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第一章 鬼神と巫女
第三話 幼なじみの正体
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家の中は、何も変わらない。以前から何度も来ていた場所だから、当然、見覚えはある。
でも、今の私は喜んだりだとか、懐かしんだりとか、そんな感情は出せない。
むしろ、この空間がこの緊張感のようなものを生んでいるような気がした。
「そこに座りな」
私はリビングにあるソファへと座るけど、夜見は座らずに私から離れるように部屋の隅へと移動する。
少し息切れしているように見えるのは気のせいだろうか?
「下手にごまかしても意味はないから、単刀直入に言うぞ」
「……うん」
理由を聞けるならなんでも来いだ!
私はどんなひどい言葉でも覚悟はできている。
「俺は鬼神。お前は巫女だ。いや、祓い師のほうがわかりやすいか」
「………………へっ?」
理解が追いつかなかった。長い間を経て、発することができたのはそれだけだった。
なんでも来いとは思った。でも、予想の斜め上が来てしまった。
きじん……?みこ……?はらいし……?
「ど、どういうこと……?」
「俺はあやかし。妖怪だ。そして、三咲はあやかしを退治する力を持っている巫女なんだ。とはいっても、祓い専門らしいが」
そんな非現実的なことを言われても、実感が湧かない。というか、理解することができない。
あの女性が言っていたのは、巫女ってことかということしか理解できなかった。
「い、いきなり妖怪だとか、巫女だとか、祓い師だとか言われてもわかんないよ」
「お前、俺の親、見たことないだろ?」
夜見に突然そんなことを言われて、私は今までの思い出を振り返る。
確かに、幼稚園の遊戯会や、小学校の運動会とかの、保護者が見に来られるイベントで夜見の親を見たことはないし、家に遊びに来たときも見かけることはなかった。
私は、仕事が忙しいのかなと思っていたんだけど、そうではなかった?
「二人ともあやかしだからな。三咲たちの強い巫女の力のお陰で、視界に入るほど近くには近づけなかったんだ」
「ええ~……」
私の力で近づけなかった?ますます意味がわからない。
こんな小娘の何を恐れる必要があるというのだろうか。
……ん?待って?今、三咲たちって言った?
「たちってどういうこと?」
「……お前の母親も破魔の力を持っていて、母親は代々巫女を輩出していた家系なんだ。それも聞いてないのか?」
「いや、まったく。そもそも、お母さんはそんな話はしないよ」
お母さんは、お化けとか、妖怪だとか、そんなのはまったく信じない人だ。
だからこそ、私の家って巫女なのよとかは、間違っても言うことはない。
もしそう言ってきたとしても、お母さんの頭がおかしくなったと別の意味で驚愕するだろう。
「そういえば、見えない人だったか。あの人は」
夜見はそう呟くと、私のほうを向いて言葉を続ける。
「とにかく、俺はあやかしだから、巫女であるお前には近づけないんだ。そんなに霊気を駄々漏れにされたらな」
「だから避けてたってこと?」
「ああ。お前がある程度制御できるようになってからと思ったが、まったくそんな気配がないから、おちおち学校にも行けない」
なんか、学校に行かないのを私のせいにされているけど、何も言い返せない。
普通なら、こんなことは信じない。でも、夜見があの変な黒いのを追い払ったのを見て、私が触れただけで痛がって赤く腫れているのを見た後なら、なんかしっくり来てしまうから不思議だ。
夜見が言っているからというのもあるのかもしれない。夜見は、おふざけでこんなことをする人じゃないのは、私がよく知っているから。
「本当はこの距離でもきついんだが、こんな話を道端でするわけにはいかないからな」
「確かに……」
巫女だとかあやかしだとか、現代では何を言ってるの扱いされるのは目に見えている。
夜見は、息切れが激しくなっている。どうやら、結構苦しいらしい。
うーむ……こうなってしまうなら、チャイムを押しても出てくるわけないよね。
「でもさ、今まで、普通に手を繋いだりとかしてたじゃない」
幼稚園の時も、小学生の時も、中学生の時も、色んな場面で夜見とは触れ合ったりしていた。
それが、今になって無理なんて、そんな馬鹿なことがあるんだろうか。
