3 / 23
第一章 鬼神と巫女
第三話 幼なじみの正体
しおりを挟む
家の中は、何も変わらない。以前から何度も来ていた場所だから、当然、見覚えはある。
でも、今の私は喜んだりだとか、懐かしんだりとか、そんな感情は出せない。
むしろ、この空間がこの緊張感のようなものを生んでいるような気がした。
「そこに座りな」
私はリビングにあるソファへと座るけど、夜見は座らずに私から離れるように部屋の隅へと移動する。
少し息切れしているように見えるのは気のせいだろうか?
「下手にごまかしても意味はないから、単刀直入に言うぞ」
「……うん」
理由を聞けるならなんでも来いだ!
私はどんなひどい言葉でも覚悟はできている。
「俺は鬼神。お前は巫女だ。いや、祓い師のほうがわかりやすいか」
「………………へっ?」
理解が追いつかなかった。長い間を経て、発することができたのはそれだけだった。
なんでも来いとは思った。でも、予想の斜め上が来てしまった。
きじん……?みこ……?はらいし……?
「ど、どういうこと……?」
「俺はあやかし。妖怪だ。そして、三咲はあやかしを退治する力を持っている巫女なんだ。とはいっても、祓い専門らしいが」
そんな非現実的なことを言われても、実感が湧かない。というか、理解することができない。
あの女性が言っていたのは、巫女ってことかということしか理解できなかった。
「い、いきなり妖怪だとか、巫女だとか、祓い師だとか言われてもわかんないよ」
「お前、俺の親、見たことないだろ?」
夜見に突然そんなことを言われて、私は今までの思い出を振り返る。
確かに、幼稚園の遊戯会や、小学校の運動会とかの、保護者が見に来られるイベントで夜見の親を見たことはないし、家に遊びに来たときも見かけることはなかった。
私は、仕事が忙しいのかなと思っていたんだけど、そうではなかった?
「二人ともあやかしだからな。三咲たちの強い巫女の力のお陰で、視界に入るほど近くには近づけなかったんだ」
「ええ~……」
私の力で近づけなかった?ますます意味がわからない。
こんな小娘の何を恐れる必要があるというのだろうか。
……ん?待って?今、三咲たちって言った?
「たちってどういうこと?」
「……お前の母親も破魔の力を持っていて、母親は代々巫女を輩出していた家系なんだ。それも聞いてないのか?」
「いや、まったく。そもそも、お母さんはそんな話はしないよ」
お母さんは、お化けとか、妖怪だとか、そんなのはまったく信じない人だ。
だからこそ、私の家って巫女なのよとかは、間違っても言うことはない。
もしそう言ってきたとしても、お母さんの頭がおかしくなったと別の意味で驚愕するだろう。
「そういえば、見えない人だったか。あの人は」
夜見はそう呟くと、私のほうを向いて言葉を続ける。
「とにかく、俺はあやかしだから、巫女であるお前には近づけないんだ。そんなに霊気を駄々漏れにされたらな」
「だから避けてたってこと?」
「ああ。お前がある程度制御できるようになってからと思ったが、まったくそんな気配がないから、おちおち学校にも行けない」
なんか、学校に行かないのを私のせいにされているけど、何も言い返せない。
普通なら、こんなことは信じない。でも、夜見があの変な黒いのを追い払ったのを見て、私が触れただけで痛がって赤く腫れているのを見た後なら、なんかしっくり来てしまうから不思議だ。
夜見が言っているからというのもあるのかもしれない。夜見は、おふざけでこんなことをする人じゃないのは、私がよく知っているから。
「本当はこの距離でもきついんだが、こんな話を道端でするわけにはいかないからな」
「確かに……」
巫女だとかあやかしだとか、現代では何を言ってるの扱いされるのは目に見えている。
夜見は、息切れが激しくなっている。どうやら、結構苦しいらしい。
うーむ……こうなってしまうなら、チャイムを押しても出てくるわけないよね。
「でもさ、今まで、普通に手を繋いだりとかしてたじゃない」
幼稚園の時も、小学生の時も、中学生の時も、色んな場面で夜見とは触れ合ったりしていた。
それが、今になって無理なんて、そんな馬鹿なことがあるんだろうか。
「俺が十六になって、急にあやかしの力に目覚めてしまったからだ」
