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下衆2
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「杏儿ー!」
翌日の早朝、まだ夢の中にいた香姫たちを目覚めさせる嫌な声が紫雫楼に響き渡った。
涼のために窓を開けているため容易に届く声。一番に目を覚ましたのは名を呼ばれた杏儿だった。
勢いよく飛び起きて窓の外を見るとまたあの男がいた。ニヤついた顔でこちらを見上げ、片手を上げている。
「クソジジイ……!」
杏儿は飛び出した。いけないとわかっていても、今ここで隠れていてはアイツはずっとやってくる。昼過ぎには雪儿が帰ってくるだろう。それまでに杏儿はこの男を帰らせたかった。
「話なら向こうでする」
奥へ行けと裏道のほうを顎で指し、啓明は相変わらずの笑みでそれに従う。
瑞鳳を呼ぶべきだろうが、待っていられない。早々に決着をつけると睨みつけた。
「茶香里で働くつもりはないし、お母さんの飲茶を売るつもりもない。唐志龍の利益に貢献するつもりなんてさらさらない。私はお客さんがつかなくなるその日まで紫雫楼で働くって決めてるの。それが変わる日は来ない。諦めるのはそっちだって彼に伝えて」
握った拳が震えるのは緊張からか、怒りからか。最後に見たのは十四年も前。姿が違って当然だが、あまりにも落ちぶれ過ぎている姿に少し動揺してしまう。
「久しぶりの再会に言うことがそれかよぉ。つれねぇじゃねぇかよぉ、杏儿ゥ」
「馴れ馴れしく呼ばないで!」
「なんでだよぉ。お前の名前は俺がつけたんだぜぇ? 杏色のきれーな髪して生まれた秋の子だから杏儿って名付けたんだぁ」
「違う! 私の名前は母がつけたの! 子供に興味ない男が名付けなんてするわけないでしょ!」
杏儿という名前に誇りを持っていた。母親が良い名前だと言ってくれたから。秋になると『杏儿の季節だね』と笑ってくれた。杏を見ては『杏儿の髪色と同じだ』と優しく髪を撫でてくれた。杏儿にとって自分の名前は誇らしいもの。父親などに汚されたくはなかった。
「月は死んだんだろぉ? なら、俺とまた一緒に暮らそう。なぁ? 姉妹二人で生きるより親子で生きたほうがいいに決まってんだからよぉ」
「今すぐ消えて。アンタと生きるぐらいなら死んだほうがマシよ」
「雪儿はそうは思わねぇかもなぁ?」
一瞬で頭に血が上るのを感じた。全身の血液が全て頭に集まったような感覚。沸騰したような怒りに杏儿は父親の胸ぐらを掴んでそのまま壁に押し付けた。
「アンタみたいなクズがあの子の名前を口にするな……!」
腕で啓明の喉を押さえつけながらかっぴらいた目で睨みつける。一段低い声が怒りを滲ませ脅すように言葉を発した。
「おいおい……ッ、父親に……ッ!」
「アンタなんか父親じゃない。父親だと思ったことは一度もないし、一生思わない」
体重を前にかけて腕に乗せれば更に絞まる。脅しではないやり方に目を見開き、思わず杏儿を突き飛ばした。
喉を押さえながら咳き込む啓明を見ながら杏儿はもう一度近付いていく。
「ま、待て杏儿!」
「馴れ馴れしく呼ばないで」
「ま、待て! な? 話し合おうじゃないか!」
演技もできなくなっているほどに啓明は焦っていた。距離を詰めようとする杏儿から逃れるために移動するも杏儿はゆっくりと追う。
「杏儿、見てわかるとおり、金に困ってんだ。ちょっと用立ててくれればいいんだ。稼いでんだろ?」
「アンタに渡す金なんか1龍元だって持ってない」
「そう言うなよ。お前は俺を恨んでるかもしれねぇが、あのとき俺がお前らを連れて逃げてたら逃げきれずに殺されれたかもしれねぇんだぞ? 俺一人だから逃げきれたんだ」
「殺されてればよかったのよ」
「お前が紫雫楼で働けたのも俺が消えたからだろ? 良い思いできてんのは俺のおかげってことじゃねぇか」