「俺が十六になって、急にあやかしの力に目覚めてしまったからだ」
「えっ?そういうのって、生まれたときから持っているものなんじゃないの?」
夜見の話を事実とするなら、私の力を恐れていたから夜見の両親は私の前に姿を見せなかった。
それならば、私の力は生まれたときから持っていたのだろう。そう考えると、夜見も最初から持っていそうだ。
「片鱗のようなものはあった。蝋燭くらいの火を灯したりとかな。それが、十六で覚醒したみたいだ。両親も、ずいぶんと遅いと言っていたくらいだ」
「そうなんだ……」
正直、まだ信じられないし、信じたくもない。
でも、今の私では夜見は離れてしまう。それだけは、受け入れなければならない。
「……まだよくわからないけど、私がこの力を抑えられるようになったら夜見に近づいてもいいってことでしょ?」
「そうなるな。だが、できるのか?お前の巫女としての力は相当強いが」
「えっ?そうなの?」
巫女の平均の強さを知っているわけではないけど、せいぜいが平均くらいだと思っていたのに。
「多分、先祖返りだろう。今まで三咲ほどの強い力を持つ巫女は生まれていなかったそうだからな」
「う~ん……でも、なんとかやってみる。少なくとも、使い方はなんとかして学びたいし。またあんなのが寄ってこられたら嫌だしね。だから、ちゃんと学校には来てよ?」
そうしないと、そろそろファンクラブの人たちが爆発しそうな気がする。
ファンクラブの人たちは、夜見ロスのお陰で、あからさまに元気がないのがよくわかる。
そして、私に睨みで八つ当たりしてくる。
まだ睨むだけなら無視していればいいけど、そろそろ物理的な手段に出てもおかしくなさそうだ。
「出席日数の関係もあるから、近いうちに行くつもりではいた。誰かさんが迎えに来なければ行けたはずなんだがな」
夜見は、じとっとした目で私を見る。
「それは悪うございましたね!」
知らなかったんだから仕方ないでしょと、心の中でも悪態をついてしまう。
ふてくされていると、夜見が近づいてきて、私の頭を何かがぽんと叩く。
「拗ねるなって。こっちも理由くらいは話しておくべきだったんだ」
夜見は私に笑いかける。慰めてくれているんだろう。
前までの私なら素直に喜んだにちがいない。でも、今はちがう。
私は、頭に置かれているものを掴んで、夜見に問う。
「……ねぇ、なんでマジックハンドなの!?本物の手なら完璧だったのに、素直に喜べないんだけど!」
「だって、俺はお前には触れられないからな。この距離でもきついのに触れるのは無理だ」
「このマジックハンドのお陰でムードぶち壊しなんだって!」
本来なら、どう考えても胸がきゅんきゅんするシーンのはずなのに、そんなことは欠片も起きないような構図なのである。
だって、私の頭に置かれているのは温もりのある手のひらではなく、冷たい無機質な人工の手だからだ。
「俺の手でやって欲しいなら、さっさと制御できるようになれ」
バカにしたようにそういう夜見に、だんだん腹が立ってくる。
「やってやろうじゃない!」
無意識のうちに、そう叫んでいた。夜見は、そんな私にふっと笑うだけ。
キザな奴と思いながらじっと見る。そして、私はあることを思い出して、夜見に尋ねた。
「……そういえば、私と夜見って同じクラスだけど大丈夫?」
「うわ、最悪。教室では近づくなよ」
本気で嫌そうな顔をした夜見に、私は怒気を込めながら言う。
「はいはい。言われなくても、ある程度制御できるまでは近づきませんってば。夜見こそ近づいて自滅しないでよ?」
「俺はそんなバカなことはしない」
確かにしないだろうけど、そう言われるとなんかいらっとする。
副音声に、誰かさんとちがってと聞こえたからだろうか。
というか、なんか忘れてるような気がするけど……まぁいっか。
「それじゃあ、さっそく家に帰って調べてみるから、また学校でね」
「ああ。じゃあな」
そんな挨拶だけを交わして、私は夜見の家を出て、自分の家へと帰宅した。
でも、今の私は喜んだりだとか、懐かしんだりとか、そんな感情は出せない。
むしろ、この空間がこの緊張感のようなものを生んでいるような気がした。
「そこに座りな」
私はリビングにあるソファへと座るけど、夜見は座らずに私から離れるように部屋の隅へと移動する。
少し息切れしているように見えるのは気のせいだろうか?
