ女だっただろうに、と瑞成は思う。
「どう守るかってので変わってくるだろ。アタシは基本的には見守る主義を通してる。あの子たちだけで解決できない問題が出れば一緒に考えもするし、物理的にだって守る」
「親心ってこと?」
「さあね。女主人としてか、親としてか。どちらにせよ、保護者としてってことだね」
「……傍にいられない場合は見守れないじゃん?」
「あの子には杏儿がいる」
「わかってる」
「でもね……」
少し声色が低くなった瑞鳳に首を傾げる。珍しく少し曇った表情を見せる瑞鳳が何か気に病んでいるように見え、言葉を待った。
「最近の杏儿はちょっとね……」
「何かあった?」
身体を起こして上半身を前のめりにする瑞成のわかりやすさに呆れながらも煙管に口をつける。焦らすように口を開けない瑞鳳に早くと目で促すと煙草盆に煙管が置かれた。
「杏儿が雪儿のために生きてきたように、雪儿も杏儿のために生きてる。杏儿に心配をかけないことを心がけ、信徒のように従い続けてきた。雪儿はそうすることが当然だと思ってるだろうし、杏儿もそれが正しいと思ってるんだろう。あの子たちの母親は器量良しでね、入って早々に人気が出た。杏儿も母親の賢さを受け継いでるんだろう。人気が出るのはあっという間だったよ」
十八歳で香姫として働き始めて早々に人気が出るのは稀だ。十代など子供で、二十代半ばから人気が出始める。ここでは外見よりも芸や賢さが売りとなり、客がつく。求められているのは媚びる能力ではなく賢さ。紫雫楼が人気である理由の一つ。
杏儿は十代半ばで悲惨な経験をしている。それが賢さを磨き、武器とできた理由でもあるのだろうと瑞成は思う。
「あの子は香姫として働く前に言ったんだよ。雪儿を香姫にしない代わりに自分が雪儿の分まで稼ぐからって。稼げなかったらそのときは店を出るって」
「早々にやってのけたわけだ」
「そう。あの子はあれからずっと紫雫楼の頂点に立ち続けてる。だからアタシも雪儿を香姫にはしないって約束を守り続けてんだ。雪儿は本当によく働く。雑用係なんて名前つけちゃいるが、紫雫楼はあの子がいなきゃ回らないんだよ。あの子も賢い。その賢さは杏儿以上だ。香姫として売り出せばあっという間に人気が出るだろうさ」
「でも出さない」
「約束だからね」
約束は約束と瑞鳳は言う。「でも」「だって」を使って発言を簡単に覆す女と違って一本筋が通っているのが瑞鳳という人間で、自分が損をしようと覆すことはしない。しかし、今の瑞鳳の表情にはその約束を少し後悔しているのではないかと思わせる感情が滲み出ている。
「お前と出会ってから雪儿は変わりつつある」
「俺と出会ってから……?」
耳を疑うような言葉に瑞成は目を瞬かせた。
雨雲がない空は久しぶりで、太陽の眩しさを感じながら歩く人々の顔は明るい。
「やっほー」
まるで昨日もやってきたかのように顔を出した瑞成を誰もが歓迎するわけではなかった。
「お土産持ってきたよ」
「ありがとう」
雰囲気はあまり良くない。少し前まで大歓迎だったのが、ここ一ヶ月で変わってしまった。お土産を受け取る香姫は視線は瑞成の顔ではなく土産物に落ちており、それを受け取るとそのまま奥へと下がっていく。前は何か何かと土産物に群がっていたというのに。
香姫の数も少ないように感じた。
「久しぶりじゃないか、楼主様。色々と溜まってて忙しかったみたいだねぇ」
「盛大な嫌味をどうもありがとう、瑞鳳」
苦笑しながら瑞鳳の部屋へと進む際、視線だけ動かして大広間にいる人間を確認するも雪儿の姿はない。
「雪儿なら洗濯中だよ」
背中に目でもついているのかと大きな背中を見つめながら部屋に入ってソファーに腰掛ける。
「何も言ってないけど……今日も朝からコキ使ってんの?」
「洗濯物はあの子の仕事なんだよ」
「これから暑くなってくるんだから今までどおりさせてると──」
「こちとら十年の付き合いなんだよ。あの子はここで十年間ずっと雑用係として働いてる。十年間、暑さと寒さの中で働き続けてんだ。楼主様からのありがたーいお言葉は必要ないさ」
瑞鳳に愛想は期待していない。彼女は昔から愛想のいいほうではなかった。男でも女でも平等に接する。礼儀を尽くす者には礼儀を。無礼な者には威厳と拳を。そうして二十年間、女主人を続けてきた。
「今年はちょっと梅雨が長かったし、売り上げ落ちてるね」
差し出された書類を受け取り、ここ一ヶ月の売り上げを確認するも予想よりも少し悪めであることに片眉を上げる。
「翡翠楼は売り上げ良かったんだろう?」
「まあね。その代わり、夏は売り上げが落ちる傾向にある」
「暑い中で汗まみれになることほど気持ち悪いことはないからね」
「でも向こうは今年、今までにない戦略かけるみたいだよ」
「へえ、そりゃすごい」
どうでもいいと言わんばかりの口ぶり。翡翠楼は紫雫楼とライバル関係にあり、売り出し方が正反対。主に芸事を売りとする紫雫楼と性を売り物にする翡翠楼。