「えっ?そういうのって、生まれたときから持っているものなんじゃないの?」
夜見の話を事実とするなら、私の力を恐れていたから夜見の両親は私の前に姿を見せなかった。
それならば、私の力は生まれたときから持っていたのだろう。そう考えると、夜見も最初から持っていそうだ。
「片鱗のようなものはあった。蝋燭くらいの火を灯したりとかな。それが、十六で覚醒したみたいだ。両親も、ずいぶんと遅いと言っていたくらいだ」
「そうなんだ……」
正直、まだ信じられないし、信じたくもない。
でも、今の私では夜見は離れてしまう。それだけは、受け入れなければならない。
「……まだよくわからないけど、私がこの力を抑えられるようになったら夜見に近づいてもいいってことでしょ?」
「そうなるな。だが、できるのか?お前の巫女としての力は相当強いが」
「えっ?そうなの?」
巫女の平均の強さを知っているわけではないけど、せいぜいが平均くらいだと思っていたのに。
「多分、先祖返りだろう。今まで三咲ほどの強い力を持つ巫女は生まれていなかったそうだからな」
「う~ん……でも、なんとかやってみる。少なくとも、使い方はなんとかして学びたいし。またあんなのが寄ってこられたら嫌だしね。だから、ちゃんと学校には来てよ?」
そうしないと、そろそろファンクラブの人たちが爆発しそうな気がする。
ファンクラブの人たちは、夜見ロスのお陰で、あからさまに元気がないのがよくわかる。
そして、私に睨みで八つ当たりしてくる。
まだ睨むだけなら無視していればいいけど、そろそろ物理的な手段に出てもおかしくなさそうだ。
「出席日数の関係もあるから、近いうちに行くつもりではいた。誰かさんが迎えに来なければ行けたはずなんだがな」
夜見は、じとっとした目で私を見る。
「それは悪うございましたね!」
知らなかったんだから仕方ないでしょと、心の中でも悪態をついてしまう。
ふてくされていると、夜見が近づいてきて、私の頭を何かがぽんと叩く。
「拗ねるなって。こっちも理由くらいは話しておくべきだったんだ」
夜見は私に笑いかける。慰めてくれているんだろう。
前までの私なら素直に喜んだにちがいない。でも、今はちがう。
私は、頭に置かれているものを掴んで、夜見に問う。
「……ねぇ、なんでマジックハンドなの!?本物の手なら完璧だったのに、素直に喜べないんだけど!」
「だって、俺はお前には触れられないからな。この距離でもきついのに触れるのは無理だ」
「このマジックハンドのお陰でムードぶち壊しなんだって!」
本来なら、どう考えても胸がきゅんきゅんするシーンのはずなのに、そんなことは欠片も起きないような構図なのである。
だって、私の頭に置かれているのは温もりのある手のひらではなく、冷たい無機質な人工の手だからだ。
「俺の手でやって欲しいなら、さっさと制御できるようになれ」
バカにしたようにそういう夜見に、だんだん腹が立ってくる。
「やってやろうじゃない!」
無意識のうちに、そう叫んでいた。夜見は、そんな私にふっと笑うだけ。
キザな奴と思いながらじっと見る。そして、私はあることを思い出して、夜見に尋ねた。
「……そういえば、私と夜見って同じクラスだけど大丈夫?」
「うわ、最悪。教室では近づくなよ」
本気で嫌そうな顔をした夜見に、私は怒気を込めながら言う。
「はいはい。言われなくても、ある程度制御できるまでは近づきませんってば。夜見こそ近づいて自滅しないでよ?」
「俺はそんなバカなことはしない」
確かにしないだろうけど、そう言われるとなんかいらっとする。
副音声に、誰かさんとちがってと聞こえたからだろうか。
というか、なんか忘れてるような気がするけど……まぁいっか。
「それじゃあ、さっそく家に帰って調べてみるから、また学校でね」
「ああ。じゃあな」
そんな挨拶だけを交わして、私は夜見の家を出て、自分の家へと帰宅した。
でも、今の私は喜んだりだとか、懐かしんだりとか、そんな感情は出せない。
むしろ、この空間がこの緊張感のようなものを生んでいるような気がした。
「そこに座りな」
私はリビングにあるソファへと座るけど、夜見は座らずに私から離れるように部屋の隅へと移動する。
少し息切れしているように見えるのは気のせいだろうか?