「下手にごまかしても意味はないから、単刀直入に言うぞ」
「……うん」
理由を聞けるならなんでも来いだ!
私はどんなひどい言葉でも覚悟はできている。
「俺は鬼神。お前は巫女だ。いや、祓い師のほうがわかりやすいか」
「………………へっ?」
理解が追いつかなかった。長い間を経て、発することができたのはそれだけだった。
なんでも来いとは思った。でも、予想の斜め上が来てしまった。
きじん……?みこ……?はらいし……?
「ど、どういうこと……?」
「俺はあやかし。妖怪だ。そして、三咲はあやかしを退治する力を持っている巫女なんだ。とはいっても、祓い専門らしいが」
そんな非現実的なことを言われても、実感が湧かない。というか、理解することができない。
あの女性が言っていたのは、巫女ってことかということしか理解できなかった。
「い、いきなり妖怪だとか、巫女だとか、祓い師だとか言われてもわかんないよ」
「お前、俺の親、見たことないだろ?」
夜見に突然そんなことを言われて、私は今までの思い出を振り返る。
確かに、幼稚園の遊戯会や、小学校の運動会とかの、保護者が見に来られるイベントで夜見の親を見たことはないし、家に遊びに来たときも見かけることはなかった。
私は、仕事が忙しいのかなと思っていたんだけど、そうではなかった?
「二人ともあやかしだからな。三咲たちの強い巫女の力のお陰で、視界に入るほど近くには近づけなかったんだ」
「ええ~……」
私の力で近づけなかった?ますます意味がわからない。
こんな小娘の何を恐れる必要があるというのだろうか。
……ん?待って?今、三咲たちって言った?
「たちってどういうこと?」
「……お前の母親も破魔の力を持っていて、母親は代々巫女を輩出していた家系なんだ。それも聞いてないのか?」
「いや、まったく。そもそも、お母さんはそんな話はしないよ」
お母さんは、お化けとか、妖怪だとか、そんなのはまったく信じない人だ。
だからこそ、私の家って巫女なのよとかは、間違っても言うことはない。
もしそう言ってきたとしても、お母さんの頭がおかしくなったと別の意味で驚愕するだろう。
「そういえば、見えない人だったか。あの人は」
夜見はそう呟くと、私のほうを向いて言葉を続ける。
「とにかく、俺はあやかしだから、巫女であるお前には近づけないんだ。そんなに霊気を駄々漏れにされたらな」
「だから避けてたってこと?」
「ああ。お前がある程度制御できるようになってからと思ったが、まったくそんな気配がないから、おちおち学校にも行けない」
なんか、学校に行かないのを私のせいにされているけど、何も言い返せない。
普通なら、こんなことは信じない。でも、夜見があの変な黒いのを追い払ったのを見て、私が触れただけで痛がって赤く腫れているのを見た後なら、なんかしっくり来てしまうから不思議だ。
夜見が言っているからというのもあるのかもしれない。夜見は、おふざけでこんなことをする人じゃないのは、私がよく知っているから。
「本当はこの距離でもきついんだが、こんな話を道端でするわけにはいかないからな」
「確かに……」
巫女だとかあやかしだとか、現代では何を言ってるの扱いされるのは目に見えている。
夜見は、息切れが激しくなっている。どうやら、結構苦しいらしい。
うーむ……こうなってしまうなら、チャイムを押しても出てくるわけないよね。
「でもさ、今まで、普通に手を繋いだりとかしてたじゃない」
幼稚園の時も、小学生の時も、中学生の時も、色んな場面で夜見とは触れ合ったりしていた。
それが、今になって無理なんて、そんな馬鹿なことがあるんだろうか。
「俺が十六になって、急にあやかしの力に目覚めてしまったからだ」
「えっ?そういうのって、生まれたときから持っているものなんじゃないの?」