どこまでクズなのか。力が入り過ぎたことで爪が手のひらに食い込み、じわりと血が滲むも杏儿はそのまま握り続ける。痩せこけたその顔に今すぐ拳を叩き込んでやりたい。体力が尽きるまで殴り続けて海に放り投げてやりたい。
自分たちがあれからどんな思いで生きてきたかも知らないくせに。その思いが杏儿の怒りを増長させる。
「ちょっとでいいんだ。金さえもらえれば帰るから。な? ちょっとだけ! いいだろ? な? な?」
「ふざけないで。アンタに渡す金なんかない」
渡せば最後、何度だって無心にくるに決まっている。朝から明け方まで働いている雪儿と接触する可能性が高い以上、今日、今ここで二度と紫雫楼に姿を見せないようにする必要がある。
「そんな冷たくするなよぉ。お前がくれないってんなら他に頼むしかなくなっちまうだろぉ?」
「雪儿に近付いたら殺す」
「誰とは言ってねぇが、わからねぇなぁ」
「声をかけても殺す。姿を見せても殺す」
突然余裕を見せ始めた啓明に少し不気味さを覚えた。狭い橋の上。誘導されたように来てしまった。杏儿は水の近くが苦手で、こういう場所には近寄らないようにしていたのだが、父親への怒りで何も考えてはいなかった。
途端に足が重くなるが、それでも父親への睨みは変わらない。
「父親が娘に会いに行くってだけだろぉ? 金がねぇんだから暇潰しにウロつくしかねぇよなぁ?」
ニヤつきながら脅してくる父親への嫌悪に吐き気が込み上げる。
杏儿の記憶にある啓明もクズだった。金を持っているくせに、酒や女には湯水の如く使うくせに妻や家族にはケチった。薬代が高いと言い、簡単に稼げる額じゃないんだから感謝の意を態度にして見せろと言った。クズだと心の中で吐き捨て、罵りながらも何度も何度も頭を下げた。床についた手を拳に変えながら、いつか殺してやると誓った。
娘の頭を平気で踏みつけて高笑いしながら金を撒くこの男は地に落ちても変わらない。
(クズはどこまでいってもクズ……)
後ろから足音が聞こえ、それに振り返ると瑞鳳がいた。
「杏儿、戻りな」
厳しい声だが、杏儿は戻ろうとしない。前を向いて再度、啓明を睨みつける。
「瑞鳳、私はここでこの男を沈める。雪儿の前に姿を見せることだけは絶対に避けなきゃいけないの」
「杏儿」
「雪儿の中でこいつは死んだことになってる! 私の中でもそう! こんなクズが父親だって知れば雪儿は戸惑うし傷つく! あの子がこいつの存在を知る必要なんてない!」
杏儿の気持ちは誰よりもわかっているつもりだった。姉妹とはもう十年の付き合いになる。杏儿の過保護さも雪儿の純粋さも誰よりも近くで見てきた。だからこそ杏儿の気持ちも言いたいこともわかる。それでも瑞鳳は厳しく言い放った。
「戻れ」
命令に杏儿は眉を寄せながらも啓明を睨みつけたままゆっくりと下がる。
「意外と話がわかるじゃねぇか、瑞鳳さんよぉ」
「何を勘違いしてんのか知らねぇが、この子の手をお前に触れさせたくなかっただけさ。子供ってのは愛するもんで傷つけるもんじゃない。親のために生きる必要も、親の道具になる必要もないんだよ。親になりきれなかったお前にはわからねぇだろうがな」
「ふんっ、偉そうに説教かますんじゃねぇぞ」
「聞きたくなきゃとっとと消えな。それともここで海の底に沈むかい?」
「駄目! ここで自由にしたら雪儿の前に現れる! 絶対にここで沈める!」
「黙ってな」
ケケッと不気味な笑い声を漏らしながら下がっていく啓明を突発的に追いかけようとする杏儿の腕を掴んだ瑞鳳が言い放った。
「これは最終警告だ。もし次、ここら一帯に足を踏み入れたらアンタをボコボコにして生きたまま海に沈める」
「紫雫楼の女主人が人殺しになるってか?」
「ははっ! まさか、アタシがそういったことが初めてだとでも思ってるのかい?」
冗談かどうかわからないセリフに一瞬怯みを見せた。握られた岩のような拳は血に染まっていてもおかしくないように見える。紫雫楼の女主人は楽ではないだろう。黒龍白虎に守られていなかったのであれば女主人が守るしかない。
「……お前はもっと賢い子だと思ったんだがなぁ、杏儿」
