『 私、悪役令嬢にはなりません! 』っていう悪役令嬢が主人公の小説の中のヒロインに転生してしまいました。

さらさ

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37話 これからの事

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「おつかれ 」

「本当に疲れました 」

レオンハルト様の部屋に戻って来てから、レオンハルト様が労いの言葉をかけてくれる。
あれから、詳しくどういったのもをイメージしているのか、絵を交えて説明したりして、結構長い時間話していた。
こんなに自分の考えてることを他人に話したのは初めてなので疲れた。

「でも、シュナイダー王は聞き上手なので話しやすかったです。ちゃんと私の意見を聞いて下さいましたし 」

「そうだな、シュナイダー王なら偏見なくエリシアの言うことも聞いてくれると思ったけど、正解だったな 」

なんだかいつにも増して満足そうな笑みを浮かべるレオンハルト様。
もしかして、私をここに連れてきたのはこの為? まさかね、レオンハルト様がわざわざ私を目立たせてなんのメリットがあるというのか、いくら何でもそんな面倒臭い事しないわよね? 一応聞いとこう。

「レオンハルト様、どうして私にこんなことをさせるのですか? 」

「ん? それはまぁ、上手くいったら話すわ、それより、帰ってからも忙しくなるから覚悟しとけよ 」

「え? 」

レオンハルト様が私の質問をはぐらかしたことよりも聞き捨てならない言葉を口にする。

「どういう事ですか? 」

「当然だろ、まさか提案だけして後は知らん振りするつもりだったのか? 」

「ええ、そうですけど、何か? 」

 私の即答に、レオンハルト様は一瞬あっけに取られたように見た後、直ぐに嘆息して何時もの自信満々なレオンハルト様に戻る。

「エリシアも言うようになったな 」

「ええ、レオンハルト様に鍛えられましたからね、もう遠慮なく言わせてもらうことにしましたわ 」

「クククッ 」

開き直った私を可笑しそうに笑いながら眺めるレオンハルト様。もうこの表情にも慣れたので狼狽えないわよ。

「で? 私はなぜ急がしくなるのですか? 」

「ああ、国に帰ってからもシュナイダー王の使いが定期的に来ることになったから、エリシアには進捗状況の確認とアドバイスをして欲しい 」

さらっと言ってくれるけど、私はそこまで出しゃばるつもりは無いのだけど・・・

「・・・私には荷が重すぎます 」

男性社会で女性が出しゃばることの難しさを分かってない。

「俺がちゃんとフォローする。ジルも協力してくれるからやってくれないか? それに、お前の出した案はお前にしか分からないだろう、最後まで責任もて 」

やっぱりそうなるのね・・・私は国に帰ったらレオンハルト様とはもう関わる気がなかったのに、また関わることになるじゃない。
クリスティーナ様に帰った後でなんと言われるか、それだけでも憂鬱なのに、これ以上誤解を招くようなことはしたくない・・・ん? そうか!

「レオンハルト様、私が引き受ける代わりに、もう一人私を助けてくださる方を推薦したいのですけど、いいですか? それが認めて貰えるなら協力します 」

そうよ、クリスティーナ様は私と同じ前世の人間、クリスティーナ様も巻き込んでしまえばいいのよ。
いい案だと思ったけど、レオンハルト様は訝しげな顔をする。

「それは誰だ? 」

「まだその方に確認もしていませんので、今は言えません。ですが、あの方なら私の知ってる知識を共有出来て、助けてくださると思います  」

自信満々に言う私を、レオンハルト様は訝しげな表情でしばらく見ていたけれど、嘆息して頷く。

「分かった。それでいい、協力してくれ 」

「ええ、分かりました 」

正直、鉄道なんてものをこの世界に作っていいのかわからないけれど、鉄道があればディアルド王国への移動ももっと早く、楽になると思う。みんなの役に立てるのなら、陰ながら役に立てれば嬉しい。

その後帰国してからの話や明日の話をしてあっという間に遅い時間になってしまった。
その日もレオンハルト様の部屋の寝室で寝させてもらった。
狙われてると聞いたら自室で眠るのはやめた方が身のためだし、レオンハルト様にまた迷惑をかける訳にも行かない。
でも、ここに来てからレオンハルト様はずっとソファーで寝てるんだけど、本当にいいのかしら、本人はそれでいいって言ってくれるけれど、王子様をソファーに寝かせて自分は大きなベッドで優雅に寝てるって、複雑な気分。


翌日は朝お城を出て、途中大仰な護衛方から離れて街に買い物に出かけた。
約束通りお茶を買いに連れて行ってくれたのがとても楽しかった。お土産も色々買えたので大満足で帰路についた。

帰って紅茶を試してみるのが待ち遠しい。
けれど、帰ってからの事が少し不安になる。
本当に上手く行くのかしら、それに、まず問題はクリスティーナ様よね、私は無事でいられるのかしら・・・




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