夜見の話を事実とするなら、私の力を恐れていたから夜見の両親は私の前に姿を見せなかった。
それならば、私の力は生まれたときから持っていたのだろう。そう考えると、夜見も最初から持っていそうだ。
「片鱗のようなものはあった。蝋燭くらいの火を灯したりとかな。それが、十六で覚醒したみたいだ。両親も、ずいぶんと遅いと言っていたくらいだ」
「そうなんだ……」
正直、まだ信じられないし、信じたくもない。
でも、今の私では夜見は離れてしまう。それだけは、受け入れなければならない。
「……まだよくわからないけど、私がこの力を抑えられるようになったら夜見に近づいてもいいってことでしょ?」
「そうなるな。だが、できるのか?お前の巫女としての力は相当強いが」
「えっ?そうなの?」
巫女の平均の強さを知っているわけではないけど、せいぜいが平均くらいだと思っていたのに。
「多分、先祖返りだろう。今まで三咲ほどの強い力を持つ巫女は生まれていなかったそうだからな」
「う~ん……でも、なんとかやってみる。少なくとも、使い方はなんとかして学びたいし。またあんなのが寄ってこられたら嫌だしね。だから、ちゃんと学校には来てよ?」
そうしないと、そろそろファンクラブの人たちが爆発しそうな気がする。
ファンクラブの人たちは、夜見ロスのお陰で、あからさまに元気がないのがよくわかる。
そして、私に睨みで八つ当たりしてくる。
まだ睨むだけなら無視していればいいけど、そろそろ物理的な手段に出てもおかしくなさそうだ。
「出席日数の関係もあるから、近いうちに行くつもりではいた。誰かさんが迎えに来なければ行けたはずなんだがな」
夜見は、じとっとした目で私を見る。
「それは悪うございましたね!」
知らなかったんだから仕方ないでしょと、心の中でも悪態をついてしまう。
ふてくされていると、夜見が近づいてきて、私の頭を何かがぽんと叩く。
「拗ねるなって。こっちも理由くらいは話しておくべきだったんだ」
夜見は私に笑いかける。慰めてくれているんだろう。
前までの私なら素直に喜んだにちがいない。でも、今はちがう。
私は、頭に置かれているものを掴んで、夜見に問う。
「……ねぇ、なんでマジックハンドなの!?本物の手なら完璧だったのに、素直に喜べないんだけど!」
「だって、俺はお前には触れられないからな。この距離でもきついのに触れるのは無理だ」
「このマジックハンドのお陰でムードぶち壊しなんだって!」
本来なら、どう考えても胸がきゅんきゅんするシーンのはずなのに、そんなことは欠片も起きないような構図なのである。
だって、私の頭に置かれているのは温もりのある手のひらではなく、冷たい無機質な人工の手だからだ。
「俺の手でやって欲しいなら、さっさと制御できるようになれ」
バカにしたようにそういう夜見に、だんだん腹が立ってくる。
「やってやろうじゃない!」
無意識のうちに、そう叫んでいた。夜見は、そんな私にふっと笑うだけ。
キザな奴と思いながらじっと見る。そして、私はあることを思い出して、夜見に尋ねた。
「……そういえば、私と夜見って同じクラスだけど大丈夫?」
「うわ、最悪。教室では近づくなよ」
本気で嫌そうな顔をした夜見に、私は怒気を込めながら言う。
「はいはい。言われなくても、ある程度制御できるまでは近づきませんってば。夜見こそ近づいて自滅しないでよ?」
「俺はそんなバカなことはしない」
確かにしないだろうけど、そう言われるとなんかいらっとする。
副音声に、誰かさんとちがってと聞こえたからだろうか。
というか、なんか忘れてるような気がするけど……まぁいっか。
「それじゃあ、さっそく家に帰って調べてみるから、また学校でね」
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