『 私、悪役令嬢にはなりません! 』っていう悪役令嬢が主人公の小説の中のヒロインに転生してしまいました。

さらさ

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59話 情報処理が追いつきません

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「エリシアの答えが聞きたい 」

まっすぐに私を、曇りのない金色の瞳で見つめるジャスタ殿下。
確かにジャスタ殿下はイケメンだし優しいし、行動力もある時期皇帝、最高の物件だわ。
私もジャスタ殿下は嫌いではない。
なら、答えはイエスかしら。
・・・・・・そんな事を考えながらふとレオンハルト様を見ると、何故かとても不安そうな、いたたまれない表情で私を見ていた。

「・・・・・・申し訳ございません。少し考える時間をください 」

「ああ、そうだな、急に他国に来いと言われても戸惑うよな、返事は急がないからゆっくり考えておいて欲しい。また来る 」

そう言ってジャスタ殿下は部屋を出て行った。


・・・・・・私何で考えさせてなんて言ったの?
確かにジャスタ殿下は2部の登場人物だから、関わると何かあるかもしれない。でも、ジャスタ殿下の包容力のある優しさは本物だと思う。ジャスタ殿下の傍にいれば幸せになれるかもしれないのに、何で?

「エリシア、俺も明日の準備のために戻る 」

「あ、はい 」

レオンハルト様に突然声をかけられて焦る。
そうよ、レオンハルト様がなんか今まで見た事もない捨てられた子犬のような目で私を見るから、ついあんな事を言っちゃったのよ!

「・・・・・・エリシア 」

「はい? 」

扉の前まで行って、脚を止めて何かを思案しているようだったレオンハルト様が、不意に振り返って私をまっすぐに見る。
何かしら? 何か言い忘れたことでもあったのかな?

「何かありました? 」

「・・・・・・エリシアはジャスタの事が好きなのか? 」

「え? 」

しばらく黙り込んでいたレオンハルト様の唐突な言葉とその表情に焦る。
だって、何時ものレオンハルト様じゃない。

「レオンハルト様、どうしたんですか? 何時ものレオンハルト様らしくないですよ? 」

何か良からぬものを感じて思わずはぐらかしたけど、レオンハルト様の表情は変わらない。
どこか寂しげな、置き去りにされた子供のような表情、こんなレオンハルト様見たことがない。

「そうだな、俺らしくないな、で? エリシアはジャスタの元に行くのか? 」

少し強気な眼差しを取り戻したようなレオンハルト様だけど、無理しているように見える。でも、そこは見ないふりをしましょう。

「分かりません。さっきも言いましたけど、何が最善なのか、少し考えます」

レオンハルト様が少しでも元気な姿に戻ってもらえるように、にっこり笑って見ると、レオンハルトは真剣な眼差しで私を見る。

「悩むくらいなら俺にしないか? 」

「え? 」

今日のレオンハルト様は何だかいつもと違う。これは何時もの冗談? 後で私を笑うつもり? それとも・・・

「俺はずっと前からエリシア、お前の事が好きだ、出来るならこの先もずっと隣にいて欲しい 」

「なっ? 」

「からかってなんかいない、これは俺の本心だ、今まで気のないふりをしてごめん、ただ、それはエリシアが望んでいた事だろ? だから敢えて気の無い素振りをしていた。エリシアを都合のいい駒として見ているように演じてたんだ 」

ちょっと待って、ついていけない、レオンハルト様は今なんて言ってるの?
今の言葉も私をからかうための冗談? 本気?
いやいや、ありえない、一度に王子様二人から求婚されるなんてどんなウハウハ設定?
私はそんな世界から十歩下がって関わらないようにしていたのに、ここに来て何故? 
ジャスタ皇子となんて大して話もしていないのに、私の何が気に入ったのか、レオンハルト様もそうよ、私はずっとレオンハルト様の事は恋愛対象でないと思っていたし、レオンハルト様の前でもそういう風に振舞って来た。
それが何故突然こんな展開に?

「あの・・・レオンハルト様、冗談ですよね? 」

「本気だ、俺はエリシアの事が、もうずっと前から好きなんだ 」

「なら、何故今まで好きでない素振りをしていたの? 」

そうよ、何故そんなことをしていたのか、演技をしてまで何故? 考えればやっぱり今の言葉が嘘だって言われた方が納得いくわ。

「それは・・・また今度話す。明日からジャスタと一緒にしばらく不在にするから、その間に俺の事も考えてくれないか? もちろん、エリシアがジャスタを選ぶなら俺は協力する。俺に遠慮はするな、ちゃんと考えて欲しい 」

「・・・分かりました。考えておきます 」

レオンハルト様の事はよく分からないけど、とりあえず考える時間はある。
どうやらジャスタ皇子も一緒に行くみたいだし、一人になって考えられる。

「明日は朝早くに立つから挨拶はしない、またな 」

レオンハルト様はそう言うと部屋を出て行った。




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