「雪儿に近付いたら絶対に許さない」
「後悔するぞ」
「警告はした。さっさと失せろ」
啓明は笑ったままだった。まるで何か勝算があるような不気味さに杏儿も瑞鳳も胸のざわつきを感じていた。
翌日の早朝、まだ夢の中にいた香姫たちを目覚めさせる嫌な声が紫雫楼に響き渡った。
涼のために窓を開けているため容易に届く声。一番に目を覚ましたのは名を呼ばれた杏儿だった。
勢いよく飛び起きて窓の外を見るとまたあの男がいた。ニヤついた顔でこちらを見上げ、片手を上げている。
「クソジジイ……!」
杏儿は飛び出した。いけないとわかっていても、今ここで隠れていてはアイツはずっとやってくる。昼過ぎには雪儿が帰ってくるだろう。それまでに杏儿はこの男を帰らせたかった。
「話なら向こうでする」
奥へ行けと裏道のほうを顎で指し、啓明は相変わらずの笑みでそれに従う。
瑞鳳を呼ぶべきだろうが、待っていられない。早々に決着をつけると睨みつけた。
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握った拳が震えるのは緊張からか、怒りからか。最後に見たのは十四年も前。姿が違って当然だが、あまりにも落ちぶれ過ぎている姿に少し動揺してしまう。
「久しぶりの再会に言うことがそれかよぉ。つれねぇじゃねぇかよぉ、杏儿ゥ」
「馴れ馴れしく呼ばないで!」
「なんでだよぉ。お前の名前は俺がつけたんだぜぇ? 杏色のきれーな髪して生まれた秋の子だから杏儿って名付けたんだぁ」
「違う! 私の名前は母がつけたの! 子供に興味ない男が名付けなんてするわけないでしょ!」
杏儿という名前に誇りを持っていた。母親が良い名前だと言ってくれたから。秋になると『杏儿の季節だね』と笑ってくれた。杏を見ては『杏儿の髪色と同じだ』と優しく髪を撫でてくれた。杏儿にとって自分の名前は誇らしいもの。父親などに汚されたくはなかった。
「月は死んだんだろぉ? なら、俺とまた一緒に暮らそう。なぁ? 姉妹二人で生きるより親子で生きたほうがいいに決まってんだからよぉ」
「今すぐ消えて。アンタと生きるぐらいなら死んだほうがマシよ」
「雪儿はそうは思わねぇかもなぁ?」
一瞬で頭に血が上るのを感じた。全身の血液が全て頭に集まったような感覚。沸騰したような怒りに杏儿は父親の胸ぐらを掴んでそのまま壁に押し付けた。
「アンタみたいなクズがあの子の名前を口にするな……!」
腕で啓明の喉を押さえつけながらかっぴらいた目で睨みつける。一段低い声が怒りを滲ませ脅すように言葉を発した。
「おいおい……ッ、父親に……ッ!」
「アンタなんか父親じゃない。父親だと思ったことは一度もないし、一生思わない」
体重を前にかけて腕に乗せれば更に絞まる。脅しではないやり方に目を見開き、思わず杏儿を突き飛ばした。
喉を押さえながら咳き込む啓明を見ながら杏儿はもう一度近付いていく。
「ま、待て杏儿!」
「馴れ馴れしく呼ばないで」
「ま、待て! な? 話し合おうじゃないか!」
演技もできなくなっているほどに啓明は焦っていた。距離を詰めようとする杏儿から逃れるために移動するも杏儿はゆっくりと追う。
「杏儿、見てわかるとおり、金に困ってんだ。ちょっと用立ててくれればいいんだ。稼いでんだろ?」
「アンタに渡す金なんか1龍元だって持ってない」
「そう言うなよ。お前は俺を恨んでるかもしれねぇが、あのとき俺がお前らを連れて逃げてたら逃げきれずに殺されれたかもしれねぇんだぞ? 俺一人だから逃げきれたんだ」
「殺されてればよかったのよ」
「お前が紫雫楼で働けたのも俺が消えたからだろ? 良い思いできてんのは俺のおかげってことじゃねぇか」
どこまでクズなのか。力が入り過ぎたことで爪が手のひらに食い込み、じわりと血が滲むも杏儿はそのまま握り続ける。痩せこけたその顔に今すぐ拳を叩き込んでやりたい。体力が尽きるまで殴り続けて海に放り投げてやりたい。