「下手にごまかしても意味はないから、単刀直入に言うぞ」
「……うん」
理由を聞けるならなんでも来いだ!
私はどんなひどい言葉でも覚悟はできている。
「俺は鬼神。お前は巫女だ。いや、祓い師のほうがわかりやすいか」
「………………へっ?」
理解が追いつかなかった。長い間を経て、発することができたのはそれだけだった。
なんでも来いとは思った。でも、予想の斜め上が来てしまった。
きじん……?みこ……?はらいし……?
「ど、どういうこと……?」
「俺はあやかし。妖怪だ。そして、三咲はあやかしを退治する力を持っている巫女なんだ。とはいっても、祓い専門らしいが」
そんな非現実的なことを言われても、実感が湧かない。というか、理解することができない。
あの女性が言っていたのは、巫女ってことかということしか理解できなかった。
「い、いきなり妖怪だとか、巫女だとか、祓い師だとか言われてもわかんないよ」
「お前、俺の親、見たことないだろ?」
夜見に突然そんなことを言われて、私は今までの思い出を振り返る。
確かに、幼稚園の遊戯会や、小学校の運動会とかの、保護者が見に来られるイベントで夜見の親を見たことはないし、家に遊びに来たときも見かけることはなかった。
私は、仕事が忙しいのかなと思っていたんだけど、そうではなかった?
「二人ともあやかしだからな。三咲たちの強い巫女の力のお陰で、視界に入るほど近くには近づけなかったんだ」
「ええ~……」
私の力で近づけなかった?ますます意味がわからない。
こんな小娘の何を恐れる必要があるというのだろうか。
……ん?待って?今、三咲たちって言った?
「たちってどういうこと?」
「……お前の母親も破魔の力を持っていて、母親は代々巫女を輩出していた家系なんだ。それも聞いてないのか?」
「いや、まったく。そもそも、お母さんはそんな話はしないよ」
お母さんは、お化けとか、妖怪だとか、そんなのはまったく信じない人だ。
だからこそ、私の家って巫女なのよとかは、間違っても言うことはない。
もしそう言ってきたとしても、お母さんの頭がおかしくなったと別の意味で驚愕するだろう。
「そういえば、見えない人だったか。あの人は」
夜見はそう呟くと、私のほうを向いて言葉を続ける。
「とにかく、俺はあやかしだから、巫女であるお前には近づけないんだ。そんなに霊気を駄々漏れにされたらな」
「だから避けてたってこと?」
「ああ。お前がある程度制御できるようになってからと思ったが、まったくそんな気配がないから、おちおち学校にも行けない」
なんか、学校に行かないのを私のせいにされているけど、何も言い返せない。
普通なら、こんなことは信じない。でも、夜見があの変な黒いのを追い払ったのを見て、私が触れただけで痛がって赤く腫れているのを見た後なら、なんかしっくり来てしまうから不思議だ。
夜見が言っているからというのもあるのかもしれない。夜見は、おふざけでこんなことをする人じゃないのは、私がよく知っているから。
「本当はこの距離でもきついんだが、こんな話を道端でするわけにはいかないからな」
「確かに……」
巫女だとかあやかしだとか、現代では何を言ってるの扱いされるのは目に見えている。
夜見は、息切れが激しくなっている。どうやら、結構苦しいらしい。
うーむ……こうなってしまうなら、チャイムを押しても出てくるわけないよね。
「でもさ、今まで、普通に手を繋いだりとかしてたじゃない」
幼稚園の時も、小学生の時も、中学生の時も、色んな場面で夜見とは触れ合ったりしていた。
それが、今になって無理なんて、そんな馬鹿なことがあるんだろうか。
「俺が十六になって、急にあやかしの力に目覚めてしまったからだ」
「えっ?そういうのって、生まれたときから持っているものなんじゃないの?」
