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第一章 ブラッドフォード編

レオンの責任 2

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父上は兄上の提案を受け入れた。
そして、ウィンター公爵家は現当主を入れ替える事と宮の弁償を条件に存続が決まった。
バーンズ公爵家は現当主のまでで存続は認めず王都から退去になった。
バーンズ公爵はウィンター公爵家ほどの資産はない為に宮の弁償と王都の退去で取り潰しも同然だった。
バーンズ公爵は魔力を抑える魔法薬の減りが早いことに気付いていたが、放置していたことも白状していた。
兄上と父上はそこら辺も踏まえバーンズ公爵の存続を認めないのだろう。
いくらエルサが養子とはいえ、育てたのはバーンズ公爵夫妻なのだから。
エルサは二度と魔法が使えぬように、魔封じの魔法をかけられ体にその痕が付けられた。
今はまだ、オズワルドの闇に囚われどこか正気ではないらしい。

自分も正気を失いたいくら押し潰されそうな気持ちだった。
誰かにすがりたいと脳裏を微るも支えてくれる友人も大事な人も居ない。
こんな状況で両親に甘えることも憚られる。
だが、これがオズワルドの言うとおり自分のことしか考えなかった結果なのだろう。

そう思っていると、リディアの父上のウォード侯爵が来た。
ウォード侯爵はオズワルドを牢から出して欲しいと父上に懇願した。

「…お前もか。シャレイド公爵からもせめて牢から出すようにと訴えておる。」

父上は疲れたようにため息をし、もうオズワルドを牢から出そうと考えていたと思う。

「父上、もうお分かりでしょう。オズは牢から出すべきです。オズには俺から謹慎を言い渡します。宮の弁償もさせます。それで許すべきです。」

そして、オズワルドは牢から出されることが決まり兄上はすぐにヒースとウォード侯爵を連れて牢へと行った。


兄上達が出て行った後、父上に頼みをした。

「父上、私は王都から離れます。どこか仕事があればそこに飛ばして下さい。婚約者ももうお決めにならないで下さい。」
「…どこか任地を探そう。婚約者はもう決めはしないがいずれ結婚したくなればしなさい。」
「…はい。」

いずれ結婚したくなれば…とは、結婚相手は自分で決めると言うこと。 
だが、釣書から選ぶのではなく、自分から結婚したいと思うことがこの先あるのだろうか。

「レオン、今回の責任を忘れるな。」

父上の言葉は重かった。
今までの自分が情けなくなるほど重かった。




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