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またあとで
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私が嘔吐したらしいリュード様の服をランドリー室でじゃばじゃば洗っていた。
その間にリュード様は、迎えに来た御者に新しい服を持って来てもらうことになった。
御者さんは遅いことを察し、翌日に迎えに来ることにしていたようだった。
まさか、こんなことはよくあるのだろうか? と、疑問はあるが、真後ろに立っている裸のリュード様が気になり、落ち着かない。
「も、もうすぐでメイドが来ますから、邸で綺麗に洗ってもらいますね。本当にすみません!」
「気にしなくていい。服がもうすぐで届くし、二人でモーニングでも行くか?」
「……お仕事は?」
「食べたら行こう」
「遅れてはいけませんから、モーニングはまた今度で……」
「つれないな」
夕べの完璧な紳士だと思ったリュード様はなんだったのですかね。
チラリと後ろを向くと、腕を組みニコリと笑顔を向けるリュード様に、恥ずかしくなり視線を反らすようにまたじゃぶじゃぶとシャツを泡立てた。
そして、やっとリュード様の服が届き、リュード様はまともな姿で帰ることになると玄関まで見送る。
「……お気をつけてお帰りください」
「アシュリー、またあとで」
ゴツい男らしい筋の浮いた手で頬に添えられドキリとすると、リュード様は迷うことなく唇を重ねてきた。
慣れているのか、リュード様は自然だった。
「んんっ……!?」
リュード様の顔が離れると、羞恥の私と違いしてやったりの顔だ。
「……舌を入れましたね」
「夕べもしただろう」
自分の唇を抑え、羞恥でいっぱいの私にリュード様は満足そうだ。
そして、まだ人通りの少ない朝の中、リュード様は堂々と帰って行った。
◇◇◇
リュード様がお帰りになり、夕べのことを思い出すも、途中からのことが全く覚えてない。
しかも、全く覚えてないということは、私は寝たまましたということだ。
それってどうなの?
屋敷の外のリュード様のシャツを干した前に座り込み悶々と考えていると、ハッとした。
先ほど、いつも邸から通ってくれているメイドのデイジーが私の部屋のシーツを換えに行っている。
自覚は全くないが、夕べ初体験をしたならシーツに跡が残っているはずだ!
不味い! 未婚なのにあれを見られるのは、本当に不味い!
「デイジーーー!!」
デイジーの名前を叫びながら部屋に駆け上がり、勢いよくバンッと扉を押すように開けると、デイジーはベッドのシーツを持ってフルフルと震えていた。
「デ、デイジー! あのね……!」
「お嬢様……ベッドで何をなさっていたんですか!?……あちこちが濡れてますよ!」
「そ、それは……!」
いや! 濡れているのは、きっと私の氷の魔法のせいだ!
まだ、バレてない? まだ、セーフ?
どっち!?
「……デイジー、濡れているだけ?」
「すごくいつもより、シーツが乱れていますけど……他になにが?」
「な、な、何も! ちょっと寝ぼけて魔法を使っただけだから!」
何事もなかったようにすまして言うが、デイジーは怪しそうにジトリと私を見る。
デイジー、見るならシーツをおろして!
なんか恥ずかしい!
「怪しいです……」
「そ、そんなことないわ!」
その時に、外から馬車の音がした。
いたたまれない空気から逃げるように、私が出るわ! と、また階段を走り玄関に行った。
その間にリュード様は、迎えに来た御者に新しい服を持って来てもらうことになった。
御者さんは遅いことを察し、翌日に迎えに来ることにしていたようだった。
まさか、こんなことはよくあるのだろうか? と、疑問はあるが、真後ろに立っている裸のリュード様が気になり、落ち着かない。
「も、もうすぐでメイドが来ますから、邸で綺麗に洗ってもらいますね。本当にすみません!」
「気にしなくていい。服がもうすぐで届くし、二人でモーニングでも行くか?」
「……お仕事は?」
「食べたら行こう」
「遅れてはいけませんから、モーニングはまた今度で……」
「つれないな」
夕べの完璧な紳士だと思ったリュード様はなんだったのですかね。
チラリと後ろを向くと、腕を組みニコリと笑顔を向けるリュード様に、恥ずかしくなり視線を反らすようにまたじゃぶじゃぶとシャツを泡立てた。
そして、やっとリュード様の服が届き、リュード様はまともな姿で帰ることになると玄関まで見送る。
「……お気をつけてお帰りください」
「アシュリー、またあとで」
ゴツい男らしい筋の浮いた手で頬に添えられドキリとすると、リュード様は迷うことなく唇を重ねてきた。
慣れているのか、リュード様は自然だった。
「んんっ……!?」
リュード様の顔が離れると、羞恥の私と違いしてやったりの顔だ。
「……舌を入れましたね」
「夕べもしただろう」
自分の唇を抑え、羞恥でいっぱいの私にリュード様は満足そうだ。
そして、まだ人通りの少ない朝の中、リュード様は堂々と帰って行った。
◇◇◇
リュード様がお帰りになり、夕べのことを思い出すも、途中からのことが全く覚えてない。
しかも、全く覚えてないということは、私は寝たまましたということだ。
それってどうなの?
屋敷の外のリュード様のシャツを干した前に座り込み悶々と考えていると、ハッとした。
先ほど、いつも邸から通ってくれているメイドのデイジーが私の部屋のシーツを換えに行っている。
自覚は全くないが、夕べ初体験をしたならシーツに跡が残っているはずだ!
不味い! 未婚なのにあれを見られるのは、本当に不味い!
「デイジーーー!!」
デイジーの名前を叫びながら部屋に駆け上がり、勢いよくバンッと扉を押すように開けると、デイジーはベッドのシーツを持ってフルフルと震えていた。
「デ、デイジー! あのね……!」
「お嬢様……ベッドで何をなさっていたんですか!?……あちこちが濡れてますよ!」
「そ、それは……!」
いや! 濡れているのは、きっと私の氷の魔法のせいだ!
まだ、バレてない? まだ、セーフ?
どっち!?
「……デイジー、濡れているだけ?」
「すごくいつもより、シーツが乱れていますけど……他になにが?」
「な、な、何も! ちょっと寝ぼけて魔法を使っただけだから!」
何事もなかったようにすまして言うが、デイジーは怪しそうにジトリと私を見る。
デイジー、見るならシーツをおろして!
なんか恥ずかしい!
「怪しいです……」
「そ、そんなことないわ!」
その時に、外から馬車の音がした。
いたたまれない空気から逃げるように、私が出るわ! と、また階段を走り玄関に行った。
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