夜見の話を事実とするなら、私の力を恐れていたから夜見の両親は私の前に姿を見せなかった。
それならば、私の力は生まれたときから持っていたのだろう。そう考えると、夜見も最初から持っていそうだ。
「片鱗のようなものはあった。蝋燭くらいの火を灯したりとかな。それが、十六で覚醒したみたいだ。両親も、ずいぶんと遅いと言っていたくらいだ」
「そうなんだ……」
正直、まだ信じられないし、信じたくもない。
でも、今の私では夜見は離れてしまう。それだけは、受け入れなければならない。
「……まだよくわからないけど、私がこの力を抑えられるようになったら夜見に近づいてもいいってことでしょ?」
「そうなるな。だが、できるのか?お前の巫女としての力は相当強いが」
「えっ?そうなの?」
巫女の平均の強さを知っているわけではないけど、せいぜいが平均くらいだと思っていたのに。
「多分、先祖返りだろう。今まで三咲ほどの強い力を持つ巫女は生まれていなかったそうだからな」
「う~ん……でも、なんとかやってみる。少なくとも、使い方はなんとかして学びたいし。またあんなのが寄ってこられたら嫌だしね。だから、ちゃんと学校には来てよ?」
そうしないと、そろそろファンクラブの人たちが爆発しそうな気がする。
ファンクラブの人たちは、夜見ロスのお陰で、あからさまに元気がないのがよくわかる。
そして、私に睨みで八つ当たりしてくる。
まだ睨むだけなら無視していればいいけど、そろそろ物理的な手段に出てもおかしくなさそうだ。
「出席日数の関係もあるから、近いうちに行くつもりではいた。誰かさんが迎えに来なければ行けたはずなんだがな」
夜見は、じとっとした目で私を見る。
「それは悪うございましたね!」
知らなかったんだから仕方ないでしょと、心の中でも悪態をついてしまう。
ふてくされていると、夜見が近づいてきて、私の頭を何かがぽんと叩く。
「拗ねるなって。こっちも理由くらいは話しておくべきだったんだ」
夜見は私に笑いかける。慰めてくれているんだろう。
前までの私なら素直に喜んだにちがいない。でも、今はちがう。
私は、頭に置かれているものを掴んで、夜見に問う。
「……ねぇ、なんでマジックハンドなの!?本物の手なら完璧だったのに、素直に喜べないんだけど!」
「だって、俺はお前には触れられないからな。この距離でもきついのに触れるのは無理だ」
「このマジックハンドのお陰でムードぶち壊しなんだって!」
本来なら、どう考えても胸がきゅんきゅんするシーンのはずなのに、そんなことは欠片も起きないような構図なのである。
だって、私の頭に置かれているのは温もりのある手のひらではなく、冷たい無機質な人工の手だからだ。
「俺の手でやって欲しいなら、さっさと制御できるようになれ」
バカにしたようにそういう夜見に、だんだん腹が立ってくる。
「やってやろうじゃない!」
無意識のうちに、そう叫んでいた。夜見は、そんな私にふっと笑うだけ。
キザな奴と思いながらじっと見る。そして、私はあることを思い出して、夜見に尋ねた。
「……そういえば、私と夜見って同じクラスだけど大丈夫?」
「うわ、最悪。教室では近づくなよ」
本気で嫌そうな顔をした夜見に、私は怒気を込めながら言う。
「はいはい。言われなくても、ある程度制御できるまでは近づきませんってば。夜見こそ近づいて自滅しないでよ?」
「俺はそんなバカなことはしない」
確かにしないだろうけど、そう言われるとなんかいらっとする。
副音声に、誰かさんとちがってと聞こえたからだろうか。
というか、なんか忘れてるような気がするけど……まぁいっか。
「それじゃあ、さっそく家に帰って調べてみるから、また学校でね」
「ああ。じゃあな」
そんな挨拶だけを交わして、私は夜見の家を出て、自分の家へと帰宅した。
0
あなたにおすすめの小説
行かないで、と言ったでしょう?