芸事を嗜む娼館は少ないため紫雫楼は唯一無二と言われる。性を主として売り出さない戦略に娼館失格と言う人間もいるが、先代女主人である翠鳳も気にしてはいなかった。瑞鳳もその意志を継ぎ、何も変えずに人気店の座を守り続けている。だから翡翠楼が新たな戦略を打ち出そうとも自分たちのやり方を変えるつもりがない瑞鳳にとっては脅威でもなんでもない。
「一ヶ月も顔出さなくて悪かったね」
「おや、随分と自惚れた発言するじゃないか」
「え?」
煙管から口を離して細く長い紫煙を吐き出す瑞鳳の嫌味を含んだ笑みを見る。
「お前はもう十年も前にここの所有権を持ってた。謂わば楼主だ。でも一切顔を出さなかったじゃないか。売り上げの報告も家賃を支払うついでに報告してくれればいいと言ってね。猛虎邪蛇の襲撃を受けて渋々足を運んだ人間が真面目に楼主面するとは驚きだよ」
「いてもいなくても同じって言いたげだね」
「正確に受け取ってもらえてよかったよ。二度も同じことを言うのは手間だからね」
「嫌われたなぁ」
後頭部に手を回して盛大に苦笑する瑞成に視線をやる瑞鳳は大きく息を吐き出した。
「お前は紫雫楼だけの楼主じゃない。香月街の楼主だ。多忙は多忙だろう。これまでが異常だったんだ。紫雫楼を贔屓するように連日顔を見せては長居。多忙な人間が一ヶ月顔を見せないぐらい誰も気にしやしない」
「でも、でしょ?」
「香姫も人間だ。感情があって心がある。お前が誰のものでもないにしろ、目と鼻の先の店に顔は出すくせにこちらには顔を出さずに帰る。ましてやそこでやることやってると聞けば笑顔ではいられない」
「出そうとは思ってたんだけどね……」
「出してないんだから言い訳でしかないね」
厳しいなぁと苦笑を深めながら後頭部から手を離し、四肢を投げ出してだらりと姿勢を崩して天井を仰ぐ。容赦ない瑞鳳の言葉は槍となって何本も胸に突き刺さるが、怒りは湧いてこない。
「雪儿のためだといっても、誰にも事情を話さないんじゃあ軽蔑もするだろ」
瑞鳳に隠し事はできない。彼女の目には頭の中を覗くレンズが埋め込まれているのではないかと疑いたくなるほどなんでも言い当ててくる。
「瑞鳳の思う、守るってどういうこと?」
「二十八歳にもなってそんな答えも出ないのかい?」
「殺したい相手は山のようにいても守りたいと思った相手なんかいなかったし」
まるで大きな子供だと溜息をついた瑞鳳は自分の椅子に腰掛けて頬杖をつきながら煙管を瑞成に向ける。もう少し筋肉がなければイイ女だっただろうに、と瑞成は思う。
「どう守るかってので変わってくるだろ。アタシは基本的には見守る主義を通してる。あの子たちだけで解決できない問題が出れば一緒に考えもするし、物理的にだって守る」
「親心ってこと?」
「さあね。女主人としてか、親としてか。どちらにせよ、保護者としてってことだね」
「……傍にいられない場合は見守れないじゃん?」
「あの子には杏儿がいる」
「わかってる」
「でもね……」
少し声色が低くなった瑞鳳に首を傾げる。珍しく少し曇った表情を見せる瑞鳳が何か気に病んでいるように見え、言葉を待った。
「最近の杏儿はちょっとね……」
「何かあった?」
身体を起こして上半身を前のめりにする瑞成のわかりやすさに呆れながらも煙管に口をつける。焦らすように口を開けない瑞鳳に早くと目で促すと煙草盆に煙管が置かれた。
「杏儿が雪儿のために生きてきたように、雪儿も杏儿のために生きてる。杏儿に心配をかけないことを心がけ、信徒のように従い続けてきた。雪儿はそうすることが当然だと思ってるだろうし、杏儿もそれが正しいと思ってるんだろう。あの子たちの母親は器量良しでね、入って早々に人気が出た。杏儿も母親の賢さを受け継いでるんだろう。人気が出るのはあっという間だったよ」
十八歳で香姫として働き始めて早々に人気が出るのは稀だ。十代など子供で、二十代半ばから人気が出始める。ここでは外見よりも芸や賢さが売りとなり、客がつく。求められているのは媚びる能力ではなく賢さ。紫雫楼が人気である理由の一つ。
杏儿は十代半ばで悲惨な経験をしている。それが賢さを磨き、武器とできた理由でもあるのだろうと瑞成は思う。
「あの子は香姫として働く前に言ったんだよ。雪儿を香姫にしない代わりに自分が雪儿の分まで稼ぐからって。稼げなかったらそのときは店を出るって」
「早々にやってのけたわけだ」
「そう。あの子はあれからずっと紫雫楼の頂点に立ち続けてる。だからアタシも雪儿を香姫にはしないって約束を守り続けてんだ。雪儿は本当によく働く。雑用係なんて名前つけちゃいるが、紫雫楼はあの子がいなきゃ回らないんだよ。あの子も賢い。その賢さは杏儿以上だ。香姫として売り出せばあっという間に人気が出るだろうさ」
「でも出さない」
「約束だからね」
約束は約束と瑞鳳は言う。「でも」「だって」を使って発言を簡単に覆す女と違って一本筋が通っているのが瑞鳳という人間で、自分が損をしようと覆すことはしない。しかし、今の瑞鳳の表情にはその約束を少し後悔しているのではないかと思わせる感情が滲み出ている。
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