『 私、悪役令嬢にはなりません! 』っていう悪役令嬢が主人公の小説の中のヒロインに転生してしまいました。

さらさ

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62話 解ける心

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「エリシア様はレオンハルト様の事をよく見てるのね 」

「よく見てるんじゃないわ、たまたま一緒に居ることが多いから色んな情報が入ってくるだけよ 」

そうだ、何故か一緒に行動することが多くなってしまって、必然的に手に入れた情報だ。
だけどそれだけ、私はレオンハルト様自身から出来るだけ関わらないよう目を背けてきたので、それ以上のことは分からない。上辺だけの情報で、レオンハルト様が何を思っているのか、行動の意味はなんのなのか、深く考えようとはしてこなかった。

「エリシア様はレオンハルト様の事がキライなの? 」

「え? 」

不意に尋ねられて、質問の意味が分からなくて戸惑う。

「何故そんなことを聞くの? 」

「だって、超美形で我国の王子であるレオンハルト様から告白されてなびかない女なんて居ないでしょ、なのにエリシア様は何だか夢の中の出来事だとでも言わんばかりに現実的な反応では無いんだもの 」

「そう言われれば、夢か何かだと思い込もうとしてたところはあるわね 、だって、私の身分で王子様2人からの求婚なんて悪い冗談だとしか思えないじゃない 」

「え? 王子様2人? 」

あ、しまった、思わず言ってしまったと後悔したけれど既に遅し、クリスティーナ様が身を乗り出して私を食い入るように見る。

「王子様2人って、レオンハルト様と・・・ まさか第3王子のエドワルド様? 」

「いえ、違うわ 」

クリスティーナ様の圧に押されて少し身を引きながら答える。

「エドワルド様で無いならどなた? まさか第1王子のユリアス様? でもユリアス様には既に奥方がいらっしゃるわよね・・・ 」

「・・・・・・我国の王子様では無いの 」

めちゃくちゃ言い難い、だってクリスティーナ様はジャスタ殿下の事を知ってるんだもの・・・

「外国の方?? ねぇ、どなた?? 」 

「・・・・・・ジャスタ殿下よ・・・ 」

「ジャスタ殿下?? 」

クリスティーナ様は私の回答に素っ頓狂な声でオウム返しに聞き返す。

「ええ・・・」

驚くのも無理ないわよね・・・

「何故貴方がジャスタ皇子と出会ってるの? ちょっと、どういう事?? 」

クリスティーナ様の反応、物語を知ってる人なら当然の反応よね、物語の中ではジャスタ殿下と出会うのはクリスティーナ様で私じゃない。
仕方なくクリスティーナ様にジャスタ殿下との出会いを掻い摘んで説明する。

「・・・・・・そうだったの、あなたって全然関わりたくないとか言いながらついてるわね 」

「こんな所で運を使いたくないんだけど・・・王族なんて私には不釣り合いにも程があるわ 」

私の言葉に、クリスティーナ様は深くため息を着いた。

「まったく・・・身分に囚われてるのは誰かしら・・・ 」

「あっ・・・ 」

「そんな考えじゃ幸せになれないわよ、せっかくイケメン二人から求婚されてるんだから、もっと幸せそうな顔をしてもいいんじゃないかしら? 」

「でも・・・ 」

「替れるなら私が替わりたいくらいだわ 」

「クリスティーナ様はそれでいいの? 」

「しょうがないじゃない、だって私は悪役令嬢にはならないのよ 」

嘆息しながら肩を竦めて私を見つめるクリスティーナ様に、ぷっと吹き出してしまう。

「ふふっ、そうね、クリスティーナ様は悪役令嬢にはならないのよね 」

「そうよ、私も幸せになるために努力するのよ 」

「ふふっ、そうね 」

クリスティーナ様の言葉に今までの凝り固まった考えが洗い流されるようで、場の雰囲気が一気に和やかになる。
クリスティーナ様は強い。思えば出会った時から真っ直ぐで、何事にも前向きに取り組んでいた気がする。
それに比べて私はいつも後ろ向きだったと思う。
穏やかに暮らせればいいと、それらしくカッコイイ事を言いながら、ただ逃げていただけなのよね・・・

「で? エリシア様はどっちを選ぶの? 」

改めて聞かれて少し考える。
どちらも素敵な男性には変わりない。けど、レオンハルト様といる時間が多かったからか、先に顔が浮かぶのはレオンハルト様だと今更ながら気がつく。
だけどそれって好意なのかしら・・・。

「私はジャスタ殿下にはお会いしたことがないから分からないけど、エリシア様が悩むって事は素敵な方なのね 」

「うん、そうね、ジャスタ殿下は見かけによらずとても優しくて、少し強引なところはあるけど、とても広い抱擁力で何もかも受け入れて包んでくれる感じなのよね 」

「レオンハルト様は? 」

「レオンハルト様は・・・・・・私をからかって笑ってるイメージしかないんだけど、私以外の所ではとても真面目で、行動力もあって思いやりのある尊敬出来る人だと思うわ、それに・・・最近時折見せるレオンハルト様らしくない表情が何だか気になるの・・・ 」

「うん、ちゃんと考えてるみたいね、私のことは気にしなくていいから、エリシア様の心のままに決めればいいと思うわ、どちらを選んでも、私は心から祝福してあげるわ 」

クリスティーナ様は綺麗な頬笑みを浮かべながら私を応援してくれる。
私は何を怖がっていたのかしら・・・このクリスティーナ様が私を貶めるなんてするはずないのに・・・

「クリスティーナ様・・・ありがとう 」







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