自分たちがあれからどんな思いで生きてきたかも知らないくせに。その思いが杏儿の怒りを増長させる。
「ちょっとでいいんだ。金さえもらえれば帰るから。な? ちょっとだけ! いいだろ? な? な?」
「ふざけないで。アンタに渡す金なんかない」
渡せば最後、何度だって無心にくるに決まっている。朝から明け方まで働いている雪儿と接触する可能性が高い以上、今日、今ここで二度と紫雫楼に姿を見せないようにする必要がある。
「そんな冷たくするなよぉ。お前がくれないってんなら他に頼むしかなくなっちまうだろぉ?」
「雪儿に近付いたら殺す」
「誰とは言ってねぇが、わからねぇなぁ」
「声をかけても殺す。姿を見せても殺す」
突然余裕を見せ始めた啓明に少し不気味さを覚えた。狭い橋の上。誘導されたように来てしまった。杏儿は水の近くが苦手で、こういう場所には近寄らないようにしていたのだが、父親への怒りで何も考えてはいなかった。
途端に足が重くなるが、それでも父親への睨みは変わらない。
「父親が娘に会いに行くってだけだろぉ? 金がねぇんだから暇潰しにウロつくしかねぇよなぁ?」
ニヤつきながら脅してくる父親への嫌悪に吐き気が込み上げる。
杏儿の記憶にある啓明もクズだった。金を持っているくせに、酒や女には湯水の如く使うくせに妻や家族にはケチった。薬代が高いと言い、簡単に稼げる額じゃないんだから感謝の意を態度にして見せろと言った。クズだと心の中で吐き捨て、罵りながらも何度も何度も頭を下げた。床についた手を拳に変えながら、いつか殺してやると誓った。
娘の頭を平気で踏みつけて高笑いしながら金を撒くこの男は地に落ちても変わらない。
(クズはどこまでいってもクズ……)
後ろから足音が聞こえ、それに振り返ると瑞鳳がいた。
「杏儿、戻りな」
厳しい声だが、杏儿は戻ろうとしない。前を向いて再度、啓明を睨みつける。
「瑞鳳、私はここでこの男を沈める。雪儿の前に姿を見せることだけは絶対に避けなきゃいけないの」
「杏儿」
「雪儿の中でこいつは死んだことになってる! 私の中でもそう! こんなクズが父親だって知れば雪儿は戸惑うし傷つく! あの子がこいつの存在を知る必要なんてない!」
杏儿の気持ちは誰よりもわかっているつもりだった。姉妹とはもう十年の付き合いになる。杏儿の過保護さも雪儿の純粋さも誰よりも近くで見てきた。だからこそ杏儿の気持ちも言いたいこともわかる。それでも瑞鳳は厳しく言い放った。
「戻れ」
命令に杏儿は眉を寄せながらも啓明を睨みつけたままゆっくりと下がる。
「意外と話がわかるじゃねぇか、瑞鳳さんよぉ」
「何を勘違いしてんのか知らねぇが、この子の手をお前に触れさせたくなかっただけさ。子供ってのは愛するもんで傷つけるもんじゃない。親のために生きる必要も、親の道具になる必要もないんだよ。親になりきれなかったお前にはわからねぇだろうがな」
「ふんっ、偉そうに説教かますんじゃねぇぞ」
「聞きたくなきゃとっとと消えな。それともここで海の底に沈むかい?」
「駄目! ここで自由にしたら雪儿の前に現れる! 絶対にここで沈める!」
「黙ってな」
ケケッと不気味な笑い声を漏らしながら下がっていく啓明を突発的に追いかけようとする杏儿の腕を掴んだ瑞鳳が言い放った。
「これは最終警告だ。もし次、ここら一帯に足を踏み入れたらアンタをボコボコにして生きたまま海に沈める」
「紫雫楼の女主人が人殺しになるってか?」
「ははっ! まさか、アタシがそういったことが初めてだとでも思ってるのかい?」
冗談かどうかわからないセリフに一瞬怯みを見せた。握られた岩のような拳は血に染まっていてもおかしくないように見える。紫雫楼の女主人は楽ではないだろう。黒龍白虎に守られていなかったのであれば女主人が守るしかない。
「……お前はもっと賢い子だと思ったんだがなぁ、杏儿」
「雪儿に近付いたら絶対に許さない」
「後悔するぞ」
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