幼なじみは鬼神。そして私は巫女でした

りーさん

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第一章 鬼神と巫女

第十九話 校外学習 4

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 萩山さん、岩井くん、私の三人で、花音たちがいる場所まで戻ってきた。
 道に迷っていたけど、二人は入口の場所を把握していたようで、二人の案内について行った形だ。

「なんで探しに来た存在が迷うのかね~?」
「な、何ででしょう……」

 岩井くんはからかうのが好きみたいで、私が迷ってしまったことをぽろっと話したら、道中、ずっとからかい続けている。
 もうやめてほしい。私も結構、恥ずかしいと思ってるんだから。

「あの……」

 いつの間にか私のすぐ近くまで近づいていた萩山さんが、小声で声をかけてくる。

「なに?」
「私のことはいつから気づいたのですか?」
「さっき夜見に聞いたの」
「そ、そうなんですか……」

 萩山さんは、少し複雑そうな表情をしている。
 自分のことは隠したがっているみたいだし、夜見に勝手にばらされたのが嫌だったのかもしれない。

「夜見に勝手に話すなって言っておこうか?」
「いえ、大丈夫です。赤城さまは純粋なあやかしなのでしょう。ならば仕方のないことですから」

 萩山さんは、そう言ってにこりと微笑んだ。
 逆に、私が複雑な思いを抱えることとなった。

◇◇◇

 あの後、班のみんなでいろいろな美術品を見て回ったけど、萩山さんの言葉が脳裏によぎり、集中することはできなかった。
 バスに乗り込んでも、萩山さんの言葉はよぎる。

 ーー仕方のないことですから

 萩山さんは、当たり前のようにそう言った。
 私は、先日の夜見の言葉を思い出す。

 ーー共感なんてものはできないし、思いやりなんて欠片もないぞ

 夜見は、私が知りたそうにしていたから教えてくれたんだろう。でも、それで萩山さんが傷つくとか、そんなことはまったく考えていなかったにちがいない。
 私がこのことを責めても、私が知りたがったから教えただけだと、なんてことないように言いそうだ。
 ここでも、やはりあやかしと人間の価値観は変わってしまうらしい。
 あやかしは、自分が良ければそれでいいのだろう。たとえ、他人が傷ついても、自分が悪いなんてまったく思わない。反省以前に、悪いことと思っていない。
 なら、夜見になにか言ったって、それが改善されることなんてないのかもしれない。

「……三咲?どうしたの」
「……ううん、なんでもない」

 隣に座っている花音が心配してくれるけど、私は素直に答えることなんてできない。
 夜見は、あやかしだ。人間にはなれない。
 私は、人間だ。あやかしにはなれない。
 どちらもどちらか一方になんてなれない。ならば、どちらかの価値観に合わせることも、簡単にできることではない。
 私は、どうしたらいいんだろうか。
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