松本雀
恋愛
誰よりも愛した婚約者アルノーは、華やかな令嬢エリザベートばかりを大切にした。
病に臥せったアリシアの「行かないで」――必死に願ったその声すら、届かなかった。
壊れた心を抱え、療養の為訪れた辺境の地。そこで待っていたのは、氷のように冷たい辺境伯エーヴェルト。
人を信じることをやめた令嬢アリシアと愛を知らず、誰にも心を許さなかったエーヴェルト。
スノードロップの咲く庭で、静かに寄り添い、ふたりは少しずつ、互いの孤独を溶かしあっていく。
これは、春を信じられなかったふたりが、
長い冬を越えた果てに見つけた、たったひとつの物語。
最弱白竜ですが、なぜか学園最強の銀竜に番認定されました
めめめ
恋愛
竜の血を引く者だけが貴族になれるこの世界で、白竜は最も格の低い竜の証。
白竜の男爵令嬢リーゼロッテは、特待生として国内最高峰の王立竜騎学園に入学する。待っていたのは上位貴族からの蔑みと、学園を支配する四人の御曹司「四竜」。
その筆頭、銀竜公爵家の嫡男ルシアンに初日から啖呵を切ったリーゼは、いじめと嫉妬の嵐に巻き込まれていく。
それでも彼女は媚びない、逃げない、折れない。
やがてルシアンはリーゼから目が離せなくなり――
白竜の少女が、学園と王国の運命を変える。
身分差×竜×学園ラブファンタジー、開幕。
本物の夫は愛人に夢中なので、影武者とだけ愛し合います
こじまき
恋愛
幼い頃から許嫁だった王太子ヴァレリアンと結婚した公爵令嬢ディアーヌ。しかしヴァレリアンは身分の低い男爵令嬢に夢中で、初夜をすっぽかしてしまう。代わりに寝室にいたのは、彼そっくりの影武者…生まれたときに存在を消された双子の弟ルイだった。
※「小説家になろう」にも投稿しています
君は恋人、でもまだ家族じゃない
山田森湖
恋愛
あらすじ
同棲して3年。
毎朝コーヒーを淹れて、彼の寝ぼけた声に微笑んで、
一緒に暮らす当たり前の幸せを噛みしめる——そのはずだった。
彼女は彼を愛している。
彼も自分を愛してくれていると信じている。
それでも、胸の奥には消えない不安がある。
「私たちは、このまま“恋人”で止まってしまうの?」
結婚の話になると、彼はいつも曖昧に笑ってごまかす。
最初は理由をつけていたのに、今では何も言わなくなった。
周囲の友人は次々と結婚し、家族を持ち始めている。
幸せそうな写真を見るたび、彼女の心には
“言えない言葉”だけが増えていく。
愛している。
でも、それだけでは前に進めない。
同棲という甘い日常の裏で、
少しずつ、確かにズレ始めているふたりの未来。
このまま時間に流されるだけの恋なのか、
それとも、家族へと歩き出せる恋なのか——。
彼の寝息を聞きながら、
彼女は初めて「涙が出そうな夜」を迎えていた。
一途に愛した1周目は殺されて終わったので、2周目は王子様を嫌いたいのに、なぜか婚約者がヤンデレ化して離してくれません!
夢咲 アメ
恋愛
「君の愛が煩わしいんだ」
婚約者である王太子の冷たい言葉に、私の心は砕け散った。
それから間もなく、私は謎の襲撃者に命を奪われ死んだ――はずだった。
死の間際に見えたのは、絶望に顔を歪ませ、私の名を叫びながら駆け寄る彼の姿。
……けれど、次に目を覚ました時、私は18歳の自分に戻っていた。
「今世こそ、彼を愛するのを辞めよう」
そう決意して距離を置く私。しかし、1周目であれほど冷酷だった彼は、なぜか焦ったように私を追いかけ、甘い言葉で縛り付けようとしてきて……?
「どこへ行くつもり? 君が愛してくれるまで、僕は君を離さないよ」
不器用すぎて愛を間違えたヤンデレ王子×今世こそ静かに暮らしたい令嬢。
死から始まる、執着愛の二周目が幕を開ける!
あなたがすき、だったから……。
友坂 悠
恋愛
あなたが好きだったから、わたしは身を引いた。
もともと、3年だけの契約婚だった。
恋愛感情なしに、偽装夫婦を演じよう。
そういうあなたに同意をして一緒に暮らし出した日々。
それなのに。
約束の期限の三日前、まさか酔ったあなたとそういう関係になるなんて、思わなかった。
だから。 わたしはそのまま翌朝家を出た。
わたしだけが、どんどんあなたを好きになってしまったことを隠したくて。
こんな気持ちを悟られ、あなたに迷惑がかかるのに、耐えられなくて。
#############
なろうさんで開催されていた、氷雨そら先生、キムラましゅろう先生主催、
シークレットベビー企画参加作品だった、「あなたが好きだったから」という短編に、少し加筆修正して連載化しました。
初めてのシクべ、ちょっと変わったタイプのシクべ作品となりました。
お楽しみいただけると幸いです。
龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる